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県議会一般質問 2016.6.8

  1 喫緊の課題に対しての知事の認識と取り組み
 
  2 医療・福祉行政について
 
  3 地方創生の視点での教育の展開について

 

1 喫緊の課題に対しての知事の認識と取り組み(1)県庁舎・幸町工場跡地活用

前田 おはようございます。  2日目トップバッターとして質問させていただきます自由民主党・活正の会、前田哲也でございます。  恥ずかしながら被災地には入れておりませんが、被災地支援を思う気持ちは皆様と同じでございます。自分にできる支援に取り組んでいきたいと思いますが、一日も早い復興をご祈念いたします。  また、知事におかれましては、日々激務のことと存じます。心身ともにトップとして厳しい中で県政運営を展開される知事、本当に健康にはご留意されてください。  それでは、質問に入らせていただきます。  1、喫緊の課題に対しての知事の認識と取組。  (1)県庁舎・幸町工場跡地活用について。  県庁舎跡地活用について、今、長崎市からは、公会堂にかわるホール機能が求められ、住民からは、跡地に市役所をとの住民投票の直接請求が行われていて、多くの市民の方から公会堂の存廃、MICEの計画を含めて、長崎市のまちづくりが迷走しているとご意見を受けます。私も同感であります。このことについて、私は、県が県庁舎跡地の整備案を示し切れずに今日に至っていることにも迷走の責任の一端があると思っております。今般、質問するに当たり、長崎市議会での動きもあっていますので、まずその点からお尋ねいたします。  先週末の報道によりますと、去る3日に、里見副知事が市議会の代表と市庁舎の県庁舎跡地建て替えの件で面談したとの報道があっています。報道によると、新市庁舎の建設可能性について、副知事は、市側でしっかり議論すべきであって、土地が貸せるか貸せないかはお答えしかねると発言したとあり、一方、市議会議長は、これまでの議論を重ねているので、今さら県庁跡地に市役所をつくるという話にはならないということだったと、両者の会談内容の認識の食い違いが指摘されています。  そこで改めて、まず知事に、この件について、ご所見をお尋ねいたします。  以下、対面演壇席より質問させていただきます。よろしくお願いします。
知事 前田議員のご質問にお答えをいたします。  県庁舎跡地の活用についてのお尋ねでございます。  県庁舎の跡地活用につきましては、平成21年度から検討に着手し、県議会や2度にわたる有識者懇話会などにおいて、さまざまなご議論をいただきながら検討を進めてきたところであります。  長崎市も参画したこの懇話会では、一部の委員の皆様からは、市役所としての活用という意見もありましたが、長崎市からは県に対して、市庁舎という提案はいただいてこなかったところであります。  さらに、昨年8月に、市並びに市議会から、県庁舎跡地の活用について、ホール機能を含む市の提案に対する特別の配慮を求めるご要望もいただいたところであり、それが市及び市議会のお考えであるとお聞きをしてきたところであります。  こうした経過を踏まえまして、去る2月、定例県議会において、跡地活用については、広場、交流・おもてなしの空間、質の高い文化芸術ホールといった3つの方向性を中心に、引き続き検討を進めたい旨、ご報告をさせていただき、その後、まちづくり・経済雇用対策特別委員会を設置していただき、ご議論をいただいているところであります。  こうした中、去る6月3日の市議会との面談の際には、こういう現状をご説明するとともに、県庁舎跡地を市役所として利用できるのかとのお尋ねに対して、市庁舎の位置をどこにするかという問題については、まずは市や市議会で議論していただくべき課題であるとお答えをしたと聞いているところであります。  県といたしましては、今後とも、県議会のご意見をお伺いしながら、県庁舎跡地活用の検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
前田 ありがとうございました。  過去に、同様の質疑の中で、跡地に市役所について、知事、どうなんですかという話において、本会議の答弁の中では、仮の話の質問には答えないという答弁を知事がされました。ということは、仮の話の質問には答えないということの裏を返せば、正式に話があれば検討できるという、今般、市民の会の方は読み替えたんじゃないのかなと私は思っていまして、そうであるならば、今も知事から答弁がありましたが、やはり今までの経緯を踏まえた中で、仮の話であったとしても、その可能性というものは極めて低いというような答弁をしてもいいのではないかということを私は思っています。  今日は折しも、市議会の中で総務委員会が閉会中の集中審査でこの住民投票について議論をしているとお伺いしています。そうした中で、県としては、まずもって整備案を粛々とつくっていくという作業が大事だと思っています。その作成状況の進捗をお聞きしたいと思っておりましたが、このことについては担当部署より、鋭意取り組んでいるということです。  ただ、今回そのやりとりをする中で、1つだけちょっと腑に落ちないことがあったので、そのことだけ確認をさせていただきたいと思います。  それは私は再三、整備案を早期に示してほしいということをこの議場で何度も訴えてまいりました。そうした中で、知事は、今年度末という目標をもって整備案というものを示したいというような方向を示されました。私は、今年度末の整備案というものは、整備方針並びにそれぞれの今3つの柱と言われたその建物に対しての経済効果や事業費であったり、財源等のシミュレーション、そういうものが合わさったものが整備案という認識をしていたわけですが、しかし、担当部署と打ち合わせする中では、そうではないと。今年度末に示す整備方針というものは、今現在ある3つの柱に肉付けをしたものとして方針を示し、議員が言ったようなシミュレーションというものは来年度の末ぐらいにしかならないというようなやりとりをさせていただいているのですが、その辺は私自身としては、年度末に、そういった経済効果、事業費、財源のシミュレーションがセットになった整備案が出ると思っておったのですが、そのことについて、改めてお尋ねしたいと思います。
企画振興部長 整備方針それから基本構想ということで、平成28年度は整備方針を決めまして、来年度に基本構想をつくっていこうというふうに思っているところでございます。  整備方針は、大体整備方向の骨格のところをつくり上げていこうというふうに思っております。それを受けまして、整備基本構想を来年度つくっていくわけでございますけれども、その中で、施設の用途であるとか、機能、規模、これに基づきます施設の配置、そういったものを含めまして事業費、財源、経済効果等もあわせて示していこうというふうに考えているところでございます。
前田 私自身の勝手な思い違いだと言われたらそれまでなのですが、しかし、例えば、図書館というものをつくるに当たって、そこが整備方針として示されて、そこにいろんな肉付けをしていって、その1年後に、事業費であったり、財源、経済効果というものが出るのだったら、それはそれでいいと思います。しかし、今回の場合は、3つの施設、3つの柱というものの組み合わせがある中で、そういったものを含めて議会として、年度末に出た整備案に対して、もし仮に、いいとか悪いとかいう判断を下すということであれば、それは1つのものを突き進めていくのではなくて、組み合わせの中で、その組み合わせを了とするというような判断を議会が求められるとするならば、そこにはやはり事業費であったり、経済効果、財源の裏付けがないと、そういった整備方針自身も了とすることは、私はなかなか判断がつきかねると思うのですが、その点については、どのような認識をお持ちでしょうか。
企画振興部長 まずは、今年の2月にお示ししました3つの方向性について、外部の有識者等のご意見もいただきながら検討を重ねているところでございますけれども、いろいろなホール機能におきましても、どの程度の質の高さを求めていくのか、各種グレードがございますので、そういったものをしっかり固めた上でお示しをしたいというふうに思っています。その上で、基本構想の中で、具体的なものを設定していくというふうに考えているところでございます。
前田 来年度の年度末という話になったら、まさしく県庁の新しいところができ上がって、引っ越しをするような時期。そういう時期にはじめてそういった経済効果や事業費、財源等が出されるということであるならば、当初に返った段階で、これまで私は「迷走」という言葉を使っておりますが、この県庁跡地のにぎわいに対して市民の方、県民の方が大いに不安を持つ中で、そういった示す時期というのは余りにも遅過ぎると思いますし、そうであるならば、その整備方針というものは、もっともっと早く示せたんじゃないのかということを意見しておき、またこの後の続きは委員会で質問させてもらいたいと思います。  それでは一方、今あったホール機能についての検討も進められているということでありましたが、昨年8月に市のほうから、公会堂の代替という形で県のほうに、一緒につくることができませんかというような、平たく言えばそういうような提案があっているわけですが、それからほぼ1年近くたつ中で、せんだって、県のほうとしては、1,000席の案のみが収支が合うというような新聞記事を見させてもらいました。正式には委員会のほうで報告があると思いますが、この今考えている1,000席の案というものは、市が言う公会堂の代替施設の、市長は今回、公会堂の解体予算を6月議会に計上しているみたいですが、その理由として、新聞報道によりますと、県が県庁舎跡地に1,000席程度のホールをつくりたいという方針を示した公会堂の代替施設のめどが立ち、解体できる状況になったということを言われているみたいですが、県としては、収支が合うと言ったこの1,000席というものは、市が提案している公会堂の代替用地のホール機能と合致するというような認識をお互いに持っているということでよろしいですか。1点確認させてください。
企画振興部長 2月の定例議会において、ホールの規模について、興行採算性の観点から、1,000席程度が優位性があるというふうにお答えしておりますけれども、ホールの席数に関しましては、これまで長崎市からの提案があった1,000席から1,200席という規模感と方向性は一致しているというふうに認識をしております。  現在、長崎市と県で考えるホールの主な用途、それから機能面である質の高さ、程度につきまして協議を重ねているところでございまして、今後、整備方針のできるだけ早い取りまとめに向けて、市と協議を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
前田 協議のスピード感というものをもう少し持ってほしいと思っております。  一方で、こういった跡地活用の問題がまだまだ一定の方向、結論が出ない中で、長崎市の中の民間の動きも出ておりまして、三菱幸町の跡地の問題についても協議がなされていると聞いています。せんだっての同僚議員もこの点を質問しましたが、県と市はオブザーバー的に参加し、意見を求められているということですが、私は、再三申し上げているように、県庁跡地や市役所それから駅裏、そして新たに出てきたこの三菱幸町跡地含めて、知事や市長たちとしては、まちづくりを考える上には、面としてのこれからのまちづくりを考えてほしいということを意見しておりますが、そういう意味においては、三菱幸町跡地についても、県がもっと主体的にかかわるべきではないか、もっと平たく言えば、県と市が協議する中で、この広大な土地をどのような形で長崎市の中で有効に活用していこうという、ただ単にオブザーバーで意見を求められたこと、例えば、用途地域の変更等について意見を述べるだけではなくて、もっと県と市として、どのような使い方があるかも含めて、かかわっていくべきだと思いますが、相手あってのことだと思いますが、この点については、今どのような取組をなされているのでしょうか。
企画振興部長 幸町工場の跡地は、長崎市の中心部に位置する約7ヘクタールに及ぶ広大な土地であることから、三菱重工におかれましても、今後のまちづくりを進める上で重要な土地であると認識をされているところでございます。その上で、今年の2月に、幸町工場跡地活用検討会が設置されているところでございます。  検討会といたしましては、本年度末までに一定の方向性を示す予定でございまして、将来のまちづくりに貢献する活用案となるよう、県としても、地元長崎市とともに会議に参加させていただいているところでございます。  幸町工場跡地につきましては、一義的には三菱重工が自社の資産有効活用策を検討されると考えておりますけれども、議員ご指摘のとおり、歴史や平和といった本県の特性を活かし、質の高い雇用の場の創出など、本県の活性化につながる土地活用となるよう、今後も意見を発してまいりたいというふうに思っております。
前田 この件についても、委員会でまた引き続き質疑をさせていただきたいと思います。

1 喫緊の課題に対し…(2)「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」登録について

前田 教会群の世界遺産登録についても、アドバイザリー契約を結んだイコモスの助言もあり、14ある構成資産のうち2つが外れる結果になりました。 知事は、非常に残念という趣旨のコメントを発していますが、構成資産を1つ失った田平教会を構成資産に持つ平戸市長は、新聞の中では、総括をしてほしいという発言があったやに聞きます。 県として、今回この2つの構成資産が外れたこと、そして当初は14の構成資産でいけると言っていたことも含めまして、どのような総括をし、これからどう取り組もうとしているのか、知事にご所見をお尋ねしたいと思います。
知事 イコモスの中間報告では、伝来、禁教、復活といったストーリーの中で、世界遺産としての顕著な普遍的価値は禁教期にあるという指摘でありましたことから、これまでの14資産について、それぞれ禁教期との関連を見出して推薦書素案を構築し、国へ提出していたところであります。  今回、イコモスの専門家から、2つの資産への助言に対しまして、国、県、市においてそれぞれ反論、説明を繰り返してまいったところでありますが、最終的に受け入れられることがなかったところであり、極めて残念に思っているところであります。早期かつ確実な登録を目指すためには、苦渋の決断ではありましたが、日野江城跡と田平天主堂を除く12資産で推薦書を再構成することを関係県、市町長で合意をいたしたところであります。  今後も、国内推薦決定並びに平成30年度の登録実現に向けて全力で取り組んでいかなければならないと考えております。  総括についてのお話が出ましたけれども、これはその都度、その都度、世界遺産登録推進会議、いわゆる首長会議でも、さまざまな議論をして、承認をしながら、ステップを踏んできたところでありまして、そういったこれまでの経緯はそれぞれ共有できているものと考えているところであります。
前田 振り返ってみると、教会群の世界遺産は本当に苦難の連続であります。登録の目標年度にいたしましても、当初は平成26年だったものが平成27年度になり、平成28年度になり、そして今は平成30年度となっております。構成資産につきましても、当初平成19年、35県内の資産プラス県外の資産8施設の43資産からはじまったものが、平成22年には30施設になり、平成24年に13施設、そして今現在、12構成資産というふうに、地域の方々を巻き込んだ中で、地域の活性化のための1つの手段として、世界遺産という中で地域活性化を図ろうという中では、このような結果になっていることは、地域の方々にとっても非常に歯がゆい思いというか、悶々とした思いがあると思います。  ですから、ここまで苦労したからこそ、私は平成30年度の登録を絶対なし遂げなければいけないと思っていますし、このチャンスしかないという認識を持つ中で、今、総括と言ったのは、私がやりとりの中で、県としての責任はどうなんだということも言っていたので、多分、そういうことを受けての今、総括については、その都度、その都度、会議の中で了解していたというような知事の答弁だったと思うんですが、私が言っている総括はそういうことではなくて、まさしくおっしゃったような、14資産でいけると言ったものが2資産が外れてしまった、それはイコモスと県との間での認識の違い、ボタンのかけ違えであって、それが何だったのかということをはっきりとこの際、説明を受けておかないと、これは掘り下げたものにしておかないと、今後のことについても、なかなか新しい推薦書に対する不安の声はなくならないと私は思っています。  そういう意味で、今回2資産が外れたことに対して、県としては、十分な説明ができたと言っていました。しかし、イコモスはそれについて、物証がないとだめだということで、外すようにというような指導があったといいます。なぜ見解が違ってきたのか、イコモスの守秘義務もあるのかもしれませんが、ここをきっちりと議場において総括、まさしくこれは総括なんですが、そこを担当部長のほうからしていただきたいと思います。
文化観光国際部長 イコモスの関係の2資産に対する指摘等についてのお尋ねでございますが、日野江城跡と田平天主堂の2資産については、イコモスの現地視察をした専門家に対し、その重要性、価値について粘り強く説明を続けてまいりました。  具体的には、日野江城跡については、その城下で形成された強固なキリシタンの信仰組織が、その後の島原・天草一揆の際に原城に立てこもったものであり、伝来から禁教に至る重要な過程の資産であるということ、また田平天主堂については、禁教期に潜伏キリシタンが移り住んだものの、信仰の発覚により追放されたこと、その後、解禁後に、外海地方などからカトリックに復帰した潜伏キリシタンが移住し、信仰を継続した特異な歴史を有する資産であるということを強く説明しました。  しかしながら、イコモスの専門家からは、日野江城跡については、伝来期のみの資産であり、禁教期における潜伏キリシタンの文化的伝統との直接的な関連がない、また田平天主堂については、禁教期における潜伏キリシタンの文化的伝統との関連が薄く、再来日した宣教師の指導による解禁後の移住による集落であるということで、禁教期に焦点を当て直したOUV(顕著な普遍的価値)には貢献しないという指摘でございました。そのような違いがあったということでございます。
前田 このことについても委員会の中でやりとりしたいと思いますが、教会群に普遍的価値を主体的に当てて世界遺産で進んだわけですが、禁教というふうにイコモスのほうが、要は、スポットがちょっと違っていたということ、そうなった時に今後考えられることは、教会群を中心として構成資産を組んで、そこにバッファーゾーンもかけながらストーリーを描いてきていたものが、こういった形で、もっと禁教に焦点を当てなさいということであるならば、これから、本来ならば、時間があれば、新しい追加の構成資産等の検討に入ってもいいと思うんですが、当然、文化財の指定等を考えた時に、そういう時間はありません。そうすると、今現在の構成資産の肉付けをもっと強くすること、それからストーリーの中で、この禁教のところをどう表現するかだと思っております。  お手元に、議長の許可を得て写真を配らせていただいておりますが、これは長崎市の如己堂の近くにある聖フランシスコ・ザベリオ堂跡の写真であります。何が言いたいかというと、こういった当時の浦上村からの弾圧、それから信仰を続けてきた歴史が、大浦天主堂と二十六聖人が構成資産から抜け落ちた時に、このストーリーも少し薄くなっております。しかし、実際はこういうものがあって、今までは民家であったので、こういった立て看をもって歴史を伝えてきていたのですが、この上にあるように、そういう民家が取り壊されて、今後、マンションが建つような計画がなされておって、この立て看自体も外されるようなおそれもありまして、そうした時に、こういった歴史というものをどうやって伝えるかというのを地元の方々が非常に不安視されていまして、こういうところを公有化していただいて、教会の責任においてこういう歴史を伝えたいというようなこともあっておりますし、今のストーリーの中には、浦上四番崩れみたいなものはなかなか強い表現で盛り込まれていないというようなことを確認させていただきます。  そういうことを含めまして、今後取り組むとして、やはりストーリーをもう一度、再構築する必要があると思いますが、その点について、今後の取組というものはどのようなことを考えているのか、お尋ねしたいと思います。
文化観光国際部長 議員ご指摘のとおり、本県には、日本二十六聖人の殉教や浦上四番崩れのほか、日本のキリスト教の歴史や禁教期を語る上で重要な出来事が数多くあり、既に推薦書にも記述しているところでありますが、今後も、イコモスからの助言や学術委員会のご意見を伺いながら、海外の方にも、よりわかりやすく理解していただけるよう、詳しく記述を加えてまいりたいと考えているところでございます。
前田 報道等の中では、名称等の変更も検討するようなお話も出ております。そういったことを踏まえて考えた時に、やはり今言ったような私の意見も含めてしっかりと、もうあとはストーリーの中で補っていくしかないのですから、そこは強く望んでおきたいと思いますし、今後につきましては、中身の密度を濃くすることもですが、やはり政府・官邸等に対して、最終的にはこれは閣議決定ですので、強く要請活動というものを展開していきたいということを要望しておきたいと思います。

2 医療・福祉行政に…(1)地域医療構想策定の進捗と県としての指導力の発揮

前田 地域医療構想の策定について、過去に、病床の削減ありきで進むのは大変危険であるという意見をし、県も同じ認識を示しました。  地域ごとの医療の現況を検証する中で、解決すべき医療課題の共通の認識と官民の病院間の機能連携・分担を図ることで、その地域の医療を守る、質を向上させる、そのためのガイダンスが地域医療構想であるという認識を持っています。  現在の策定状況について、ご答弁いただきたいと思います。
福祉保健部長 地域医療構想の策定に当たりましては、昨年8月から、県全体の会議、そして8つの構想区域ごとに地域医療構想調整会議というものを開催いたしまして、地域の課題、あるいはあるべき医療供給体制、そういう整備について議論を重ねておりまして、今般、構想の素案を取りまとめたところでございます。  今後は、県議会並びに関係団体の意見徴取、そしてパブリックコメント等を行いまして、そのご意見を反映しながら構想案を取りまとめまして、10月に予定しております医療審議会でご審議いただきまして、現在のところ、11月頃の策定を目指してまいりたいと考えております。
前田 概要の中を拝見させていただくと、都市部における地域の完結型に移行していくことが重要であるということをうたわれておりました。  そうする中で、民間の病院の今後の、どうやって自分たちの病院が将来、医療にかかわっていくのか、そしてその収支も含めたところで生き残っていくのかということとあわせて、大事なことは、長崎市であれば、大学病院や市民病院や原爆病院など300床以上の公的病院が果たすべき役割をしっかりと位置付ける、それは急性期医療に特化した形だと思っていて、ほかの民間病院でできることを回復期や慢性期において、そこを分担していくことが大事であると思っていますが、例えば、長崎市の事例を挙げますと、長崎市民病院が進めているような計画に関しましては、地域医療構想の思いとか趣旨にちょっと反するような形で今、計画がなされているようなことも聞く中で、ぜひこの際、お願いしたいのは、ブロックごとの地域医療構想について、しっかりとそれが守られていくというか、その構想について進んでいくような県としての指導とか助言をやっていただきたいということを要望しておきたいと思いますし、ちょっとはしょった形で恐縮でありますが、これだけ医療を取り巻く環境が変わっていく中で、私は、県の医療政策が全ての県内の医療を取りまとめているとするならば、現場の方々は事務職で、何年か置きにずっと異動でかわられております。そうした中で、やはり5年、10年先の医療を見据えて、非常に厳しい中で、この長崎県の医療を一定の位置で守っていくというためには、医療にたけた方が過去においてはいましたように、政策監的な役割で医療の専門家の方がトップに立って、そういう目配り、もしくは現場の声というものをしっかりと医療政策の中に反映していくべきだと思いますが、今は保健所の方が兼務されておりますが、こういった組織のトップに専門の方を置くということについて検討がされないのか、お尋ねしたいと思います。  それと、私が聞いているのは、適材の方がおられれば、そういう検討もできるのではないかという話の中で、大学側にそういう人材を求めたら、大学側も、しっかりそのことは受け止めますというようなことを聞いておりますので、そういうことも含めまして、今の県としての考え方をお聞きしたいと思います。
知事 医療行政を取り巻くさまざまな課題については、やっぱり専門的な見地で検討し、対応していかなければいけない課題も数多くあると考えているところであり、そういった中で、行政の中にも医師の資格を持った方を配置しているところであります。  ただ、先ほどからご議論いただいておりますように、大きな圏域等の諸課題等に取り組む際には、やはりそういった経験等もお備えの方々の知恵をおかりすることも必要だろうと考えているところでありますが、現状を申し上げますと、こうした諸課題については、病院企業団の企業長にさまざまな面でご相談をし、アドバイスをいただきながら、政策の実現に取り組んでいるところであります。
前田 病院企業長にご相談し、アドバイスをいただいているということですが、県下全般の医療政策を見る中で、また既存の人材や施設の活用を図る中では、やはりそういった専門的な立場の方を置かれることが、私は、これから先、誤りなき道を進んでいくという中では非常に有効だと思いますので、ご検討をしていただきたいことを要望しておきます。

2 医療・福祉行政について (2)国保の都道府県化に向けた取り組み

前田 国保の都道府県化に向けた取組と目指す効果について、お尋ねをいたします。  平成30年から国民健康保険の財政責任主体は都道府県に移管されます。全国的にも赤字自治体が増えており、赤字総額の増加も看過できない状況でありますが、直近の本県の各自治体の財政状況はどのような状況にあるのか、そしてまた、それに伴う1人当たりの医療費の現況というものは、全国的な中で、長崎県というのはどういう状況にあるのかをお尋ねしたいと思います。
福祉保健部長 本県市町の国保全体の財政状況でございますけれども、平成26年度で見ますと、15億5,900万円の赤字となっておりまして、黒字の団体が7市町、赤字の団体が14市町ということで、県全体の3分の2が赤字という厳しい状況にあると認識をしております。  また、1人当たりの医療費でございますけれども、これは年間で39万3,631円ということで、全国平均の年間額が33万3,461円でありますから、これと比較いたしますと6万170円高くなっているということで、順位を申し上げれば、高いほうから6番目というような状況でございます。
前田 今、福祉保健部長からありましたように、全国を見た時に、私は、概ね赤字ばかりなのかなと思いましたけれども、都道府県によっては黒字で経営されているところもあります。平成30年に向かって今からやるべきことというのは、各自治体がいかにして収支を改善していくかということもあると思うんですけれども、まさしく県が平成30年からその主体になるわけですから、今、多分、作業部会等で各自治体等も鋭意、事務的なこれからの切り替えについては協議されていると思うんですが、やはりこの際、いかにして健康の維持という意味で適切な、効果的な国保の事業をやっていくかということとあわせて、医療費の適正化に向けては、県が主体的に取り組んでいただきたいと思います。  そうした中で1つご指摘しておきたいのは、特定健診受診率が各市町において非常にばらつきがあります。そして、そのことが、市町で特定健診が高いから医療費が低いのかといったら、そういう相関性は実はないのですが、しかし、予防という意味では、やはり生活習慣病とかそういったものについては、特定健診が高いほど、その効果が出ているということがありますので、これは国保の次には後期高齢につながる話でありまして、医療費を適正化していくという中では、都道府県で取り組む国民健康保険事業にどう県が主体的に臨むのかというのがこれから本県の中では大きな課題であると思いますので、そのことについては集中的にと申しますか、しっかりとしたプロジェクト等も組んで取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。

2 医療・福祉行政について (3)周産期母子医療センターについての検討状況

前田 検討は、るる大学の間でやられているということであります。  それと、もうこの質問も今回が3回目となります。昨年12月議会の質疑の中では、福祉保健部長からは、現場としては2カ所目の設置の必要性を認識しているということでしたが、大学といろんな協議があるということでした。そして、知事のからは、総括的には必要だと、人口減少、少子化を迎える中で、女性の方が安心して産んでもらえる環境をつくるためには、これは大きな優先課題だと認識をしているというような答弁、それから最後には、しかし、これまでの経緯も私、まだ十分話を聞いていないので、基本的な考えを申し上げたが、しっかりと細かいところの話を聞いた上で判断させていただきたいというのが半年前の知事の答弁でした。  その後、鋭意進捗する中で、また知事もいろんな報告を担当部局から聞いていると思いますので、現時点において、知事の長崎大学病院における周産期母子医療センターの設置についての見解、認識をお聞きしたいと思います。
知事 議員ご指摘のとおり、今回の長崎大学病院の計画につきましては、昨年の11月議会において、細かいところまで話を聞いた上で判断したいと、こう申し上げてきたところであります。  県による支援が、単に長崎大学病院の施設や設備整備への支援ということだけではなくて、この計画の実現によって、離島やへき地を含むさまざまな地域の人材の確保・育成につながるのかどうか、あるいは本県の周産期医療の課題解決にどのように効果を発揮、期待できるのか、そういった点を含めて、十分に見極めをしていく必要があるものと思っているところであります。  このため、総合周産期母子医療センターの整備に向けて必要となる支援策、あるいは長崎大学病院の人材育成計画が実効性あるものとなるよう、今、長崎大学病院と協議を重ねているというところであり、今後、大学の整備計画のスケジュール等も踏まえながら、検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
前田 長崎大学の整備計画の進行を見極めながら検討していきたいということですが、私はさきの議会でも申し上げたと思うんですが、これは大学の整備計画というのはもちろん事実でありますが、私は、県として主体的に取り組む問題ではないかということを意見してきました。そういう意味において、先ほど知事からるる答弁があったわけで、そのことは了としながらも、聞き方を変えますと、大学の整備計画に委ねようとするならば、大学が仮に、財政的に検討を重ねた上で、難しいと判断した場合、県はどうするつもりでしょうか。
知事 財政的に難しいからどうするか、こうするかという観点だけではなくて、それはこの医療機能を維持していくためには、相当の財政負担が生ずるということはもちろん配慮しなければいけない観点であると思いますけれども、今、専門人材が不足する中で、それぞれの地域医療の質を維持するために、非常に苦労を重ねながら今の体制を維持してきているわけでありまして、長崎大学にこういった医療機能が集約されることによって、そうした地域への影響がないのか、あるいはプラスの効果があるのかどうかというのをやっぱりしっかり議論をし、そういった貢献が期待できるということであれば、県もこれは積極的に進めていかなければいけない課題である、これは基本的な方針はさきの議会でも申し上げてきたとおりであります。(発言する者あり)
前田 私の勘違いでしょうか、前回の答弁よりも、逆に少し慎重な意見が知事のほうから出ているような気がするのですが、今おっしゃったようなことは、前回の中で多分、福祉保健部長ともやりとりしていたし、そのことについて大学側も鋭意望んでいるということは意見してきたはずなんですが、私が言いたいのは、周産期医療という政策的色合いの濃い部分を一大学病院の判断や財政上の運営に頼っていては、それは県としては、政策の推進に主体的にかかわっているとは言えないと私は思っていて、今、知事がるるおっしゃったことは、もっともなことであります。しかし、そういうことも踏まえて、そこも含めて、しっかりと県として主体的にかかわっていくならば、もっと言えば、逆に言うと、県のほうから大学病院に対する助言とかがあっていいと思いますし、これは財政の話ではないと言いますが、やはり財政も大きな問題でありますので、そういうことが非常にネックとなっているならば、国に対して、県と大学病院が一緒になって働きかけてみるような作業が私はこの半年間の中であってもよかったんじゃないのかなと思っています。  いみじくも今回の震災におきまして、熊本県は2カ所の母子センターを抱えておりますけれども、そのうちの母子で7例、それから新生児で27例が県外搬出をやむなくしております。その受け皿は福岡と佐賀でありまして、長崎県は受け皿となることができませんでした。それはもちろん、大村の医療センターが満杯であるという状況の中で、県は、県外に搬出している事例もある中で、県外の子どもたちまでは預かれないという現状は重々わかりますが、今後、こういった震災等も考えた時に、本県の果たすべき役割は、本県の子どもたちを守るということもですが、やはりそういった震災等で県外搬出を余儀なくされるような子どもたちを受け入れる役割も本県が積極的に担っていくべき問題だと私は思っています。
前田 (続き) それで、この件につきましては非常に切実でありまして、県の医師会におきまして、実は、12月に理事会を開きまして、知事宛ての要望書を出すことを決定いたしました。しかしながら、この要望書が知事の目に通ったというか、福祉保健部長にお出しされたのは昨日であります。この間に、いろんな部局間での調整はあったと思うんですが、この要望書は、現場の切実な声を知事にどうしても聞いてほしいという思いでつくっておりました、今現在、知事とお会いすることができない状況であることは、非常に残念な思いがいたしております。  そうする中で、るるわかりました。知事の思いもよくわかりましたので、とにかく前に向かって進む中で、現場の声の代弁として、ぜひ知事に大学の現場を見てほしいというような声が上がっております。多分、まだこれは正式に上がっていない話かもしれませんが、知事、もしよろしければ、これから県として周産期医療に主体的にかかわっていく中で、現場を見てほしいという要請、もしくは知事自らが、皆さん方の現場をしっかりとこの目で見たいというようなご希望があれば、積極的に大学側は対応すると言っていますが、この際、視察をしてほしいということを要望したいと思いますが、知事、いかがでしょうか。
知事 そうした機会をいただけるということであれば、ぜひ設けてまいりたいと考えております。  先ほど、姿勢がむしろ後退しているのではないかというお話でありましたけれども、決してそういうことではなくて、そういった機能そのものは必要で、いかに人材を確保し、その総数を増やして育成していくのか、そういった機能が十分果たせるのかどうか、そういった点を含めて、今、協議を大学病院側と進めさせていただいているわけでありますので、決してこういった課題について、県の役割を放棄しているというところではなくて、よりそういった観点を含めて、大学病院と力を合わせて組み立てていかなければならないと考えているところであります。
前田 ありがとうございました。私のそういった取り違えだったのかもしれません。  機会があれば現場を見てくださるということなので、ぜひ見ていただきたいこととあわせて、国のほうに対する要請活動というものも今後必要と思いますので、そういった際には、ぜひ県も一緒になって要請活動を展開していただきたいということを最後に要望しておきます。

2 医療・福祉行政について(4)人口内耳の購入費等に対する公的助成の検討状況

前田 人工内耳装着の補助は請願として採択されておりますけれども、その後の検討状況について、担当部署のほうからご答弁いただきたいと思います。
福祉保健部長 人工内耳の助成につきましては、本来、国において、補装具への位置付け、あるいは医療保険の対象とすることが望ましいということから、これまで九州各県保健医療福祉主管部長会議等におきまして、国への要望を行ってまいりました。また、この間、昨年来、市町にもお話を聞いておりますけれども、国の補助事業である日常生活用具給付等事業というものがありますけれども、この活用を働きかけながら、人工内耳の支援に対するさまざまな市町の意見をお聞きして、協議を進めているところでございます。  申し上げるまでもなく、事業化を含めた支援策の構築につきましては、実施主体となるべき市町と認識を共有して、同じ方向を持つということが何よりも重要であると考えておりまして、今後、支援策を具現化するために、県と市町でワーキンググループを設置して協議をするということにしておりまして、その内容を踏まえまして、県内の市町全体の意見統一を図ってまいりたいと考えております。
前田 ありがとうございました。  手続的に、一義的にやっぱり市町ですので、確かに福祉保健部長がおっしゃった日常生活用具給付等事業ということで対応していただければいいんでしょうけれども、各市町においても財政が逼迫する中で、人工内耳に対してだけ、そこを追加するというのは、やはりほかのいろんな障害を見た時に、そこだけどうして、というのは多分出てくると思っていて、なかなか市町の自治体の判断だけでは難しいと私は思っています。  そういう中で、ワーキンググループを設置したというのは一歩前進だというふうな評価をいたしますけれども、どうなんでしょうか、知事、私は前にも多分意見したと思うんですが、この人工内耳に関しましては、九州の中でも長崎県が一番術数が多い。それは優秀なドクターがいること、それからそれについて療養するスタッフたち、医療関係者が充実していること、それと特別支援において、長崎県は全国的にも珍しく手話と口を使ったという、両方を使ってやっている、そういう人工内耳でお悩みの子どもさんを持つお父さん、お母さんから見たら非常にいい環境にある中で、よその県から、長崎県で療育したいということで、仕事をやめて引っ越してきて治療を受けているご夫婦もかいま見るところであります。
前田 (続き) そうしたところにおいて、せっかく来てみたけれども、支援制度がないというのは、先進的に取り組めている本県においては大変残念な状況でありまして、しかしながら、言われるとおり、人工内耳に特化して支援制度を県が主体的に、積極的にやるというのは非常に難しいと思っておりますが、数にして県下で50人程度と言われておりまして、5年に1回の取り替えということであれば、単年で90万円近くの費用になります。その費用の多寡がどうなんだということはあるかもしれませんが、市のほうでそういう負担について負担感があるということであれば、これは通常、国が2分の1、県がその4分の1、市町が4分の1となっているんでしょうけれども、そこの比率を変えてでも、県が8分の3、市町が8分の1、そういうふうな負担の見直しがあってもいいと私は思っていて、そうした時に、いろんな障害がある方の悩みに応える、支援をするための財源をどこから持ってくるかというのが多分これからの課題だと思っているんですが、私はこういったいろんなハンディを抱えている方の支援というのは優先課題だと思う中で、そういった財源確保について、これから県として、どういうふうに取り組もうとしているのか、またお考えがあるのかについて、お尋ねをしたいと思います。
福祉保健部長 財源確保につきましては、九州各県の部長会議とか、あるいは国のほうの担当部署にも当然お話をしていこうということにもなるでしょうし、ただ、この人工内耳だけ負担比率を変えるというようなことは、今の支援事業、そういう枠組みから、そこだけ変えるという話になると、どうしてもここは不均衡の部分も出てきますし、市町のほうで、そういうことが本当に可能なのかどうかという意見もあろうかと思います。  そういう中で、そういう課題も踏まえながら、当然そこはワーキングの中で話をしていくべきことだと思っておりますので、その意見を踏まえて、今後また協議をしていきたいと思っております。
前田 補装具のどういうものについて支援をするかというのは自治体が決めることですが、財源を考えると、やみくもにそれを増やすことは多分できないと思っているんですけれども、そこをニーズがある中で、本当に支援をしたいということであるならば、財源のことがもしそれをちゅうちょする理由の1つになるとするならば、それに対して、人工内耳だけではなくて、そのほかの全体的なことも含めて負担の見直しというか、あってもいいんじゃないのかなと思っているわけです。  ただしかし、それが県にしわ寄せが来るという話では、それはそれで県としても、整合性というか、バランスが悪いと思うので、一義的にはやっぱり国に求めていかなければいけないかもしれませんが、しかし、喫緊の経過措置の中では、そういうことも検討をしてもいいのではないかなと思ったので意見しただけで、人工内耳に特化したということではありませんので、その点はご理解をいただきたいと思いますし、これからのワーキングの中での議論というものに期待をしたいと思います。

3 地方創生の視点での教育の展開について (1)独自の教育行政の取り組み

前田 昨日の同僚議員の質疑の中でも、教育について、もっと主体的、積極的に取り組むべきだというようなご意見、そして人を育てること、教育こそが、人が大きな財産じゃないかというようなお話もありました。私も同感であります。地方創生においては、人材育成が最も大事な課題だと思っています。  従来の教育振興計画をもととして知事がつくられた教育大綱、または、まち・ひと・しごと創生総合戦略が新たに作成された中で、地方創生の中でこの人材育成をどう位置付け、そして教育分野に今後どう取り組もうとされているのかをお尋ねしたいと思います。
教育委員会教育長 今、前田議員からも人材育成の重要性についてご指摘がございましたが、私どもも、将来にわたって地域の活性化を図っていくためには、人材育成が極めて重要であるというふうに認識をしております。殊に、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、これらの変化にしっかりと対応できる人材育成に力を注ぐ必要があると考えているところでございます。  そのため、議員からもご指摘がございましたけれども、本県の教育等に関する総合的な施策の根本となる方針を定めた長崎県教育大綱におきましても、将来を担う子どもたちの育成に当たり、確かな学力を身に付け、自己実現ができる人材の育成、グローバル化に対応できる人材の育成、県内産業や地域を支える若者の地元定着の促進、ふるさと教育及び子どもたちを育み、見守る取組の推進、一人一人に目の行き届いた対応と関係機関における連携強化、子どもたちの社会性の醸成及び体験活動の推進の6つの取組を重点的に進めることとしているところであります。
前田 今、教育長から、6つの取組に重点的に取り組むということでありました。それが教育大綱の中でうたわれているわけですが、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中に入っている部分で、県内産業や地域を支える若者の地元定着の促進、それからふるさと教育や子どもたちを育み、見守る取組の推進等については、まち・ひと・しごと創生総合戦略の交付金事業が使えるので、それは多分、十分な展開がなされると思うんですが、知事が自らつくり上げた教育大綱の中で、そういったほかの項目についても重点的にやりたいんだけれども、予算がなかなか組めないという部分が多分あるんじゃないのかなと私は思っています。

3 地方創生の視点での教育…(2)教育分野での市長会の要望からみえてくる課題

前田 それと、一方で、各市長会から県に対して教育施策の要望が出ております。見させてもらうと8項目、9項目挙がっているのですが、全てが人材であったり、その財源であったり、そういったものに対する要望でありまして、もう5年も6年も同じような要望が出ているんです。全学年少人数学級編制と少人数指導のための加配措置の拡大について、少人数学級編制に伴う財政支援措置について、派遣指導主事の配置について、養護教諭の配置について、学校事務職員の配置について。
前田 (続き)このことは、教育大綱で知事が目指されている、確かな学力を身に付け、自己実現ができる人材の育成、グローバル化に対応できる人材の育成、多分、こういう教育大綱の目標とも合致したものであると私は思うんですが、しかし、この要望を満たそうと思ったら何十億円というお金がかかるようなことになっています。30人学級とした場合に、人件費は52億円、35人学級とした場合に、人件費が18億円、派遣指導主事の配置について11億円、養護教諭の配置について、未配置校15校に配置した場合には1億2,500万円と、残念ながら、各市長会が毎年毎年要望していることですが、これだけの財源をかけるわけにはいきません。できないと私は思う中で、さりとて、市長会からこのような要望が出ていること、そして、これから知事も含めた総合教育会議の中で目指していこうというこの教育の展開については、やはり1つには、子どもにかける教育の財源をどうやって確保するかということが大きな課題だと思っていて、そのために、この新しい教育委員会制度というのは、予算とリンクさせるための制度改正になっていると思っていて、その中に予算の権限を持つ総合教育会議のトップとして、知事が自らそこに座っておられると思っていて、これから教育が大事と言いながら、しかし、その教育にはやはりお金がかかる。そのお金を今までは教育委員会の中だけで何とかやりくりしていたけれども、これは県政全般の財政の予算の中から何とかしてひねり出すということを考えなければいけないというふうに私は思っています。  事前に財政課に、こういった教育にかけるものに対して、今の基金等で何か充てられるものがないかということをお聞きしましたが、見当たらないというような回答でしたが、知事、知事が定めた教育大綱に対して、人材育成という視点で、この財源の確保について、今後どのように取り組もうとしているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
知事 さまざまな施策を推進する上で、財源の確保というのは欠かせない課題であります。特に、市長会からご要望をいただいております、いわゆる少人数学級編制、これになると、国を通した施策として取り組んでいただかないと、各地方独自の取組では、やはり実現不可能な額になってくるわけでありますので、そういった働きかけは、これからも続けていかなければいけないと思っております。またあわせて、さまざまな人材育成という観点から活用できる財源等については、交付金であれ、あるいはさまざまな補助金の活用であれ、積極的に対応していかなければいけないと思っているところであります。
前田 せっかく新しい制度になったわけですから、国に要望することは要望としながらも、県の財政の中で、大変厳しいんでしょうけれども、教育に充てられるような先ほどの要望について、一部でも応えられるような部分があれば、しっかりと対応していただきたいということを要望しておきます。

3 地方創生の視点での教育の展開について (3)若者の学びの場の創出

前田 私は、地方創生の中での教育を、実は、学びの場というふうに置き換えております。そうした中では、今、学校関係のことを言いましたけれども、社会人になっても学ぶ場がないと、社会減がなかなか減らない中で、長崎に帰ってこいよ、仕事はできたんだから帰ってこいよと言っても、やはり帰ってきた先に、自己啓発を高める学ぶような場がないと、なかなか若者たちはそこに定住しようというふうにはならないと私は思っていまして、そういう意味において、社会人の学びの場という視点で見た時に、本県の環境というものはどういったふうに今認識をしているのか、そして学びの場が必要だという同じ認識に立つならば、社会人がそのような自分の仕事の中でのスキルをアップするような学び、もしくはいろんな方々と出会っていく中で自己啓発を高めていくような出会いの場を含めた学ぶような場について、今後、県としてどういうふうに取り組んでいこうとしているのか、最後にお尋ねしたいと思います。
教育委員会教育長 生涯学習という観点からお答えをさせていただきますと、議員もご指摘がございましたとおり、県民一人ひとりが自己研さんを深め、生きる喜びや張り合いなど、生きがいを感じながら積極的に地域の活動に参加していくためには、それぞれのライフステージに応じた学習機会を得ることができる社会の実現が大切であるというふうに考えております。  そういった意味で、現在、県におきましては、県民大学講座等を市町それからNPO、大学等と連携して主催をしておりますが、それの若者が参加しやすいような条件整備、講座の内容等、検討を進めたいと思いますし、長崎市とか佐世保市においては、市において独自の若者を対象にしたまちづくり塾等がありますので、その辺の連携も深めてまいりたいというふうに考えております。
長崎県議会議員 前田哲也事務所
前田哲也を支える会
自由民主党長崎県長崎市第三十支部
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