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県議会一般質問 2017.6.26

  1 長崎市のまちづくり・雇用維持の課題に対する取り組みについて
 
  2 財政について 
 
  3 医療福祉の充実について
   
  
  5 水産業振興について

 
 自由民主党、長崎選挙区、前田哲也です。
初日の一般質問の中で、同僚県議の中から、質問項目の全てが、今日は共通のテーマがあるんだというようなお話がありました。そういったテーマの組み立て方もあるんだなと思って勉強させられましたが、残念ながら、私、今回、共通のテーマはありませんが、せめて感情的にならないように質疑を務めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
一問一答で行わせていただきます。

1長崎市のまちづくり・雇用維持の課題に対する取り組み(1)県庁舎跡地活用

★前田 県庁舎跡地活用は、平成28年度末に、「広場」、「交流・おもてなしの空間」、「質の高い芸術ホール」の3つの方向性が示されました。  そのうち、ホールについては、長崎市が建設を計画する大型施設との整合性の確認のため先送りしておりますが、広場や空間については、これまでの答弁で言えば、今年度が基本構想を策定する年度となっております。  基本構想では、施設の用途や、機能、規模、施設の配置、事業費、財源、経済波及効果を示していきたいと、昨年度、企画振興部長より答弁があっておりました。本年度6月の補正予算には計上されておりませんが、その進捗についてどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。  以下、対面演壇席より質疑をさせていただきます。よろしくお願いします。
企画振興部長 県庁舎の跡地活用につきましては、議員おっしゃいましたように、3つの方向性をお示ししております。  ただ、本年の2月定例会におきまして、まずは「広場」と「交流・おもてなしの空間」を中心に、整備に向けて、さらに具体的な検討を進めるということとしておりまして、「ホール」につきましては、適切な時期に今後の方向性を判断してまいりたいとの県の考えを申し上げたところでございます。  この経過を踏まえ、現在、「広場」と「交流・おもてなしの空間」を中心に、必要な機能や規模感、大まかな事業費などについての検討作業に着手したところでございまして、今後、その検討状況を県議会にお示しをし、ご議論をいただきながら、基本構想の策定に向け、検討の熟度を高めてまいりたいと考えているところでございます。
★前田 新県庁舎の建設が順調に進んでおり、本年末には多分完成するんだろうと思っています。そして、今回も入札が行われておりましたが、正月をはさんで引っ越し作業が行われ、その後、私たちも向こうにおいて執務に励むわけでありますが、そういったことを考えた時に、新県庁舎ができて、いろんな開設のイベントとかも計画されているようでありますが、やはりそうなった時に本当にもろ手を挙げてよかったというような移転ができるのかというと、そうではなくて、やはり残された県庁の跡地の整備方針については、そこまで何とか整備方針を示してほしかったというのが私の思いであります。  それで、ホールにつきましては、今、部長からあったように、長崎市との調整が必要ということで理解はするわけですが、ただ、今までの議論の中では、そうはいいながらも、長崎市とホールの規模感とか役割については十分話をして、その中で県の懇話会で出た専門的なホールというものも収支をあわせて考えた時に、1,000席から1,200席が妥当であるというふうな考え方を県が示した中で、規模感については、一定、長崎市と一致するような見解に立っていたと思います。  ただ、その後、大型施設のこともありますので、先送りしたことは結構でありますが、ホール自体を建設することには変わりはないと思っていて、仮にこれが長崎市が現市役所の跡地で建設するという方向性を打ち出したので、それに県が財政的な支援をしながら、そちらの方で一体化したホールをつくるということでありましたら、それは話が別でありますが、今もってそういう話になっていないわけですから、本来ならば配置や規模感というものは、先ほど、企画振興部長が「改めて示したい」、「内部検討を行っている」と言っていますが、そこをはめ込んだ中で基本構想について広場や空間を先行してやっていく、その中で規模感であったり事業費、それから、経済的波及効果等を含める中で、その後、ホールの案に進むということは、出戻りは全くないと思っていて、そういった意味においては、少し作業を早めてほしいということを要望しておきますし、このことについては引き続き総務委員会の中で議論をさせていただきたいと思います。

1 (2)人口のダム機能と雇用の維持について

★前田 これまでの本県の人口減に関する議論の中で、県庁所在地の人口のダム機能が弱いことが課題であることが認識され、特に、長崎市においては、製造業の企業誘致が低調であること、保険会社を除くオフィス系企業の非正規雇用が高いことを指摘してきました。これらのことについて、その後、どのような検証を行い、長崎市との協議の中で今後どのように取り組んでいこうとしているのか。  また、雇用の維持という点から三菱重工業の現況についても危機感を持ち対応するよう要望し、知事からも、「今後も情報収集に努め、どういった影響が懸念されるのか重大な関心を持ち、必要な対策については、迅速な、的確に講じていく」と答弁されました。  その後の状況並びに取り組みについて、お尋ねをいたします。
産業労働部長 お答えいたします。  まず、誘致に関するお尋ねでございますが、長崎市においては、内陸部に競争力のある大規模な工業団地がなく、製造業の誘致には大きな制約があり、人材確保などの面で優位性を活かせるオフィス系企業の誘致を進めております。  平成22年度から平成28年度までに長崎市に誘致したオフィス系企業14社について、本年4月現在の実雇用者数を調査しておりますが、金融・保険会社関係が943人、それ以外が359人の合わせて1,302人であり、これを雇用形態別に見ますと、正規雇用者が987人、非正規雇用者が315人となっております。  これらのことから、事務職希望の求職者の約3割、1,200名以上の方が非正規の職を希望されているというような実態もあり、正規雇用に加えまして、このようなニーズにも対応した多様な雇用形態を確保する企業誘致ができているのではないかと考えております。  今後の誘致についての考え方ですけれども、オフィス系企業の誘致に当たりましては、ソフトウェアなどの研究・開発部門や金融・保険会社のIT部門、本社業務の一部移転などをターゲットとして、県、産業振興財団と関係自治体が連携して企業誘致活動に取り組んでおります。
産業労働部長 (続き) このような企業を誘致するには、企業ニーズに即した執務環境を有するオフィスフロアが必要であり、長崎市においては、県と市が連携し、「クレインハーバー長崎ビル」の整備を進めているところです。  人口流出に歯止めをかけるため、今後とも雇用創出効果の高い企業誘致に積極的に取り組んでまいります。  もう1点、三菱重工の動向についてでございます。  三菱重工業長崎造船所で進められている商船事業改革につきましては、日頃より関係者の方々からの情報収集に努めているところでございます。  7月に予定されている組織再編は、新体制移行の第1ステップと位置づけられ、調達や設計・エンジニアリング部門の指揮系統の一元化を図るもので、長崎地区全体の人員において大きな異動を伴うものではないとお聞きをいたしております。  一方、造船人材を育成する箇所でございますけれども、「造船技術センター」につきましては、長崎を拠点として開設を目指しておられると伺っております。  さらに、第2ステップとして商船事業全体の分社化も含めた検討をされており、その内容次第では地域経済への影響も考えられることから、引き続き、各方面からの情報収集に努め、大きな影響がないか、注視してまいります。
★前田 答弁をいただいた中で、知事や長崎市長が、長崎はダム機能が低いんだということに対して、特化した中でどういった取組をやってきたかということをお尋ねしたわけですが、これは事前のレクの中でも、企画振興部や産業労働部という縦割りの中で、今、そのことについてしっかりと議論をされている、検討されているということですが、少しそのやりとりを聞く中で思ったことは、組織の検討では、なかなかこれは打開できないと思っていて、そういう意味で、そこに大きな課題があるとするならば、当然、各市町から人口が流出していないことが一番でありますし、そういった意味で各市町、離島も含めて、まち・ひと・しごとの戦略が立てられております。  さりとて、そうは言いながらも、職を求めて自分のふるさとを離れるとなった時に、やはり長崎市、佐世保市のような都市部において、一定そういったダム機能をつくりあげる、雇用を充実させるということは大変大きな課題だと思っていて、そういうことをかんがみた時に、もう少し縦割りではなくて、チームとして長崎県と長崎市、長崎県と佐世保市が共通な課題認識を持ちながら協議する場を持ってほしいということ。その中では現状の認識や課題であった役割の分担、さらには、中長期の目標設定をする中での取組をやってほしいということを期待しておきたいと思います。  そのうえで、私は、ダム機能が長崎県が3.5%しかないということで、目標を設定すべきじゃないかということも意見したわけですが、このことについては各市町が頑張っている中で、そこにダム機能としての目標を設定するのは望ましくないというやりとりになっておりますので、確かにそうですが、結果として、いろんな取組をした中でダム機能が九州の各県、ほかが高い中で、続いて高い佐賀県の13.5%、こういう数字を一つの目標、目標じゃなくて、結果の積み上げとして、それぐらいはダム機能が示すような数値になることを求めておきたいと思います。  そして、そのためには、やはり地場企業の育成が大変重要であると思いますし、今までも一定以上の効果を上げていると思いますが、今までの取組も含めて、これから地場企業の育成について、どのように取り組もうとしているのか、簡潔で結構ですので、ご答弁いただきたいと思います。
産業労働部長 地場企業の支援につきましては、大きく言えば、中堅企業につきまして、県外企業の獲得と県内中小・小規模企業への波及拡大という観点から技術開発や販路開拓等への支援を行ってきております。  平成25年度から3カ年間で合計30社を支援した結果、事業拡大によりまして雇用者数が合わせて168人増加しております。  引き続き、産業振興財団による県内外取引マッチングの支援でありますとか、長崎県工業連合会などにおける企業間の連携活動の促進など、さまざまな施策を組み合わせながら、中堅企業支援を核とした地場企業支援に取り組んでまいりたいと考えております。
★前田 これも県と市町と役割を分けながら支援していくことが望ましいと思うんですが、これまでの実績を見る中で、長崎市と佐世保市の地場企業の支援、企業誘致等も含めて支援のメニューというのはかなりあるんですが、それ以外の市町を見た時に、少し市町の支援メニューが少ないと思っていますので、そういった点も県として助言等をしながら厚みを持たせていただきたいということを要望しておきます。  それと、正直な話、私の周りの企業の方で、「経済圏を考えたら福岡に移った方がいいんだよ」というような企業の方もおられます、正直に言うと。ただ、その方々も、ふるさとを思う気持ちで長崎に本社を構えているんだというようなお話をしていただき、それは非常にありがたいなと思うんです。  その時に、せめてものすぐできることとして、県庁にはいろんな許認可の権限があります。そうした時に、そういった方々がいろんな許認可の申請、更新を求めてきた時に、ほかの県と比べたら随分と事務処理のスピードが、時間がかかっているということ。そして、一度提出しても、その都度、その都度、改めてまた違う点の指摘を受けているというようなことがあるということで、本当に私たちを応援する気持ちがあるんだろうかと。時間もコストなんだというお話もあっておりますので、こういう事務的なことについては、チェックリスト等を今までもきちんとつくっていたと思いますが、一度にチェックをして、これと、これと、これが揃えばきちんと許可を出すんですよみたいな形で、少し事務処理の迅速化を図っていただきたいということ、そういう声があっているので要望しておきます。
前田 (続き) 三菱重工については、鋭意これからも情報を収集してほしいと思います。今、部長が答弁したような内容で私たちも聞いております。しかし、そうした中でも日経の6月3日の新聞によりますと、造船設計者が横浜に集約されたということで、長崎からは多くの職員が長期出向という形で横浜の方に出ております。  それと、設計が移るということで、そのことによって今度は造船の生産に特化するんだというような方針も出されているみたいですが、そうなった時に、造船の生産に対して特化する中での下請の技術力の向上等も求められるけわけで、そういった意味では改めて関連企業も含めたところの技術上のスキルアップについて、ご尽力をいただければと思いますし、先ほど答弁の中にあった人材育成に向けては、造船技術センターが、これは東京の本社の方で将来的に2018年度に開設を目指していきたいというようなインタビューが載っておりますので、そういったところで長崎県として教育の面において、どんな支援ができるのかということも早急に検討していただきたいということを要望しておきます。  それと、質問項目に掲げていませんが、三菱重工の関連で幸町でありますが、これも推移を見守るしかなくて、7月31日の提案書の締め切りをもって、どんな内容でプランが出てくるかということを把握するわけですが、しかし、申請用紙の最後のところに、「今回の事業計画の募集と並行して、長崎県、長崎市が当該地への企業誘致の可能性を検討しています。県、市が誘致対象としている業種においては、仮に立地を希望する事業者があった場合には、本募集の提案があったものとみなします」というふうに書かれていて、ということは、今回の提案の締め切りと別途に、長崎県、長崎市の企業誘致が進む、交渉が進めば、それも俎上にあがるということですから、ぜひ、今もって企業誘致については鋭意努力していると思いますが、時期的な締め切りがある中で、県と市が一体となった企業誘致もあきらめずに最後まで挑戦してほしいということを要望しておきたいと思います。

2財政にについて (1)財政構造改革のための総点検について

★前田 本県の厳しい財政状況については、新年度の予算編成の中でも詳しく説明がなされているので言及することを省かせてもらいますが、昨年10月の決算質疑の中で、知事は、「財政の構造改革が必要。大局的な視点に基づき分野を問わず、事業、施設、職員配置のあり方そのものまで踏み込んで具体的に検討すべきことを明確にしていく。そのため、財政構造改革の総点検を実施し、早期に着手が可能なものについては、速やかに実行に移していかなければならないと考えております」という答弁がなされました。  そこで、その後の進捗、また、具体的に総点検ということについて、どのような手法で、どんな目標を掲げ、取り組んでいこうとしているのか、お尋ねいたします。
総務部長 本県におきましては、基金残高の大幅な減少、あるいは将来的な公債費の高止まりのリスクが見込まれておりまして、中長期的に持続可能な財政運営を目指しますために財政構造改革に取り組むこととしております。  そのため、平成29年度当初予算編成過程におきまして、他県での実施状況や地方交付税の基準財政需要額との乖離状況などを踏まえ、「財政構造改革のための総点検」として検討する項目の洗い出しを行っております。  検討項目といたしましては、職員定数の見直しなど総人件費の削減、公共施設等の総量適正化、費用適正化、公共事業や普通建設単独事業などの投資水準の見直し、個人給付や県単独補助金の水準等の見直しなど、分野を問わず大局的な視点に基づき整理を行い、既に庁内での議論をはじめております。  このうち、普通建設単独事業につきましては、投資事業全体の事業費を確保しつつ、九州平均に近づけますため、平成29年度当初予算におけるシーリング率をマイナス20%に設定し、より一層の重点化を図るなど、既に見直しを実施しているものもございます。  財政構造改革のための総点検の実施に際しましては、地域経済や県民サービスに与える影響について配慮が必要なものがあることから、今後の総点検の進め方及び予算への反映の仕方などを含めて慎重に検討を重ねていく必要があると考えておりまして、可能なものから速やかに実行に移してまいりたいと考えております。
★前田 難しい答弁だったので、よくよく理解できなかったんですが、今おっしゃったようなことは、これまでも多分留意されて取り組んできたことだろうなと思っています。総人件費の削減であったり、投資水準の適正化、そのほか個人給付、県単独補助金の水準の見直し等の検討ということでしたが、それもこれまでやっております。  ただ、一つ挙げた公共施設の総量適正化、費用の適正化については、この後も質問しますが、確かにそこが重要だと思っていますので、このことは深掘りをして検討していただきたいことを思っています。  知事が問題意識、非常に危機意識を持つ中で総点検をされるということについては、何も目新しいことをやるということではないと思っているんです。  それで、今、部長がおっしゃったようなほかにも、社会保障費や教育費等についても点検が必要だと私は認識しておりまして、そういうことについても、長崎県の財政に余力があれば別ですけれど、大変厳しい状況なので、少しスピード感を持って取り組んでほしいと思います。  それと、いろんな部署の方とこういう話をした時に出てくるのが、次の行政改革、行政改革が絡んだ話なので、次の行革までに何とか検討していきたいみたいなやりとりが結構出てきておりまして、その次期行政改革の見直しというのは平成32年です。しかし、今の長崎県の財政の状況を見た時、そして、知事がおっしゃったように、できることは速やかに実行に移していくということからすれば、行政改革の達成、もしくは次期の行政改革の計画というものを1年前倒しして策定すべき、もしくは結果を出すべきだと思っております。  そういった危機意識で少しエンジンの回転数を早くしていくような作業が必要と思いますので、そのことについても検討していただきたいと思います。

2 (2)公共施設総合管理計画実行に伴う財政見通しと財源確保について

★前田 中期財政見通しについては、公共施設等の更新を見込んでの財政見通しとならねばならないと意見をしてきました。国において、「公共施設等管理総合計画」の策定を促され、鋭意取り組んでおりますが、私、個人的には、その取組が少し遅く弱いと見ています。  総務省の試算ルールによれば、本県の公共施設並びにインフラ整備については、建物施設だけで毎年約133億円という試算がなされておりますが、具体的にこの事業費を今後どのように財政見通しに反映させるのか。また、その財源をどう確保するつもりなのかをご答弁いただきたいと思います。
総務部長 まず、財政見通しにつきまして、ご答弁申し上げさせていただきます。  昨年度策定をいたしました直近の「中期財政見通し」におきます今後5年間の歳入歳出の見込額の試算につきましては、公共施設の更新等に係る事業費を反映させた試算としております。  一方、公債費の長期シミュレーションにおきましては、平成23年度から10年間の平均の投資水準を将来にわたって維持したと仮定した試算を行っておりまして、将来想定される個別施設のさまざまな形態の更新や長寿命化等に係る経費及びその財源について、今後、40年間の超長期的に見込むことは、現時点では困難であると考えております。  しかしながら、今後、庁舎等の個別施設計画の策定におきましては、可能な限り、統廃合や長寿命化対策を盛り込めるよう作業を進めまして、その内容を踏まえて公債費の長期シミュレーションについても反映しまして、できるだけ実態に即しました財政見通しを立てることによりまして、適切な財政運営に活用してまいります。  次に、財源確保の問題につきまして、ご答弁申し上げます。  「公共施設等総合管理基本方針」におきましてお示ししました施設建物の更新等に係る費用133億円につきましては、一定の施設建物の更新費用等につきまして、総務省のソフトを用いて機械的に試算をしておりますけれども、実際の公共施設の更新等の検討に際しましては、今後の人口減少、社会環境の変化等見据えまして、さらなる長寿命化、廃止、類似施設との統合など、施設のあり方について精査をする必要があると考えております。  その上で投資等を行います場合でありましても、コストそのものの縮減を図りますとともに、国庫補助制度や公共施設等適正管理推進事業債等の有利な県債の活用等を図りまして、県負担額の軽減のための財源確保に努めてまいりたいと考えております。
★前田 調べていただいたんですが、「公共施設等総合管理基本方針」に基づいたような形での直近5年間の本県の大規模修繕及び更新の実績としては、5年間の合計で124億円、真水にすると86億円ぐらいしか上げておりません。単年度にすると20億円近くの更新費しかかけていない。  これは、管理基本計画が多分できてなかったということ、並びに財政が非常に厳しい中で、そこまでのものができなかったということがあろうかと思います。  ただ、今、総務省の計算ルール上ですが、130億円、100億円近くの費用がこれから40年間おしなべてかかってくるという中では、長期シミュレーションはもちろんですけれども、中期の財政計画の中に落とし込んでも、これから5年間をどうするかというのは、これは直近の5年手前の水準で、その先の5年間を見てますから、当然、中期財政計画としては、一定、今までお示ししたとおりの数字でいくんでしょうが、本来ならば、来年から始まる5年間も含めて、もしかすると100億円近い投資を、本当は試算していかなければいけないんじゃないかなと私は思っているんです。  それで、なぜ、そんなことを言うかというと、国もそういうことを促すために今年度から5カ年間、特化した形で公共施設の老朽化対策の地方債の措置、大変有利な地方債措置を掲げてあって、この予算をとりにいこうとするならば、本来ならば、もう既に平成29年度はこんなもの、平成30年度はこんなものというふうに計画を立てた更新計画がないと国のせっかくの予算もとれないので、そういった意味において少し取組が遅いと思ってますし、少し認識が甘いのかなと思っているので、この件については引き続き総務委員会の中で議論させていただきたいと思います。

3医療福祉の充実について (1)総合周産期母子医療センターの設置について 

★前田 この質問は4回目となります。昨年8月10日に、知事には長崎大学病院の周産期病棟を視察いただきました。設備の充実の必要性を改めて認識いただく一方で、その狭隘さについてもお感じになられたことと思います。  さて、視察前の6月定例会での質疑では、「県による支援が単に長崎大学病院の施設や施設整備の支援ということだけではなく、この計画の実現によって離島や僻地を含むさまざまな地域の人材確保育成につながるのかどうか、あるいは本県の周産期医療の課題解決にどのような効果を発揮することが期待できるのか。そういった点を含めて十分に見極めていく必要がある」と答弁されました。  そして、その後の県を含めた関係機関のたび重なる協議を経て、今年3月の「長崎県医療審議会」では、長崎大学病院にNICU12床、GCU12床、MFICU6床を設置することが認められ、これをもって長崎大学病院が厚生労働省へ特例申請をしており、現在、厚生労働省で検討中であります。  今後は、厚生労働省から長崎県への照会があり、それに対して厚生労働省へ回答となりますが、このような手続はありながらも、先ほど述べた医療審議会には県も入っているわけですから、つまり長崎大学病院に県内2カ所目の「総合周産期母子医療センター」を設置することは、本県としてはゴーサインが出たものと私は認識しております。  その点について、まず確認をさせていただき、設置により発揮する効果を含めて県の考え方をお尋ねいたします。
知事 今、議員がお触れになられましたように、長崎大学病院への総合周産期母子医療センターの件につきましては、その整備内容や果たすべき役割等につきまして、長崎大学病院と協議を重ねる中、昨年6月には医師会からも強いご要望をいただき、8月には私も周産期病棟を視察させていただいたところであります。  その後、長崎大学から設置に向けた必要な手続の依頼をいただきまして、この長崎大学病院へのセンター設置の必要性について、「周産期医療検討委員会」等にお諮りをし、長崎大学病院に同センターを設置することについて、先ほど議員がお触れになられましたように、施設整備計画の中に位置づけたところであります。  今後、所要の手続を進めながら整備を進めてまいりたいと考えているところであります。  同センターの設置によりまして、県全体のNICUなど、施設面での充実が図られますことは当然でありますけれども、県外への母体搬送を抑制していくといった効果に加えまして、不足しております周産期専門医を計画的に育成し、県内の周産期母子医療センター等に配置することができるようになるものと考えているところであります。人材面での充実にもつながるものと考え、積極的に推進してまいりたいと考えております。
★前田 ありがとうございました。今の知事の答弁をもって、私の中では、もちろん長崎大学病院に県内2カ所目の総合周産期母子医療センターを設置するということが県としても同意されたというように認識いたしました。  それで、子どもを安心して産み育てられる環境の整備は喫緊の課題でありまして、今般の、今の知事の答弁、決断というものは、県としても支援を行い、総合周産期母子医療センターの設置がなされる経営体制が充実するということで、本当に素直に喜んでおります。ありがとうございます。  今回の経緯の中で、地元国会議員をはじめ、関係各位にも多くのご尽力をいただいております。この場をかりてお礼を申し上げたいと思います。  そして、ここに至るまで関係部局と長崎大学のやりとりは大変だったろうと思いながら、事務方にも感謝をするところであります。  少子化で出生数は減っていますが、晩婚化・晩産化に伴い、早産などのリスクがあるお産は増加しています。今回の環境整備は、人口減少対策の中で、本県が近い将来の出生率1.8、2040年には2.08の実現を目指す中で、長崎で安心して子どもを産んでくださいという知事から県民への強いメッセージになるのだと私は思います。  今後については、設置後の人材育成も大きな取組の課題でありますから、県南、特に長崎市においては、長崎メディカル病院が、平成26年から、妊娠32週未満の早産の場合、長崎医療センターに搬送しているので、この設置の恩恵を一番受けるわけですから、そういう意味においても寄附講座の設置等、ソフト面での支援を強く望むところであり、今後の協議についても長崎市や関係市町ともども率先して県が取り組んでいただくことをお願いいたします。  知事から答弁があったように、これから先の周産期を担う医師の確保にもなるわけですが、今回、検討した結果が厚生労働省から長崎県の方に出された後、その後のタイムスケジュール、設置については具体的に何年になるのかというようなことについて、ご答弁をいただきたいのと、今、知事からるる丁寧にご答弁いただきましたが、私は本当に今回のことは県民にとって大変心強いメッセージになると思っていますので、総括的に、私への答弁ということではなくて、県民に対して、知事の今の気持ちというものを再度総合的な所見として、ご答弁いただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
知事 整備スケジュールでありますけれども、長崎大学病院からは、平成30年度にNICU等を設置するための工事、平成31年度にMFICU(母体・胎児集中治療管理室)を設置するための工事を行い、平成31年度中の総合周産期母子医療センターの稼働を目指しているというお話をお聞きしているところであります。  少子化が進展する中で、やはり安心して子どもを産み育てていただくための環境をつくることは大変に重要なことであると考えており、これからも関係機関と連携を一層深めながら、そういった環境の整備に力を注いでまいりたいと考えているところであります。
★前田ありがとうございました。

3医療福祉の充実について (2)医師不足の認識と研修医制度の課題

★前田 地域医療構想が検討される中で、病床数の削減が先行して記事等になっておりましたが、病床数の削減もさることながら、機能の分化、そして、病床数を削減するということは、医師や看護師の方の数についても、これから精査をしていくということになると思います。  本県の医師数は、全体として医師不足とは言われていますけれど、10万人当たりの医師の数としては全国6位でありまして、数としてはそう少ない数字ではありません。  しかし、本県の特徴としては、離島・半島が多く存在するという地理的要因や、医師自身の高度医療、先端医療への志望等の要因により、偏在化、都市部や大病院に集中し、離島部や本土部、県南医療圏、佐世保・県北医療圏で医師が少ないという地理的な偏在が特徴だというふうな認識をいたしております。  そういった中で、県としても「新・鳴滝塾構想」等を通じて、医師の確保に向けて努力し、その成果が他県から見てもしっかりと長崎県は成果が出ているというふうな評価を受けているわけであります。  この際、その「新・鳴滝塾構想」の実績、成果についてと、それから、私がこの質問をするに当たって一番質問したかったことは、初期研修としてのマッチング数の数は上がっているが、2年間修了した後の後期研修に果たして本県に残っているのかということに少し不安を持っておりまして、そのことも今回、レクの中でやりとりさせていただきましたので、引き続いて初期研修から後期研修の推移についてもご答弁をいただきたいと思います。
福祉保健部長 議員ご指摘のとおり、平成16年度に初期臨床研修が必修化され、本県におきましても研修医が県外に流出をして大きく減少したことから、研修医の県外流出防止と他県大学からの呼び込みを目的にして、平成22年に県内の基幹研修病院と県が連携して、「新・鳴滝塾」という事業を立ち上げまして、医学生に対する県内外での研修医募集活動や臨床研修病院の見学、あるいは魅力ある研修プログラムの作成等の事業を実施しているところでございます。  これらの取組によりまして、県内での研修医は増加傾向にございます。本年度は、これまでで最高の114人ということになっておりまして、「新・鳴滝塾」の発足時からの79人と比較いたしまして、約50%程度増加をしているところでございます。  一方、研修病院によっては、研修医を採用できていない病院もあることから、研修医を指導する医師の確保や、きめ細やかな指導体制の構築等に取り組む必要があると考えております。  また、初期臨床研修後に引き続き県内に残って後期研修を開始する医師は約80%です。これは3年間で見ても約80%程度あるということで一定の成果が出ておりますので、さらにその割合を高める必要があると考えておりますことから、今後とも関係者と協議を進めてまいりたいと考えております。(発言する者あり)  初期研修終了後に後期研修に残る数でございますけれども、平成27年度から平成28年度でありますと、初期臨床研修医修了者数が91名ございまして、そのうち県内初期臨床研修をした者のうち、県内で後期研修を開始した人が74人ということで、91人に対して74人が後期研修を受けているということで、81.3%程度残っているということでございます。
★前田 ありがとうございました。その「新・鳴滝塾構想」も、年々いい数字を上げていることはわかりました。  そして、今、最後に述べていただいた後期研修についても、かなり私が想像する以上に定着して長崎に残っていただいているということは非常にありがたいことであります。それに関して、やっぱり受け入れ先となっている研修医を見る病院とかの努力のたまものだと思っています。  それで、最初申し上げましたように、長崎県の「新・鳴滝塾構想」というのは非常にすばらしいと。これをモデルにして頑張って取り組まなきゃいけないということが他県でも言われているようでありまして、そういった意味においては、これは県単位での医師の確保合戦になっておりますので、私がちょっと懸念しているのは、予算の問題ですけれども、平成27年まで4,500万円近くあったのが、平成28年度に2,400万円、半分ぐらいに減っています。それは減らした中で結果が上がっているから、それはそれで十分じゃないかというお声もあるのかもしれません。  しかし、減らした中で、その50%を病院側が負担しているということについて、負担が重いというような声も挙がっております。また、減らされたことによって、マッチングの数としては上がっているが、もし、予算があれば以前やっていた事業を復活させたい、復活が望ましいというような事業もあるように聞いておりますので、指導医の研修の支援、指導医の指導の支援も含めたところで、こういった声があることも含めて、「新・鳴滝塾構想」、その後の後期研修につながるような事業についても、また膨らみを増して今後も展開していただくことを要望しておきたいと思います。

3医療福祉の充実について (3)自立援助ホーム支援について

★前田 恥ずかしながら、私は、せんだって自立援助ホーム、県内に3カ所ありますが、その1カ所を訪ねさせていただきました。私は、それまで自立援助ホームというのがどういうものなのかということすら知らず訪問したわけですが、自立援助ホームというのは、義務教育修了後、児童養護施設等を退所し就職する子ども等に対し、これらの者が共同生活を営む住居において、相談、その他日常生活の援助をするものだというふうに児童福祉法で定められた施設であります。  しかし、なかなかその設置が進まず、今、県内3カ所であるということと、それぞれがまだまだ個人の努力の中でこのホームが、当然、措置費はありますけれども、やられているという中で、県として、この自立援助ホーム、特に、子どもの中でもハンディを持った子どもに対する支援が重要という中では、県としてもう少し施策として、この自立援助ホームに対する課題、現状認識、そして、今後の取組というものを期待するものでありまして、総括的で結構ですので、その点について担当部署の方からのご答弁をいただきたいと思います。
こども政策局長 自立援助ホームにつきましては、議員ご指摘のとおりの制度でございます。  課題といたしましては、まず、施設運営面に関しまして、児童養護施設等の児童の高校進学率等が高いこともありまして、この施設に安定的に入所してこないというような状況があります。  また、入所児童は、施設生活に要する費用の一部を負担してもらっておりますが、就職活動中などの理由から費用負担ができない児童もいるなど、財政面での課題があると認識しております。  定員の安定的な充足は対象となる児童の状況によるため、なかなか難しい面がございますが、入所児童の負担金につきましては、詳細がまだ示されておりませんけれども、今年度から国において、施設に対する一般生活費の増額が予定されております。  また、入所する児童が虐待経験を有するなど、対応が難しいケースも多くなっております。援助を行う職員の資質向上が課題であるとも認識しております。  このことに対しましては、今年度から、国におきまして、自立援助ホームを含む民間の児童養護施設職員等の人材確保等を目的とした職員への処遇加算が行われますが、その要件として、専門性の向上を目的とした研修の受講が必要となっておりますので、この研修を通じて資質面の向上を図っていければと考えております。
★前田 私もこれから勉強していきたいと、現場の声を拾っていきたいと思いますので、ぜひ、3つとはいえ、長崎県では横の連携というか、協議会もまだできてないみたいですが、そういうものも設置を促して、定期的に意見交換を行いながら支援のニーズというものを探っていただきたいことを要望しておきます。

4公営企業としての県営バスの在り方について

★前田 5年前にも同様の質問をしておりまして、その際には、公安委員会の委員の席に、先般亡くなられました上田惠三さんが座っておられました。  質疑を終わった後に上田さんと語ったことは、なかなか県と民間との認識が合わないなということと、私に対しても、もう少し前田県議も質問の仕方を考えた方がいいよというようなご指導をいただいたのを覚えております。  それで、今回、私がなぜ、またこのことを質疑するかというと、この時期ならばこそ、もう一度再検討というか、立ち止まるべきだと思っていて、まず、交通局の運転士さんですが、直近5年で再雇用の7人を除くと70名が採用されております。一方、この5年間で退職者が78人でありまして、その内訳は、定年退職が8名、県営バスの再雇用が18名、残り52名は自己都合というふうな数字になっておりまして、約7人が定年前の自己都合でやめられております。  そして、現在の運転士319名の年齢区分での特徴は、逆ピラミッドの状況で、40歳以上の運転士が全体の69%、ちなみに60歳以上の再雇用の方も7.5%おられます。  それと、今日は取り上げませんが、同じ運転士という業務をしながら、約3分の1の72名が嘱託の運転士であることも私は問題点だと思っております。何ゆえ、このような状況になっているのか、お考えになっていただきたいと思います。  思うに、企業で例えるならば、継続的に働けるという安定性、将来性、そして、自身への仕事への自負、これは社会的貢献と置き換えてもいいと思うんですが、そういうものが感じられるところで人は働くのだと思います。交通局にそのマインド、人をひきつける希求力が欠如しているのではないかと私は推察しております。  現に、若い運転士が同業他社に転職した際の面接で、上司から自分たちはもう何年かで定年になるからいいが、若い君たちは将来を考えて転職したらいいと言われたという話も耳にしたことがあります。
★前田 (続き) 中期経営計画が平成29年度で終わります。環境が大きく変わろうとしている今この時期に、県営バスとしての存在価値を再構築すべき時ではないかと思っております。  そのことを思いながら、以下質問をさせていただきます。  人口の減少や高齢化の進展に伴い、公共交通における足の確保は喫緊の課題であると認識しております。県としてはどのように対応していこうとしておりますか。  県営バスが行っている事業は、公営でしか成り立ち得ないのでしょうか。言葉を変えれば、民間ではできないのでしょうか。バスの乗合事業は、昭和46年がピークで、現状、再編に向かう中、今の事業展開は、見方によっては民業圧迫と捉えることができるのではないでしょうか。突き詰めて言えば、過去の路線撤退の連続を見た時に、県営バスは公営企業として、その役割を終えたのではないかというふうな思いもいたしております。このことについて、ご答弁をいただきたいと思います。
企画振興部長 まず、人口減少、高齢化の進展で公共交通の確保を県としてどう対応していくのかというお尋ねでございます。  人口減少及び少子・高齢化が進展する中、誰もが住みやすく、活力に満ちた地域社会の実現に向けて、地域を面的に見渡した公共交通ネットワークを構築することが重要でございます。  そのため、県といたしましては、まちづくりと一体となった公共交通の再編について、市町と連携しながら取り組んでおりまして、県内自治体においても、地域公共交通網形成計画、また、再編実施計画の策定などによりまして持続可能な地域公共交通の形成が進められているところでございます。  地域公共交通ネットワークの構築においては、交通空白地帯も含めて、地域の特性と実情に応じ、コミュニティバスの運行でございますとか、デマンドタクシーの導入など、多様な交通手段の検討が行われておることから、こうした取組を通しまして利便性の高い公共交通サービスの確保がなされるよう、引き続き努力してまいりたいと考えているところでございます。
企画振興部長 (続き) 次に、公営企業としての役割を終えたのではないかというふうなお尋ねでございますが、県営バスは、乗合事業として歴史的経緯に基づく運行区域の区分に応じまして、古くから長崎、諫早、大村地域を中心に運行し、児童生徒の通学、住民の通勤や買い物等の移動、都市間輸送など、日常生活を支える交通基盤としての大切な役割を担っております。  バス路線では、補助金の交付を受けている路線もございますが、これは公営、民営を問わず、国や地方自治体から交付されるものでございまして、県内民間事業者も不採算路線の規模等に応じて同様に交付をされております。  このことから、現状、バスの運行におきましては、民間バス事業者と同条件でなされているところでございます。  これまで島原半島地域の不採算路線の競合でございますとか、他社参入を契機といたしまして路線撤退を行った例もございますけれども、現在運行しております路線の約7割が不採算でございまして、そのうち、補助対象ではない系統が半数を超えます生活路線である実情を踏まえれば、地域交通の維持に係る使命を果たしており、地域の足としての役割は引き続きあるものと考えております。  しかしながら、一方で社会経済情勢及び新しいまちづくりなど、環境の変化にも対応を要することから、地域公共交通のあり方につきましては、市町と連携を図りながら、各地域における地域公共交通形成の取組を通し、検討を行う必要があると考えているところでございます。
★前田 5年前もそういう答弁だったんですね。それで、そこから環境が大きく変わっていると思うんですが、改めて知事にも5年前に答弁いただいていて、知事には5年前に、「現に運行している生活交通の確保と輸送品質の向上に経営努力を行うとすれば、民営、公営の経営形態が問題ではなく、一バス事業者としての評価がいただけると考えている」というような答弁をいただきました。  その時はそうなのかなと思って聞いておったんですが、しかし、現に運行している生活交通の確保と輸送品質の向上という意味では、今、企画振興部長の方からご答弁がるるありましたけれども、さっき私が言いましたように、不採算路線を7割近く走るのはわかります。そういうことも含めまして、そういうものを仮に民間に路線の委託ができないかというと、それはできない話ではなくて、諫早市や大村市においても民間事業者ができ得るというふうなことを言っているわけですね。  それと、長崎市はご承知のとおり、民間事業者と並行する形で走らせているという時に、知事が言われた輸送品質の向上、生活交通の確保というものは、この3市だけではなくて、県北であったり、撤退した島原半島であったり、公共交通空白地帯も、年々、調査はパーセントが増えてきているわけであって、そういうところを走ろうというような検討も含めて行ってこそ、私は公営の県営バスだというふうに思っていて、それがなされないで、現状を維持していく中での生活交通の確保と輸送品質の向上という意味は、果たしてそれが本当に知事が言われたような、そこに努めていると言えるのだろうかなと思っています。
★前田 (続き) それと経営努力というのは、確かに中期経営計画の5年間は、いい数字が出る形で終わると思います。しかし、それも第三者の方にしっかり見ていただきたいと私は思っているんですが、中期経営計画の結果の目標達成は、過去における県からの繰り入れや、消費税増税の際の値上げできない料金収入相当の県からの助成、長期または機械的に継続されている短期貸付金、そして、公営企業であるがゆえに可能となる企業債の発行等、税金の投入並びに公営企業がゆえに県より守られて成り立っているものだと私は認識をしております。  そういった意味で、経営努力というものが果たして民間同等と比べて頑張っているんだということには、私はなり得ないのかなと思っていますので、その点についても疑義を感じております。  端的に聞きますが、長期貸付金が11億円あって、まだ10億5,000万円残っておりまして、毎年3,000万円ずつ返していただいております。この計算によると、あと30年かかるわけでありまして、果たしてどうなのかなと思っているのは、一時貸付金の5億円というものが、これは毎年4月1日に貸し付けて3月31日に償還するというものを、要は貸して返してもらって、すぐまた貸して返してもらってみたいなことを昭和57年から今に至るまで延々とやっていて、この5億円というのは、運転資金というか、助成金にほかならないのであって、これを本当に公営企業である交通局が銀行と直接するならまだしも、県を通じて低い利率でこのことを常態的に繰り返しているということは、ヒアリングの中ではほかにもあるんですよと言いましたけれども、ほかのこともあわせて、こういう貸し付け状況が適正というか、望ましいのかというのは一度議論させていただきたいと思っているんですが、端的にこの点について、総務部長、いかがですか。
総務部長 短期貸付金でございますけれども、交通局の経営状況につきましては、中期経営計画を着実に推進しながら経営健全化に努め、県独自補助金の終了や、平成27年度決算では4年ぶりに純利益を計上するなど、経営努力を重ねてきているところでございますけれども、依然として、やはり厳しい状況が続いております。  このため、交通局の設置者といたしまして、一時的な資金不足を回避して経営の安定化を図るということを目的にしまして、この5億円の短期貸付というものを行わせていただいているところでございます。
★前田 総務委員会の中で、もう一度やりとりします。  それで、最後になるんですが、私は何も民営化とか民間移譲しろという話ではなくて、さっき言ったような運転手さんの状況がある中で、若い運転手さんを含めて、本当に交通局の中で頑張っていくんだというようなもとに毎日仕事に励めるようになってほしいんですね。  そうした時に、やはりいま一度、県営バスとしての存在価値を県民に対して示してほしい。そこに尽きるわけでありまして、そういったことを考えた時に、知事が5年前に言われた、一バス事業者としての評価がいただけると考えているのであれば、ぜひ、この機会に第三者に評価をしてもらっていいのではないかと思っていて、私は5年前には、あり方を問うような検討会をつくってほしいということを申しましたが、そうなってしまうと、なかなか議論というものが、あり方ですから、公営がいいのか悪いのかという話になるのかと思いますので、そうではなくて、今後、中期計画が5カ年終わったことを含めて、事業経営の問題を検討する会的なものをぜひ第三者を含めて立ち上げる中で、これから公営企業としてやっていくにしても、改善をしていくような形であってほしいと思うんですが、知事、この点について、一言だけ、いかがですか。
知事 バス事業は、ご承知のとおり、長年にわたる歴史的な経過があって、それぞれの地域において各バス事業者の方々が懸命に経営努力を重ねられ、それぞれの地域の方々の足を守ってきておられるわけであります。  そういった中で、これまでも、今もご指摘いただきましたけれども、公営企業であるということから、特別の財政負担を強いられるというようなことがあってはならないと、こう考え、経営改善について懸命に努力をしてきたところであります。  そういった中で、これまでは県単独の操り出し措置等も講じておりましたけれども、平成27年度からそうした措置も停止をいたしまして、いわゆる一民間事業者とほぼ同じような形での経営の質が維持されているという状況にあるわけでございます。  したがって、さらにそういった事情の中で環境も大きく変わってまいる可能性もありますので、そういった事項については、それぞれの地域の地方自治体の皆様方と今後のあり方等については十分議論していかなければいけないものと考えているところであります。
★前田 わかりました。ただ、今後、交通局は、今後の投資として、建物施設で40年間で35億円、それから、これは事業用車両で10年間で57億円近くの費用が要るというふうな計画も立てられていますので、もろもろ含めたところ、真剣にもう一度検討する場があってもいいんじゃないのかなということを私は思っております。

5水産業振興について (1)長崎漁港周辺の水産関連企業の取水について

★前田 長崎漁港の三重地区になりますが、いわゆる新長崎漁港の平成元年の開港に当たり、水産加工業を誘致すべく、県が加工団地の造成を行っており、その際、加工用水を確保するための取水施設も同時に整備され、加工業者で組織する長崎漁港水産加工団地協同組合に有償で譲渡されています。  昭和63年の移譲以降、約30年程度利用してきたところでありますが、老朽化が著しいことから、現在、組合の方で補修や改修等を検討していることですが、多大な費用がかかると伺っております。一説には、10億円程度かかるのではないかということも言われています。  加工用水の確保は、工場にとって重要であり、適切に維持していく必要があります。  また、水産加工業の振興は、県民所得の向上につながり、水産業ばかりではなく地域経済の活性化にとっても重要であると考えています。  基本的には、民間事業者であり、自らが行うべきものと理解しますが、水産業振興という視点から、県の支援が何か考えられないものか、お伺いしたいと思います。
水産部長 新三重地区での長崎漁港水産加工団地協同組合が所有します水産用加工用水施設についてお答えいたします。  現状におきまして、県の補助制度がない状況ではありますけれども、議員がご指摘のとおり、水産加工業にとりまして用水の確保は重要でございまして、また、その振興は、水産業のみならず、地域経済の活性化にとって重要と認識しております。  今後、水産加工団地協同組合から将来的な加工用水の確保につきまして意見を伺いながら、融資等につきまして助言してまいる所存でございます。
長崎県議会議員 前田哲也事務所
前田哲也を支える会
自由民主党長崎県長崎市第三十支部
〒852-8023 長崎市若草町14-11
TEL.095-840-9020
※不在時は留守電へメッセージをお願い致します。
 FAX.095-840-9027
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