県議会 予算総括質問 2011.12.7

 

1 本県の公共事業の現況と今後の展開について

1 本県の公共事業の現況と今後の展開について
 
(1)デフレの今こそ公共事業を積極的に展開すべきではないか
 
  前田  確認させていただく。全国的に景気低迷、デフレスパイラルと言われるほどの悪循環の中、本県において、こういう時だからこそ公共事業を展開すべきではないかと思う。公共事業の予算は減少傾向だが、ここ10年間の公共事業費の推移、ピーク時からの落ち込みは。
 また公共事業の地域経済への影響は大きい。投資的効果もある中、公共事業の減少によるマイナス効果をどのように認識しているのか。
  回答
(総務部長)
 H13度の1720億からH22度は922億円と約46%減少。ピーク時のH10度の約4割程度の予算。公共事業の減少により、建設許可業者数がピーク時のH16度の85%、6309社から5548社に減っている。
 建設業就業者数もピーク時のH7度の70%、H7度が84000人余り、H20度では59000人余りで大きく減少している。
 県内総生産、建設業総生産がともに減少する中、県内総生産に占める建設業の構成比はH8度の10%台から4%台へと大きく減少。公共事業の減は、県内建設業にも大きな影響を及ぼしている。
  前田  H10度の2349億円をピークにして減少、現在は6割程の減とのこと。H10からの動きをみると最近5年間は1000億円から900億円程度ををいったりきたりで微減を続けているが、答弁頂いたようにH10からH17の間が一気に1400億円近く激減している。
 建設会社や就労者数の大幅な減という答弁があった。本県ではまだまだ建設土木業界の就労の実態がある中、公共事業の減は市や町の減も含めるとかなりの金額になると思う。こういう中でこそ積極的に国全体が財政支出をすべきだと思うが、県もその種の公共事業を打つべき。
 一般に産業連関表でいう仮に100億減った場合の経済波及効果、マイナスの雇用効果があるのか。
  回答
(総務部長)
 2011年の県の統計課のデータでは、100億円の公共投資の誘発効果(波及効果)は公共事業では1.67倍。逆算し、それだけの経済効果が県内で落ち込んでいったということになる。100億円減るとマイナス1.67倍。
  前田  100億円増えたらどれだけの雇用数が誘発されるか。
  回答
(総務部長)
 100億円の投資により雇用の誘発数は公共事業では1324名。
  前田  100億円で1324名なので増えれば純増となるだろうが、単純に掛けるコストとはならないと思う。しかしH10の2349億円が昨年度922億円、逆にそれだけ多くの雇用がなくなったと計算できる。これからどう雇用を守っていくかという中で公共事業をどう展開していくかは大きな課題。
 知事にお聞きしたい。公共事業に対する評価はいろいろご意見があるだろうが、大型事業を含め、雇用にこれだけの効果がある話の中では、県民の理解が得られるような公共事業ならば、積極的に借金してでも展開していくべきだと認識している。これからの公共事業の在り方について知事のご所見は。
  回答
(知事)
 公共事業は経済誘発効果が大きい分野であり、雇用に対する効果も期待できる。県内産業の活性化、県民生活の質の向上に資する、地域経済そのものを下支えするという面でも大きな役割を果たしている。特に本県は離島、半島を有し社会資本の整備が十分ではない。特に道路網整備関係、地域の基幹産業である農林水産業を支える基盤整備等の面でも大きな役割を果たしている。
 問題は国の予算が大幅に削減されており地方からの要望に国の予算の配分が期待できないこと。引き続き国に対し地域の現状等を訴えながら関係予算の確保に努めていかなければいけない。
  前田  国に要望していくということだが、公共事業も数種類あると思う。その中で県民の理解が得られやすいのは安心・安全の公共事業であり、国土を守るような農村整備や堤防・森林保護、離島を守る意味での公共予算も国土を守るという意味で必要である。
 雇用効果が高いという意味で雇用を守る公共事業、大型事業を含め戦略的な公共事業ということで、県民に必要性を訴えながら今後の積極的な展開を要望する。国の財政が厳しいのは承知している。その中で県単独の事業ででもこういうことについてはしっかりと考えていっていただきたい。
   
(2)県単独事業として公共事業をどれだけ出せるか
 
  前田  県単独事業の予算が年間450億円程ずっと確保されている。おそらく財政の中では精一杯の数字だと思うが、それと合わせて一括交付金がどれだけ出るのか、その中でどれだけ重点的に県単独事業に対して財政支出ができるのかはこれからの大きな課題だと思うので、ぜひその点を認識して頂きたい。
 その中で1点だけ、農村整備について詳しく質問しようと思っていたが、知事からも農業基盤整備は大変重要であり国に対して要望していくという答弁があっている。但し今年度から次の5箇年計画に農村整備計画が入っているので事業費ベースで毎年60億円×5年の計画を立てていると聞いたが事実かどうかということと、厳しい中でどう財源を確保するのかについて農村部長の答弁を求める。
  回答
(農林部長)
 農業農村基盤整備の関係だが、今後5年間において農地の基盤整備14カ所で870ヘクタール、老朽ため池の改修32カ所等、多くの整備予定箇所を考えている。事業規模60億円を想定しているが、ご案内の通りの国等の予算状況なのでこの確保はしっかり頑張りたい。
  前田  業界や団体からも強い要望が出ている。国の施策が変わっていく中、特に著しく激減しているが、農村を守るのは大きな課題。計画を立てた中、毎年進捗を抑えながら新規事業も検討しながら計画の展開に努力してほしい。
 そういう意味で県単独事業としてどれだけこれから公共事業を出せるかについて引き続き地方債の発行等も含め検討して頂くことを要望する。
 

2 経済対策補正関連基金について

2 経済対策補正関連基金について
 
(1)基金の執行状況と成果について
(2)経済(雇用)効果が十分成果として出たのか
 
  前田  H20度、H21度の2箇年ということで各種基金が運用された。1年延長でH21~23度にかけて17のこの種の基金事業がH24.3でいったん終了となる予定。この3箇年を含め基金の執行状況と成果について、それから知事に対してこの経済対策基金の評価についてご答弁頂きたい。
  回答
(総務部長)
 経済対策基金の執行状況などについて。H20度以降、国の類似の経済対策により、雇用対策、地域医療再生対策、社会福祉施設等の耐震化促進、高校生の就学支援、妊婦健診、ワクチン接種の促進等を対象に17の基金で総額616億円が措置された。今回の11月補正予算も含め、累計約483億円を各種事業の財源として活用し、11月補正予算後の残高は約133億円。
  回答
(知事)
 経済対策関係基金の効果について、先日基金が準備され、その財源を活用し取組が進められてきたところ。雇用確保、耐震改修促進、就学支援など様々な目的のもとに事業が推進されてきた。地域経済の活性化などに一定の効果はあったものと思うが、問題はこの基金が終わってからの経済状況がどうなのかということ。そういう中で一定将来に向かって残された基金だが、知恵を絞り有効な取り組みについては将来に残せるよう関係市町とも力を合わせ努力していく必要がある。
  前田  この基金は国から与えられた趣旨や目的の中で活用できた部分、これは各自治体の創意工夫によるものなので、県においても成果があったという効果はあったと評価できる。
 半面、この基金が政権も変わる中でH21、22の2箇年、H23は1箇年の延長。今現在、安心こども基金のように来年度、第4次補正も含めて約束された部分もあるが、今後はどうなるかわからない基金がある中で、本当に国として経済対策を打ってくれよ、各地方独自の特色を活かしてやってくれよというより、「コンクリートから人へ」がわかりやすいでしょうか、そんな中で各省の公共事業を減らそうとする中での苦肉の策がH22度で終わったものがH23度につながってきたのではないだろうか。
 なぜこう言うかというと、H22.6.22、「財政運営戦略」が閣議決定されている。これは財源の確保ルール(ペイアズユーゴー原則)。歳出増や歳入減を伴う施策の導入、拡充をする際は原則として恒久的な支出削減、または恒久的な歳入確保措置によりそれに見合う安定的な財源を確保しなければ、そういう事業をやってはいけないということ。結局、何か新しくやる時には新しい財源を持ってこないとやれないということだと理解している。そこで各省庁がこういう基金を使い今まで事業を入れ込んできた。結果、来年度になってこの種の基金がなくなったら元々あった国の補助メニューが欠落してなくなっていたという事態も起こってくると思う。そういう意味で、地方のためよりも国の財政運営のために延長していると認識している。
 今私がこの機会に質問するのはなぜかというと、3箇年間あり、来年度どうなるかわからないということで、今やった基金の事業内容を検証して頂き、基金として継続できるものはどれか。できないなら、芽生えてきた事業があるならそれを伸ばすために一般財源を最低でもどう展開していこうかということを今まさにこの数カ月かけて検証すべき。
  (つづき)   この基金の中で、「緊急雇用創出事業特例基金事業」と「ふるさと雇用再生特別基金事業」の雇用効果は委員会等で報告を受けているが、本当の意味でそれだけの雇用効果が十分果たせたのか疑問。
 一例を挙げると「ふるさと雇用再生特別基金」は県や市の直営や委託事業としてしか出すことができないという前提の中で民間からの応募は82事業、採用28事業。採択率が低いのは直営委託という縛りがあったから県や自治体の直営事業や委託事業に馴染まなかった。またはそこまでねりこまれた計画でなかったかもしれないが、本来こういう基金を活かすには民間の産業を伸ばしてこそこの基金の意味がある。それを国に訴えても仕方がない、国のルールでやるしかないが、こういう実態があるなら不採択になった事業のフォローアップを図るとか、産業労働部が所管するようなベンチャー企業の中の支援策に転換するとか、そしてそのベンチャー支援ももしかするとメニューにおいては使い勝手が悪い。スタート段階にはここまでのものは不要というものがあるなら新たな支援策を。私が言いたいのはせっかく民間から出したアイディアをどう活かすかが大切ではないだろうかということ。
 自治体が提案した事業で「ふるさと雇用再生特別基金」をかなり使っているが、自治体が提案したのは直営委託なのだからそこから8割方が継続雇用、3年経って「あります」と言うが、結局それはもしかするとほとんどが県の事業で県から委託費が出るだけかもしれない。民間の成長性が出なければ意味がないと思う。そういう意味で検証等も含めしっかりと来年度以降に繋げて頂きたいが、担当部局のこの基金等に対する今後の課題や認識は。
  回答
(産業労働部政策監)
 この話は議会の中でも提案があり始めた企画提案の公募事業についてのお話。
 この公募事業については採択がそれ程されていないのではないかという話もあるが、不採択の事業についてはその理由を明示することにしており、問題を示し、その提案が活かせるようにしたところである。
 不採択の理由で一番多かったのは「事業の継続性がなかなか図れないのではないか」ということ。例えば事業費が膨らみすぎると3箇年の事業が終わった後も自立して事業が行えないということになるので、そういうところを指摘し一部事業費の削減などを行うことにより再提案で採択になった事業もある。そういう形でフォローアップをしてきたつもり。
  前田  一例を挙げましたが、ぜひ知事、各関連部局においてそいうプロジェクトなどもつくっていただき、これから先の各部局でいかに予算をつくるかということにも関連する話なので、ぜひ取り組んでいただきたい。
   
(3)個別基金の次年度以降の取り組みについて
 
  前田  個別基金についても詳しく聞きたいが1点だけ、「あんしん子ども基金」の第4次補正での積み増しが来年お金が底をつくと思うが、今現在の基金の残、通年ベースで行うのなら来年度の必要予算はどれだけ必要か。
  回答
(こども政策局長)
 現在「安心こども基金」は総額45億9000万円、そのうち使ったお金が約41億円。残は5億円ちょっと。
 今後の予定として来年度の予算(要望含め)はトータルで約12億円程必要。7億円程足りないと国に申し上げている状態。
  前田 少子化対策、子育て対策は今の社会情勢の中で非常に重要。やりたいことはたくさんあってもお金がついてこないという現況、財源不足もあるだろうが、努力し基金の中で地域子育て創生事業という各市町が頑張ってやってきた事業が毎年5億円ずつ程ある。今の状況で基金がもし切れたらそういうものは全くつかない状況だろうし、保育所等の整備の補助メニューも完全になくなっている。これから本当に努力をしながら環境が更に良くなるようお願いする。
 ワクチンについても多々あるが1点だけ要望。ワクチン基金も今後どうなるかわからない、最終的には付くと思うが、来年予防接種法が国会で改正されるような状況の中、任意のワクチンに対し、県としての考え方をまとめていくべき。
 今までのワクチンに加え高齢者の肺炎球菌ワクチンが来年度の国会で通ろうとしている。通ると国からお金が出るだろうが、子どもよりはるかに多い高齢者対象者の数が出てきたときに各市町において一律のサービスができるのかどうかは各市町の自治体の財政力に左右されてくる。そうした時に財政力が豊かだから、またはないからということで接種の補助率が変わるのは避けてほしい。対象分母が増えた時、県としてどう対応していくかをしっかり考えていってほしい。
 長崎市では、ひとり親家庭・寡婦医療対策費の現物給付で長崎市の負担が増えたということで、その1/2の補助を県に求めている。この事例は毎回のこと。先進的に施策の必要性を考えてやっている事業に対しては特段のご理解をいただき、それに近いご支援をお願いしたい。
 

3 長崎~上海航路について

3 長崎~上海航路について
 
(1)長崎~上海航路の物流はどう考えているか
 
  前田  知事、本当に長崎~上海航路、皆が期待している。そうした中で、知事ご自身も人の交流もだが物流、産業基盤の拡充についても頑張るということであった。一つだけ、大変失礼だが知事の本気度を確認させてもらいたい。
 長崎港のコンテナ取扱量は大変少ない。長崎に限らず石塚副知事はご存知と思うが日本全体のコンテナを扱う貿易量は世界では遥かに後れを取っている。国策として港湾行政をしっかりやらなかったことに問題があると思う。地方分権を進める中で任せてきた、それで良かったのかということもあるだろうが、シンガポールがコンテナ量は1位、上海が2位と言われていたが、その上海が1位になった。3000万TEUという単位。東京港は381万TEU、世界で27位。遥かに及ばず。博多と北九州を合わせて110万TEU、九州全体の8割。この数字を記憶して頂きたい。
 それに対し長崎港は2009年で6236TEU、何と上海の4900分の1。現況なので仕方がないが、その上海との航路ができたということであれば、絶対的なチャンスとして活用しない手はないと思うが、そういう意味において、港湾のインフラ整備などを含め、上海と長崎の物流について知事の改めてのご見解をお聞きしたい。
  回答
(知事)
 上海航路の復活を目指す際、物流面での求めがどのこうらいあるのか調査させた。予想に反し大変少ないものであった。
 コンテナ貨物の需要については例えば日本海側拠点港の整備の中でも長崎港についてはそういった機能の方向性は出さなかったが間違いなくシームレス物流が実現されることになると海上輸送時間が一番短くて済む港である。
 従って今飛行機の様々な貨物が安価な船にシフトする可能性が非常にあると考えており、海上輸送時間をできるだけ短く、大量の貨物を高速道路網で全国に配送するという展開が可能になるのではなかろうか。そういう意味では一番の強みを備えた港湾としての期待ができるのではないかと考えているので今回の拠点港の指定を受けたことを契機にし、港湾機能の整備に更に力を注いでいきたい。
  前田  アジアの玄関口として物流を展開してもらいたい。
 もう一つ、知事、小さな提案だが、せっかく上海と長崎でそういう物流をしようと言っているのだから、両市において見本市を一度やったらどうか。コンベンションによる見本市は長崎では実現できていないが、仮設テントででも見本市をやり物流促進、人のネットワークの交流を図ってもらいたい。そういうことが考えられるのか。
  回答
(知事)
 可能性を含めて検討してみたいと思う。
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