県議会一般質問 2015.12.2
1 安心して出産できる環境づくり (1)周産期医療の充実について
前田 | 昨年6月、長崎みなとメディカルセンター市民病院におきまして、周産期の低体重、未熟児を専門とする医師の欠員の問題、そのことによって逼迫した状況になっているということで知事に改善を求めました。 そして、本年2月、長崎大学病院における院内感染による病棟の一時閉鎖、こうした突発的な出来事、並びに一方で慢性的な本県における周産期の、特に低体重、未熟児の医療環境の厳しさを先の議会でも指摘いたしました。 一つには、人口、出生数1万人に対するNICUの病床が国の基準を下回っていること。そして、それは九州各県の数値においても低位であること。それから、人口、出生数1,000人に対して、そのような専門の医師の数が全国でワースト4位であり、これから改善がされたとしても、10年後も含めてワースト10位を脱し切れないこと。 そういうことを含めまして、先の議会において、長崎大学が今現在計画・検討している「総合周産期母子医療センター構想」について、県として積極的な支援を求めたものであります。 その際、今、大村の国立医療センターにある総合周産期母子医療センターの県内1カ所で足りているという認識を、県内2カ所が必要という認識に立ってほしいという質疑の中で、担当部長は、「そのことに対しては、これから専門部会の中で2カ所目設置の必要性の是非も含めて検討したい」という答弁をされたところであります。 その後の進捗状況の報告、並びにそのことに対しての担当部長の所見、あわせて、そのことを踏まえまして知事がこの周産期医療の環境づくりについてどのような所見を持たれ、これから取り組もうとしているのかを質問させていただきます。 以降の項目については、対面演壇席より行わせていただきます。 |
福祉保健部長 | 長崎大学病院の総合周産期母子医療センターの設置につきましては、議員のお話にもございましたけれども、6月に大学病院から整備計画概要の説明があり、その時点では大学病院内部の意思決定が終わっていないとのことでしたが、お話を承る中で、増床の特例許可が必要である等の課題が判明したことから、対応方法等の協議を行ってまいりました。 また、11月には、「長崎県小児・周産期・産科医療確保対策部会」を開催いたしまして、本県2カ所目となります総合周産期母子医療センターにつきまして、「設置必要」との意見をいただいたところであります。 現在、センターの設置工事につきましては、大学病院が進めております改修工事全体の中での整理等が必要であるため、院内で調整を行っているところと伺っております。 県といたしましては、NICUの整備目標達成のため、また、産科・小児科医師の養成のためにも必要な施設と認識しており、本県周産期医療の充実に向け、大学病院と協力して取り組んでいく考えであります。 |
知事 | 周産期医療の充実を図ってまいりますことは、大変重要なことであり、先般策定をいたしました「長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中においても、県内で安心して出産・子育てができるような環境を整備することは、極めて重要であると考え、周産期医療提供体制の構築を積極的に進めるということにいたしているところであります。 今回、長崎大学病院が周産期医療の充実を図ってまいりますために、自らNICU等を増床し、総合周産期母子医療センターを設置する計画を立てられたということでありますが、この方針は県のこれまでの方針と合致するものであると考えているところであります。 先の医療センターで総合周産期母子医療センターを整備された時、NICU等が常時定員超過状態となって県外搬送も発生いたしましたために、増床改修を計画され、これに対して県が支援を行った経緯もございます。 したがいまして、今回の大学病院の計画に対しても、必要な支援等について検討を行ってまいりたいと考えているところであります。 |
前田 | 福祉保健部長と知事から答弁をいただきましたが、さすれば、今、知事がおっしゃったように、今回、長崎大学が進めようとしている計画については、これはまさに県の施策そのものだという理解をしたというふうに、そういう認識に立ってよろしいですか、改めてお聞きします。 |
福祉保健部長 | ただいま知事からも答弁していただきましたけれども、周産期医療体制というのは、先ほど来お話しておりますように、県としてはベッド数が足りないという現状がございます。ただ、これは県だけでできるものではございませんので、大学病院あるいは現在母子医療センターを担っていただいている関係者ともお話をしながらしっかり進めてまいりたい。そして、安心して産み育てる体制を県としては構築したいと考えております。 |
前田 | ありがとうございました。 人口減社会を迎える中で、今、県は出生率2.08を目指して安心して子どもを産んでくださいというような環境をつくるために、これから全力を尽くすということであります。 そういう意味におきまして、今回のこの長崎大学の計画は、平成24年につくった「長崎県周産期医療体制整備計画」に照らしても、これはまさに県の施策だという認識を私は持っております。たまさか長崎大学病院が自分たちの使命感の中で今度の計画を立てている。 しかし、そこは長崎大学病院としては、病院経営という意味で、この周産期医療だけに特化して財政をそこにつぎ込むということは非常に難しいという中で、今、大学病院の方のお話を聞く中では、やはり財政支援というものをまず大きく県に求めているわけでありまして、これが担当部署との事前のヒアリングの中では、どうやら桁が1桁違っているような感覚を私は持っております。初期設置、それから備品等、それぞれ全てのものを含めて最大試算で8億円かかるという試算が出されているそうですが、さっき知事が言った医療センターの経緯を見た時に、多分、数千万単位の補助はできても、億という単位の補助、財政支援というものは、まだそこは検討の余地があると思います。 |
前田(続き) | しかし、ここで訴えさせていただきたいのは、これが県の施策であるならば、そして、県内の医療環境をよくするという視点に立てば、これが最後のチャンスだというふうに認識を持っていただきたいと思っております。 長崎大学は、平成31年の設置を目指しておりまして、これは逆算して国への申請、県への申請を考えました時に、大学から県への申請というものは、来年度の頭でなければ間に合わないというタイムスケジュールになっております。そして、今、そのさかのぼること4カ月前、現時点において知事がその財政支援も含めて大きな決断をしていただかないと、今、長崎大学病院が再開発の中で、設計図面上、このスペースは確保されておるそうでありますが、ここが難しいとなると、図面上から消さざるを得ない状況が年末、年明けにやってくるわけでありまして、今議会での知事の対応、判断というものが、将来的な長崎県の周産期の未来を決めると言っても過言でないと私は思っています。 知事、多分、所管の方からいろいろヒアリングをされ、勉強会もなさっていると思いますが、私が言いますように、今回のこの計画、これが最後のチャンスだと私は認識いたしていますが、知事においてもラストチャンスという認識がございますか。 |
知事 | 先ほどお答えいたしましたように、少子化対策に積極的に取り組む上で必要不可欠な医療機能であると考えているわけでありますが、これが全て県の施策として、いわゆる県が事業主体として位置づけてやるべき施設であるのかどうか。また、これまでの経緯も、私、まだ十分お話を聞いていないところであります。基本的な考え方を先ほど申し上げたところでありますけれども、しっかりと細かいところまで話を聞いた上で判断をさせていただきたいと考えております。 |
前田 | 現時点ではそういう答弁になるんだろうと思うので、それはそれで是としたいと思います。 しかし、いずれにしても、先に答弁があったように、大学と一緒になって取り組んでいくんだということは変わらないわけでありますから、ぜひこの実現に向けて頑張ってほしいと思います。 そして、何度も申し上げますが、人口減少対策、昨日も離島の出産の話が出ておりました。今現在はNICUに特化した話をしておりますが、全国的に見た中で、そして本県の離島を見た中で、これからは正常分娩も民間の医療では多分できない状況、本県の産婦人科の先生方の高齢化、そして数の減少を見た時に、そういったものを公立病院が担う時代が必ずきます。そうした時のマンパワー、そして医師の育成という意味においても、大村の医療センターだけでは全くもって足りないということを指摘させていただきたいと思います。 ちなみに、少子化対策の条例の子育て支援計画の中では2床増の計画になっていますが、この2床はどの病院、どの医療機関を想定しているんですか。 |
福祉保健部長 | 今お尋ねがございましたのは、条例に基づく「子育て条例行動計画」の中の話だと思います。 この2床というのは、現在が出生数1万人に対して23床ということでございまして、25床にしたのは、この条例をつくる時点では、国の指針でございます出生数1万人に対して25床から30床という目標が出ておりましたので、県といたしましては25床ということで掲載させていただいた状況でございます。 |
前田 | 繰り返しになるのでここでやめますけれども、物事の判断というのは非常に難しいのかもしれません。しかし、何年かたった時に、あの時こういう判断をしておけばよかったということがないように、ぜひぜひ知事においては研究、検討されて前向きな取組を切望するものであります。 |
2 県民所得向上最終年度における目標達成見込みと成果
2(1)県民の施策目標達成の実感について
前田 | このことは、6月定例会や9月定例会に同僚議員からも質疑が出ていて、見込みは達成できるということと、成果についてもるる答弁というか、ご披露されておりますので、そのことはもう質問いたしません。項目に沿って、県民の施策目標達成の実感について質問いたします。 私は、県民所得向上対策が仮に達成されるとして、しかし、県民の経済計算は2年後の公表であるために、県の事業が県民一人ひとり、そして、あまたある中小企業から見た時に、本当に県の施策が達成できたのか、そして、ひいてはそれが自分たちの所得を上げたのかということについては、なかなか実感が持てないと思うんです。 また、次期総合計画の中でも県民所得向上をうたっておりますので、ここで改めて確認をさせていただきますが、そういった県民や企業の実感として、この3カ年が成功したということについては、どのような認識を持たれておりますか。 |
企画振興部長 | これまで取り組んでまいりました県民所得の成果、これを県民の皆さんがどのように実感するのかというお尋ねでございます。 これまでの取組に対しまして、例えば製造業で申しますと、今回、県の事業の支援対象といたしました企業からは、「新たな製品開発につながり、将来にわたり増収が期待できる」という声ですとか、農業では、「地域別・品目別の産地計画の取組、多収性で高品質な品種の導入などによって生産量が増加し、所得向上につながった」などの声をお聞きしているところでございます。 また、観光業で申しますと、延べ宿泊者数が3年間で19.2%増加いたしまして、「宿泊施設の稼働率向上が図られ、経営状況が好転してきた」との声に加えまして、宿泊施設の従業員数が3年間で約1,600人増加をし、雇用創出に結びついているところでございます。 しかしながら、一方で県民所得向上対策の効果が、必ずしも各産業分野全体や県内各地に十分に広がるまでには至っていないという課題もあるものと認識いたしております。 こうした課題も踏まえまして、県といたしましては、対策の見直しや強化、企業、生産現場の皆様との連携、対話の一層の推進を図りまして、県民所得向上対策の効果をより具体的な形で実感していただくことができるよう努めてまいりたいと考えております。 |
前田 | 中村知事が3カ年ということで、県民所得向上という視点から総生産900億円を上げるということでの各種施策で3年間やってきたことに対しては、一定評価をいたしております。 しかし、私たちが常任委員会や特別委員会等で審査をする中で、やはりその成果というものが数字上は2年先しか見えないという話の中で、ややもすると各部局の目標値の数字を追っかけることにばかりに一生懸命になっているようなところがあります。 そういう意味においては、これも何度も繰り返して言っていますが、これは知事からの一種のカンフル剤であって、この900億円という目標を掲げることで、各部の施策や事業の内容や手法、組織、そういうものがどうやってドラスティックに変わっていくのか、今までの施策の中でなかなか効果が出なかったものを内部からやり方を変えることで変わってきたんだということを外に示していくこと、そして、その結果として、ひいては県民所得が向上したということが、多分、知事が目指していたものではなかったのかなという気が私はいたしております。 そういう意味においては、まだまだ改善が必要だと思っておりますし、私の中で意見として持っていることは、そういう意味においては、市や町や県との連携が十分であったのか、役割分担であったり、施策が有効に使えたのか。県の予算が7,000億円、そして市や町の予算が同様の7,000億円という数字の1兆4,000億円という数字を有効的に所得向上に向けて使うことができたのかということについては、まだまだこれからの取組だという認識をいたしております。 そしてもう一つは、ややもすると官ばかりがそのことを訴えていく中で、民が十分ついていけたのかということに対しては、そういう意味においても、これからは地銀の役割が非常に重要だという認識を持っていて、他の地銀においては、各自治体と協定を結んでいるところもたくさんあります。 しかし、残念ながら、長崎県においてはそういうものの実績というものがありませんので、ぜひこれから施策を磨き上げて、次の目標に向かって頑張ってほしいということを要望しておきます。 |
2(2)雇用増対策における企業誘致、地場企業育成等の課題について
前田 | 企業誘致の工業団地については、昨日も質問があっておりました。そして、地場企業育成等についても、私は、幸い、常任委員会、特別委員会に所属しているので、そちらの方で質問をさせていただきたいと思います。 企業誘致の中で一つの大きな課題は、オフィス系企業の誘致だという認識を持っておりまして、今度の総合計画の中では2,000人という誘致目標を立てています。 そうした中で、県としては「長崎金融バックオフィスセンター構想2020」の推進をするということですが、具体的にこの「長崎金融バックオフィスセンター構想2020」の中での人的な体制、それから、それに伴う活動的な、事業的な予算等は十分これから確保されるのかということについて、お尋ねいたします。 もう1点は、企業誘致の受け皿づくりであります。 事務系の企業誘致の受け皿がもうないということは、特別委員会も含めて何度も指摘しておりまして、その受け皿づくりのためのオフィスビルの建設が必要じゃないかということも特別委員会で取りまとめさせていただきました。 今回、県議会初日に知事から、「県有地を活用して」というような表現がありましたが、具体的に県有地を活用して、どのような形で、どの程度の規模のオフィスを受け皿として用意しようとしているのか、概略で結構ですので、ご答弁いただきたいと思います。 |
産業労働部長 | 「金融バックオフィスセンター構想」についてのお尋ねでございますが、国では国税の優遇等の措置を設けまして、首都圏等に集中する企業の本社機能の地方移転等を促進することとされておりますが、ただいま議員から質問がありましたように、こういった状況の中で、県の方では、長崎市と連携しまして「長崎金融バックオフィスセンター構想2020」ということで掲げさせていただいております。これは長崎港ウォーターフロントへのオフィスビルの整備促進を図りまして、保険会社など金融機関のバックオフィス機能等の誘致、集積を図ることとしているものでございます。 この構想としましては、平成32年度までにオフィスフロア整備面積で2,000坪、雇用計画数としまして2,000人を目標として掲げております。 構想の具体化に当たりまして、長崎市、産業振興財団と協議を重ねながら進めているところでございますが、誘致体制の強化、さらに活動についての充実、こういったところも含めまして取組を進めてまいりたいと考えております。 |
前田 | すみません、聞き漏らしたんでしょうかね。具体的にどういう方法でオフィスビルをつくるということの答弁はありましたかね。 |
産業労働部長 | 失礼いたしました。 オフィスビルの建設につきましては、県有地を活用して官民連携する形で検討を進めているところでございます。 |
前田 | 詳細については、また委員会等で質問したいと思います。 |
3 交流人口増への取り組み (1)クルーズ船の受け入れ体制整備について
前田 | いみじくも、今日の新聞に「来年のクルーズ船が1.4倍、過去最多255件」という非常に明るい話題が1面を飾っておりました。 しかし、私が今回指摘するのは、こういった明るい面がある一方で、受け入れ体制において、現場において、私からすれば、あるまじき、あってはならないような手続が行われていたということを仄聞したわけであります。 この際、その内容について、あわせてそういうことを反省するのであれば、これからどうやって改善するのかということについて答弁を求めたいと思います。 |
土木部長 | クルーズ船の体制の問題です。 県では、予想をはるかに上回り、急激に増加する来年度以降のクルーズ船の入港に対し、年間を通して受け入れができるような体制づくりを進めているところでした。 こうした中で、事務所では、来年、今年の131隻を上回る約200隻の予約を受け付けましたが、現体制のままでは、混雑時のこれ以上の受け入れは困難と判断し、松が枝岸壁で41隻、出島岸壁で34隻を断っていました。 また、長崎港にはじめて入港する10万総トン級を超えるクルーズ船につきまして、関係機関との協議を保留して、入港可否の回答期限を示さないまま、受付をしていなかったものが1隻、12回分ですが、ありました。さらに、10月下旬から約2週間にわたって予約の受付を行っていないという事態が生じていました。 これらの事態が生じましたことは、県としての統一的な対応方針が事務所に十分浸透していなかったことが問題であったと考えております。 クルーズ船の入港を推進している県といたしましては、関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っております。 今後は、本庁を含めて組織として情報共有を図るとともに、指導監督を徹底してまいりたいと考えております。(発言する者あり) |
前田 | 後ろの方で「頑張れ」という声も飛んでおりますけれども、75隻のクルーズ船の申し込みを断っていた。しかも、それは、はっきり言いませんでしたけれども、現場判断で断ったということで、一つの問題として、そういった実態の情報共有が部の中でできていなかったということ。それから、予約受付後の停止の新規依頼についても答弁はありませんでしたけれども、56隻分をストップさせていたということ。 わかるんですよ、10年先の目標が、もう既に今年達成されて、それを上回る数のクルーズ船がきているので、確かに大変だということはわかりつつも、しかし、ここにあるように、同じ県の中で、片や誘致を一生懸命やっていて、片やそこを断っているという現状は、どうしてもそれはあってはいけない話でありますし、それはひいては関係者の皆様というよりも、全世界に向けて長崎県の国際観光県としての、ある意味、大げさかもしれませんけれども、信用を失墜しているということになるわけでありまして、(発言する者あり)こういうことを踏まえて、ここはもう過ぎたことは仕方がありませんので、ぜひ早急に、そして、その中では組織体制の見直しも必要かと思いますので、そういう課題はわかっていると思いますから、対処していただきたいと思います。 しかし、これは大変重要なことでありますので、知事において、このことをどの時点で知られたか私は存じませんが、一言ご所見、考え方をお聞かせいただきたいと思います。 |
知事 | 議員ご指摘のとおり、片やクルーズ船の誘致に一生懸命取り組んでいる、片や現場サイドでそれを断っていたということは、あり得ない話であると考えておりまして、詳細について実態を改めて調査し、把握してまいりたいと思います。 基本的には、これからも交流人口の拡大を目指し、経済の活性化に結びつけるという基本方針に変わりはないわけでありますので、しっかりと必要な体制整備を含めて対処してまいりたいと考えております。(発言する者あり) |
前田 | まさしく頑張ってほしいと思いますが、現場の負担軽減も含めて、組織の体制強化を望むところであります。 |
3 交流人口増への取り組み (2)スポーツツーリズムの今後の取り組みについて
前田 | この件につきましても、昨日同僚議員から質問がありましたので、私は、この項目については1点だけ質問いたします。 ラグビーのワールドカップについては、長崎県としては非常に残念な結果でありましたが、その後の日本のラグビーの活躍を見た時に、このキャンプ地の誘致というのは非常に大切なことだと思っております。長崎市が、今回、スコットランドラグビー協会の誘致を決定し、そして、スコットランドのラグビー協会の長崎市訪問が決定したところであります。 これは、これから続く2019年のラグビーのワールドカップ、オリンピックにおける本県が掲げるキャンプ地誘致においても、まさしく試金石になるような案件だと思っておりまして、このラグビーワールドカップのキャンプ地誘致について、県としてどのように関わっていくのか、ご答弁いただきたいと思います。 |
企画振興部長 | 長崎市、それから県ラグビー協会の招聘によりまして、12月8日からスコットランドラグビー協会が本県を訪問することが決定いたしております。 イングランド大会以降、2019年の日本大会に向けて参加国が国内のキャンプ地視察を行うのは今回がはじめてでありまして、スコットランド協会を万全の体制でお迎えすることで、本県へのキャンプ地誘致に着実につなげていく必要があるものと考えております。 このため、県といたしましても、本年10月のイングランド大会の公式視察で把握いたしましたキャンプ地の施設や運営状況などを踏まえつつ、長崎市や県ラグビー協会とも協議をしながら必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 |
前田 | オリンピックのキャンプ地誘致を目指す中で、先ほども申し上げましたように、予選試合の誘致では本当に残念な思いをしましたので、手を挙げている市と連携を強めて、ぜひ実現に向けて頑張っていってほしいということを要望しておきます。 |
4 県庁舎跡地活用の検討状況について
前田 | この件については、再三質問をしてきました。私の立場で言えば、新しい県庁舎を建設するまでには、この跡地活用の整備案を示すということをお約束してほしいということで約束をしてもらった。そのことが守られず、そして、昨年度いっぱいというお約束も守られませんでした。いろんな事情があることは理解しながらも、結果としては守られておりません。 そうした中で、まずお聞きしたいのは、私たちもですが、周りの方から、「跡地はどうなっているんだ」というご心配の声を聞く中で、もうここまできたら、市長と知事が、トップ同士、膝を突き合わせて解決を図るという方法もあるんじゃないかというようなことも言われていますし、私自身もそう思ったりすることもあります。 そこで、お尋ねしたいんですが、そうやって約束を二度ほごにした中で、この新年度、知事は、長崎市長と何度そのような形でこの件について協議をしたのか、知事の答弁を求めたいと思います。 |
知事 | 県庁舎跡地活用の問題については、ご承知のとおり、これまで新庁舎をつくるまでには跡地の活用の基本的な方針をお示ししていきたいということを申し上げてきたのは事実であります。 そういった中、県、市が参加する中で跡地活用の懇話会等でたび重ねて検討がなされ、3つの機能候補について議論がなされ、答申をいただいたわけであります。 その具体的な検討を進める段階に至って、市から、公会堂機能を県庁舎跡地に付与させてもらいたいという申し入れがあったのが、恐らく去年の7月前後だったと思います。それまでにそういう一緒になって検討する過程の中で、そういう話はなかったわけであります。そして、そういう提案があったので、じゃ、それも含めて検討しようということでホール機能を含めて検討をはじめました。 ところが、その前提となったMICE機能、MICEは当然ながら市のご当局と話をする際には、駅周辺にMICE機能をつくると。そのMICE機能について市議会で議論がなされて、MICE機能じゃないんだと、交流拠点施設なんだと。じゃ、その交流拠点施設は何なのでしょうかと。 そういう状況になってきたわけで、約束をほごにしたと。確かに、結果的にそういう形になったでしょう。しかしながら、県として、なかなか判断が難しい状況になっているわけでありますので、(発言する者あり)その辺はぜひご理解いただきたいと思っているんでございます。 それをトップ同士でなぜ話をしないかと。トップ同士で話をして決着をつけられる話ではないでしょう。(発言する者あり)お互いに、県議会、市議会があるわけでありまして。(発言する者あり)しかも、MICE構想自体も、市議会のご意見で、そのままではだめだという方向が出されているわけでしょう。(発言する者あり) そこは、私どもはやっぱりしっかり県の構想なりをまとめて、県議会の皆様方にご相談をさせていただき、(発言する者あり)そういった上で進めていくのが今後の手順ではなかろうかと(発言する者あり)考えているわけであります。 |
前田 | 知事、私は最初、長崎市に対して怒っているのかと思ったら、私に対して怒っているんですね、約束をほごと。大きな勘違いをしておりました。(笑声)しかし、まあ、そうでしょう、そうでしょう、確かにそうかもしれない。 しかしですね、やっぱり結果としては、それだけ混迷しているんだから、知事の出番じゃないですかというような意見も片やあると思うんですね。 ---------------------------------------------------------------------------------------------。 -----------------------------------------------。 そうする中で、長崎市と長崎県が、先に出たのは、キャッチボールのボールを投げ合っていて返してもらっていないという話があっておりましたよね。そうした中で、じゃ、知事が直接トップと会わないにしても、8月4日に長崎市から正式に知事に対して要望があっているわけですね。ボールはお互い相手が持っているんだという中で、要望が8月4日にあっている。それは市長と知事がしっかりと会った中で。 この長崎市の要望は、企画振興部長、いいですか、この長崎市の要望は、体よく言いますよ、体よく言えば、公会堂的機能を県庁舎跡地の整備の中で示したホールの機能として取り入れてほしいと。取り入れてほしいが、とにかく早く決めてほしい。願わくば公会堂的機能を取り入れてほしい。そして、あとのことはお互いに考えましょうやというふうな要望であったという理解をしていますが、そこに間違いありませんか。 |
企画振興部長 | 8月4日の長崎市並びに議会からのご要望でございますけれども、要旨を端的に申し上げますと、整備方針の早期決定と、事業の進捗に向け長崎市の提案について、ご理解をいただき、特段のご配慮をお願いしたいという旨の要請でございまして、早期決定というところを要請されたものと私どもは受け止めているところでございます。 |
前田 | ですから、早期決定してくれ、そして、その後は相談しましょうというような多分要望であったという認識をいたしておりますが、そういう考え方でよろしいですか。 |
企画振興部長 | これは、もうご承知のとおりでございますが、県庁舎跡地の活用につきましては、懇話会からのご提言をいただいて3つの機能で現在は検討を進めているところでございます。 また、ホールにつきましては、公会堂的機能と申しますか、そういうことではございませんで、質の高さや採算性といった観点から検討しているところでございまして、市の提案も含め、現在ではホールの規模や必要な機能について県としての考え方を検討し、整理をしていると、そういう状況でございます。 |
前田 | 知事に求めるのは厳しいと思って企画振興部長に今求めたわけですが、ちょっと今の答弁ではよくわかりません。私が確認したのは、さっきのような話でありますので。 知事、すみません、県として、私が言ったように、長崎市の要望というもの、投げられたボールというものは、とにかく早期に決めてほしい、そして、願わくば公会堂的なものを取り入れてほしい、あとのことは相談しましょうということだったけども、それは先ほど知事がるる説明したような周辺の状況も含めて、到底それは県としてはわかったという話ではない。ですから、公会堂のことは一旦置いて、粛々と今までどおりの整備方針に基づいた整備案をつくって、その結果として、結果というか、それはまだ確定じゃありませんが、その中でできあがったホール機能、県が求めるホール機能が、長崎市が求めるものと合致するのであれば、十分話し合う余地があるというふうな進め方をしていくという理解でよろしいでしょうか。 |
知事 | 市の方からご要請いただきましたのは、早く決めてくれというお話だったわけなんですね。一旦、公会堂を県庁舎跡地に整備するという方針を提案いただいて、それについて早く結論を出してくれというお話だったので、それはなかなか難しいですよと、周辺の動きも見極めて対応しなければいけないでしょう。県としても、極めて大切な県有財産でありますので、県民の皆様方に、いかに県の活性化のために有効な機能を果たせる役割を果たしていくかという観点で検討しなければいけませんよということでお答えをしたわけなんです。 しかしながら、もう既に市のご提案はいただいてきているわけでありますので、市のご提案も含めて具体的に、じゃ、ホールとしてどういった機能、どういった規模、どういった質を整備するのが一番適正であるのか、そういう課題の整理を今進めているわけであります。 したがいまして、まずは県としての考え方をしっかり整理し、議員お話になられたように、県議会の皆様方にもご報告を申し上げ、その後でそういったことを市の方でもご説明をし、協議、調整を進めていくということになっていくのではなかろうかと考えております。 |
前田 | 今日の質疑の中で、方向性というか、手順というものが私の中では理解できましたので、そういった形で進めてもらいたい。 だとするならば、とりあえず市の公会堂というのは置くんですから、当初の整備方針に基づいて、今、知事が言われたような計画を立てるということであれば、そう長く時間を置くことなく、まずはそのたたき台となる案をしっかり早期につくってほしいということを要望しておきたいと思います。 それから、この県庁舎の跡地活用については、この土地の上物だけの話じゃなくて、周辺のところも含めた、一つには交通の結節点としてどう活用するかという課題もあると思っています。 しかし、それはこの跡地の活用のところだけで議論することではなくて、これは長崎市内、県内の交通網の形成計画の中で、この跡地を交通結節線としてどう位置づけるかということが、多分手順としては大事なことだと思っていますが、残念ながら、3月定例会で質問しました「地域公共交通網形成計画」、長崎市はまだその実行委員会も立ち上げておりません。 私は、駅周辺の開発がこれから進んでいく中で、世界遺産のこともありますから、長崎市は他よりもいち早くこの交通網形成計画をつくり、その中でこの県庁舎跡地を交通網の中でどういうあり方にするのかということを検討しなきゃいけないと思っていて、それは別作業としてとても大事なことだと思っていて、このことに対して、県は長崎市に対して、何か協議会の立ち上げ等を要請するような考え等はございませんか。 |
企画振興部長 | これまで地域公共交通活性化再生法の活用について、県から各市町に活用を促すべきではないかというようなお話もいただいておりました。 そうした声を受けまして、春に開催いたしました県内の市町交通担当課長会議におきまして、地域公共交通活性化再生法の趣旨、内容を説明し、取組を促したところでございます。 現在、佐世保市や対馬市では検討が進められておりますし、本年度また新たに大村市、五島市などが検討することになっております。また、県も取り組んでおるわけでございますけれども、現在のところ、長崎市におきましては、「地域公共交通網形成計画」の策定方針は未定と伺っております。 今後とも、長崎市に対しても、関係各市に対しても、働きかけを強めてまいりたいと思っております。 |
前田 | よろしくお願いします。 跡地活用の検討状況については、これで質問を終わりますが、質問をやっていく中で、知事とのやりとりの中で、少し売り言葉に買い言葉的な、識見に欠けるような意見を述べたような気がいたしております。反省をする中で、いずれにしても、それぐらいの気持ちを持っている議員もいるということを理解していただいて、しっかりと進めていただきたいということを重ねて要望いたしておきます。 |
5 安全・安心な県民生活の推進 (1)介護福祉事業従事者の人材確保について
前田 | これもまた昨日の質疑の中でやりとりがされておりましたので、その内容については省略する部分もあるわけですが、介護報酬の改定が行われる中で非常に厳しい状況になっているということは、従前から委員会の中でも発言をしてきました。 そうする中で、これもまた最終的には賃金については国の中で改善されるべきでしょうし、今、国が進めようとしている50万人の解消という意味では、そのサービスの量よりも働く人の待遇改善が優先じゃないかという認識を私は持っております。 そういう中で、県において何かできないのかということを投げかけていた中で、7月末に県はそういった調査をされています。採用に対する調査、離職に対する状況等調査で見えてきた結果というのが、昨日、答弁の一部としてあらわれておりました。 私は、この時期に、こういう形で調査をし、そして、その回答も早急に回答しなさいみたいな形で、結果として7割を超える、この種の調査では回答率が非常に高い調査結果のサンプルが回収されております。 であるとするならば、早速、国に改善を求めることであったとしても、県において、来年度の新規事業として1つか2つ、介護事業所の人材確保について県としても頑張るんだよということを示そうとされているのかなと思いましたし、そうあるべきだと思っております。 来年度予算の編成段階、途中であり、答弁としてなかなか出しにくいかもしれませんが、担当部署が今描いている、もしくは財政査定にかけようとしている人材確保という意味での新たな新規事業、拡充事業について、ご披露いただきたいと思います。 |
福祉保健部長 | まず、今回、県が独自調査を行いました。これは本年8月に、約1,600の介護事業所の事業者に対しまして、採用状況、離職状況、また、700名の離職経験のある介護職員に対しても、その離職の理由等について調査いたしまして、議員から今お話があった70%の回答を得ております。 若干披露させていただきますと、まず、採用状況につきましては、求人に対する採用率は8割強で、大半の事業者が職員確保のしづらさを感じております。 また、介護職員等の確保が困難な理由といたしましては、求職者が求める賃金を支払えないことや、仕事が身体的、精神的にきついことや、社会的評価の低さなどが挙げられております。 また、離職状況につきましては、全体の離職率は、昨日も答弁しましたけれども、15.4%で、離職者の中でも3年未満の早期離職者の割合が高いことや、介護福祉士等の有資格者の離職率が無資格者に比べて低いことがうかがえます。 |
福祉保健部長 (続き) | また、事業者の立場からは、離職防止のために重要なこととして、賃金等の労働条件の改善や個人の能力等の適性評価、職場内のコミュニケーションの円滑化などが挙げられております。 一方で、離職経験のある介護職員の立場からは、離職の主な理由といたしましては、施設の理念、運営方針への不満、給与が低いこと、人間関係での問題などが挙げられております。 こういう調査結果を踏まえまして、今後、どうしていくかということが大事でございまして、参入促進対策としましては、介護のやりがいや重要性の理解を促進し、イメージアップを図るため、県民向けの啓発イベントや中高校生を対象といたしました福祉・介護の基礎講座、それから、児童と保護者、教員向けの体験事業などを引き続き実施してまいります。 また、離職防止対策といたしましては、早期離職が多いため、新人職員を対象とした特養等での現場研修の充実や有資格者の離職率が低いことから、資格取得につながる資質向上研修への講師派遣等について今後検討してまいります。 また離職環境改善のための休暇制度等の充実や相談体制整備に向けた経営者等への意識啓発等にも一層取り組んでまいりたいと思います。 なお、事業実施に当たりましては、去る9月に関係機関・団体からなります「長崎県介護人材確保対策連絡協議会」を設置したところでありまして、今回の調査結果も踏まえまして十分に連携・協働しまして、介護人材の確保対策を推進してまいりたいと考えております。 |
前田 | 一つひとつの施策や事業が即効性があるとは思いませんが、しかし、粘り強くそういうことを広く展開することで改善されることを望んでおります。 教育委員会にお願いしたいのは、福祉保健部長からもありましたけれども、県内で就職する高校生、大学を卒業する学生たちが、介護の仕事が、3Kとか新3Kと言われるようにきつい現場だと、その情報ばかりが余りにも先行してしまったら、どんな尊い仕事であっても、なり手はなかなか見つからないと思います。(発言する者あり) ですから、さっき体験について言われましたけれども、そういうことを積極的に通じる中で、非常にやりがいのある仕事であるということ、そして、自分がいかに自己啓発も含めて求められている存在であるかということがわかるようなキャリア教育を実践してほしいということを要望しておきます。 |
5 安心・安全な県民生活の推進 (2)児童相談所に求められる役割と体制強化
前田 | 昨年、痛ましい佐世保の事件がありました。まずお聞きしたいのは、調査報告等まとめた中で、その後、児童相談所の組織体制や取組において、どういうふうな改善が行われているのかということがまず1点であります。 それと、これからの動きとして、国においては、児童相談所が保護対応、今でもある程度特化していますが、さらに特化して、児童相談所は保護対応に特化、そして、市区町村に支援を移行しようということが厚生労働省ワーキンググループの中で検討されており、新聞報道等によると、来年の通常国会で、もしかすると、これが成立するかもしれません。しかし、私は、このことに対して個人的には非常に心配な点を持っております。 県として、今の国の動き、このワーキンググループの見解等に対して、どのような認識というか、所見を持っているのかをお尋ねしたいと思います。 |
こども政策局長 | まず、佐世保事案の検証報告への対応でございます。 まず、児童相談所全体でございますが、夜間帯等におきまして、迅速かつ適切に対応できる相談受付体制の強化でありますとか、組織的対応の徹底を図るために相談案件の全件に係る受理会議の実施、検証に携わった外部専門家による検証の実施など、組織・運営体制の強化を図っております。 また、児童相談所と関係機関の連携に関しまして、学校や教育委員会との間では、佐世保児童相談所への教職員研修受け入れの増員でありますとか、児童相談所職員の県教育委員会への研修派遣など。 また、警察との間では、児童虐待事案対応に関します合同訓練なども実施して連携強化に努めているところでございます。 さらに、市町との連携に関しましては、佐世保児童相談所への佐世保市職員の派遣受け入れでございますとか、市町との合同研修会などを実施いたしまして、連携の強化、相互の資質向上等に努めているところですが、今後は、さらに児童福祉、法律等の専門家でありますスーパーバイザーの市町要保護児童対策地域協議会への派遣など、市町の支援強化を検討してまいりたいと考えております。 |
こども政策局長 (続き) | もう一つ、新聞報道に関しましてのご質問でございますが、児童虐待の防止対策を協議する厚生労働省のワーキンググループが置かれまして、その報道だと思いますが、そこにおきまして児童虐待相談件数の増加などを背景に、児童相談所の権限を一時保護でありますとか施設措置などに特化して、保護者支援を市町機能に分離するなどの議論が行われているというような報道がなされたところであります。 しかしながら、具体的な議論の内容につきまして、我々に国から新聞報道以上の情報もありませんで、さらに、ワーキンググループですので、その上の委員会等でも議論されるということで、議論の途中でもあるということで、現在、県として具体的にこうだというようなことを申し上げるような材料は持ち合わせておりませんが、私が報道を読みまして感じたことだけ述べさせていただきます。 現行の児童福祉法におきまして、例えば、児童虐待を含む児童家庭相談の一義的な窓口は市町村とされておりますが、本年、導入されました児童虐待相談・通告の全国共通ダイヤル「189」は、全て児童相談所につながるなど、県と市町村の役割が不明確となっている点などもあることから、国、県、市町村の役割を明確にするということについては、十分議論をしてほしいなと、そういう議論を期待するところであります。 |
前田 | 余り時間がありませんので、要望にとどめたいと思いますが、昨年の佐世保の事件を踏まえた中での議会と理事者のやりとり、そして、その後の検証結果に基づくいろんな見直し、それは今年春の大幅な人事異動という形でも実施されております。 しかし、その後の長崎、佐世保の児童相談所の多種多様な、そして、深刻化している状況を見た時に、その時はいいと思ってやった見直しが本当によかったのかというか、余りにも急激過ぎたんじゃないかというようなことも少し私は個人的に危惧をいたしております。 ぜひこの際に、児童虐待の数は、残念ながら本県においても年々増加する中で、現場の努力がある中で、そこは増え続けているのが現況である中で、体制のあり方、そして、児童相談所の役割について、いま一度検証していただきたいということを要望しておきます。国がどのような方向にいったにしても、児童相談所と市区町村の連携というものは求められるわけですし、今以上に必要になってきます。 そうした時に、今、答弁があったように、市区町村のスキルと言ったら失礼ですが、専門性をより高めていくということは、これが特化したら、なおさらでありますし、それが特化されなくても、市区町村のスキル、専門性を高めていくことは大変必要なことですので、今おっしゃったようなスーパーバイザー的なものの派遣等を積極的に行ってほしいということ。 そして、長崎や佐世保の児童相談所の現場の方々、私は現場にいる者ではありませんので、その方々の様子や声というものは事細かく把握しておりませんが、どこの児童相談所も非常に仕事に追われているという話を聞きますし、案件、案件が、非常に困難性があり、難しいという話がよく漏れ聞こえてくるところであります。 |
前田 (続き) | そうした時に、上司がいかに指導できるのか、もしくはそういった専門性を持った職員が庁内にいるのであれば、そういう方たちを、例えば、月2回ぐらい、児童相談所に派遣して、何か時間外でもそれぞれの職員の方々の相談ごととかを教えるような場があった方がいいと私は思っています。 それと、今後のことを考えた時に、県の職員も限られていますので、児童相談所の体制強化ということでの増員は難しいと思います。しかし、市と児童相談所がこれから連携を深めるということであれば、各市に先のことを見通す中で呼びかけて、各市の職員を出向させてもらう、交流人事ではなくて、出向させてもらう中で、一緒に現場を見ながら、そして、現場の問題を解決しながら、その方たちが、またそれぞれ各市町に帰って行って、そしてまた、その中で専門性を発揮しながら若い職員たちを育てるというようなことも必要かと思います。 全てが全て、お金がかかる話で大変かもしれませんが、ぜひ児童相談所については、長崎県においては、こういう痛ましい事件があったということも含めて先進的な取組をこれから大いに期待するものであります。 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 |