予算決算委員会総括質疑 2017.3.2

   
  1 人口減少ならびに地方創生への取り組みについて
 
  2 県民所得向上対策のこれまでの成果と取り組みについて
 
  3 長崎港の2バース化と柳ふ頭の活用について
 

 
 私の周囲の人で、産業が十分に活性化せず、人口減が進み、財政もこういう厳しい状態になってくると、長崎市も長崎県も沈没するんじゃないかと言われる方がおります。私自身も同じような危機感を持っております。そのことを踏まえて質問いたしますが、質疑の答弁の内容によっては、予算の編成、また施策の実務的な決定をされている副知事に質問することもあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
 

1人口減少ならびに地方創生への… (1)本県ならではの課題の認識と取り組み

1人口減少ならびに地方創生への… (1)本県ならではの課題の認識と取り組み
  前田  中村県政2期目ではありますが、1期目の議事録等を読むと、既に1期目の頃から中村県政の課題として、一人当たりの県民所得の低迷、人口減少、地域活力の低下の改善ということを公約とされておりました。そういう意味では、今々人口減少対策、地方創生が始まったわけではなく、本県においては先駆的に取り組んできた、そして、この課題につきましては、全国どの県も重要な課題であります。そうしたことを考えた時に、私は、本県ならではの課題があると思っておりますので、その本県ならではの課題の認識と取組について、まずご答弁をお願いしたいと思います。
  知事  本県では、ご指摘のとおり、若年層の進学、就職による社会減が非常に大きいことが最大の課題となっているところであり、離島・半島地域に加えて、長崎市や佐世保市でも社会減が大きい状況にあります。
 県内には中小零細企業が多く、若年層に対して県内企業の魅力や情報が伝わりにくい状況であるといったことに加えて、本県は、ご承知のとおり、県域が非常に広域に及び、離島・半島が多いことから、地域によっては、県外の都市とのアクセス、あるいは結びつきが強いといったような状況にもあるものと考えております。そういったことから、離島・半島地域からの進学、就職に伴う県外転出が多く、県庁所在地等に人口をとどめる、いわゆるダム機能が弱い状況にあるのではないかと考えているところであります。
 こうした点を踏まえて、まずは最も人口減少が厳しい状況で推移しております離島地域の人口減少に対しては、有人国境離島法等を最大限に活用しながら、雇用の場の創出と島内定住の促進に継続して全力を注いでいかなければいけないと考えております。
 また、企業誘致の推進、あるいは製造業、観光業、サービス業といったさまざまな産業分野における良質な雇用の創出に力を注ぎ、県内企業の魅力や情報を高校生、あるいは大学生等に着実に届けていかなければいけない、そのために「Nなび」の活用や県内企業の合同面談会の開催等に力を注ぎ、経済界とも連携した取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 さらにまた、こうした取組に加えて、若年層が求めております処遇やキャリアパスの充実を図っていくということも極めて重要であると考えておりまして、こういった働きやすい職場づくりに積極的に取り組む企業を認証する「Nぴか」としての認証制度等の活用、大学と連携した人材育成戦略等の構築にも力を注いでいかなければならないと考えているところであります。
 そうした取組を進める一方、本県で暮らすことの魅力、ふるさとに対する思い、そういったものについて、しっかりと広報も進めてまいりたいと考えているところであります。
  前田  今、知事から、本県ならではの課題について、そして、その取組についてご答弁がありました。
 その中で、いみじくも人口のダム機能が課題だという認識も示されましたので、そのことについては通告をいたしておりますので、後ほど関連して質問させていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、中村知事におかれては、県政1期目から、人口減少対策、また地方創生に対して、1期目の3年目から、こぎ出せ長崎枠というような独自のルール、工夫もしながら、その改善に向けて努力をしてきていると思います。
 そして、その後、国の方においても、平成26年度から、地方創生先行型の交付金ということで、人口減少や地方創生にかかわる補助金、交付金について、新たな制度がしかれたところであります。
 この制度につきまして、私自身は、九州知事会等でも国に要望しておりますように、総枠において1,000億円ぐらいしかないというその額の問題もですが、やはりしょせんこれはひも付きの補助金であって、こういうふうな一括で地方に権限が与えられているものではないということも含めまして、不満はあります。しかし、そのことはそのこととしながら、与えられたルールの中で、地方創生のこの交付金をしっかり活用するというのであれば、このルールの中で1円でも1万円でも多く交付金を取ってくることが大変重要であると思います。
 そういうことを考えた時に、本県の地方創生交付金の採択状況について、九州各県の中での比較、それから県下の各市町が他県の中でどのような順位になっているのかを、まずご答弁いただきたいと思います。そして、そのことによる課題についてもご答弁いただきたいと思います。
  企画振興部長  地方創生交付金につきましては、平成26年度から平成28年度までの補正予算で措置された各種交付金のほかに、平成28年度当初予算で創設された地方創生推進交付金がこれまで交付をされており、本県におきましても、総合戦略の推進に向けて、積極的に活用させていただいているところでございます。
 このうち、国が指定をします事業分野、仕組み、先駆性を満たす事業について交付される競争型の交付金は4分野ありまして、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金の上乗せ型、地方創生加速化交付金、地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金の4交付金がございます。これを合わせた長崎県分の採択状況は34件、20億3,000万円であり、採択額では九州で2位となっております。また、共同申請を含む市町事業分の採択は92件、15億1,000万円でございまして、採択額では九州6位となってございます。
  前田  県としての採択は九州で2位ということでありますが、1位が熊本県でありまして、その差がかなり大きく出ております。そして、後段でおっしゃった市町の分に関しては、九州の中で6番目というご報告がありました。ちなみに、熊本県は、直近のところでいくと、地方創生拠点整備交付金は10億円取れているのに対して、長崎県は5億3,700万円、佐賀県が6億3,200万円、大分県が8億2,700万円、鹿児島県が7億1,300万円です。今、企画振興部長が言ったのは、多分、地方創生推進交付金の分だと思います。
 そして、市町においては県下合わせて6位ということですが、地方創生推進交付金が3億3,300万円しか取れてなくて、地方創生拠点整備交付金に関しては1億5,500万円しか取れていません。福岡県が15億6,000万円、佐賀県が3億3,000万円、大分県が3億円、鹿児島県が3億2,500万円というふうに、この採択状況を見た時に、やはり私は、特に市町の分については、県がきめ細かい計画時申請のところからのフォローアップをしてやらなければいけないのではないかということを1点指摘しておきたいと思います。
 今後、実務的に取れるお金というものは最大限取れるような努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 そうした中で、人口減少対策はいろいろ打たれていると思うのですが、しかし一方で、人口が減少するという事実は紛れもなく覆しがたい事実でありまして、そういうことを考えた時に、今後、人口増対策と併せて、人口が減っても耐え得る都市や地域の形成、並びに人口減少の中でも新規にまた収入を上げるような施策の展開というものが必要だと思っております。
 そういうことを考えた時に、新年度におきまして、また、これまでの地方創生の取組の中で、本県としては、人口減社会に対する対応としてどのような取組をしているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
  企画振興部長  人口減少を見据えた対策として、今現在、市町が進める集落生活圏における小さな拠点づくりを後押しするために、昨年度から、小さな拠点プロジェクトに取り組んでいるところでございまして、現在、モデル地区として、五島市、西海市、南島原市、東彼杵町を支援しているところでございます。
 今後は、モデル的な取組を支援しながら、県内各地域にこういった取組を広げていくことも力を注ぐ必要があると考えておりまして、具体的には、市町とも連携をしながら、県政出前講座の積極的な活用や、小さな楽園フォーラムの開催などによる小さな拠点づくりの普及啓発、小さな楽園プロジェクト実践者の地域への派遣などによりまして、地域の自立的な取組を促し、県内各地域への波及を目指してまいりたいと考えております。
  前田  知事の先ほどの答弁の中で、まず離島から先行して集中的にやりたいという答弁があったわけですが、本県におきましては、県下の大きな面積を占める中山間地域と言われるところにおいても、離島ほどではないにしても、大幅に人口が減ってきているのが数値として出てきております。
 そう考えた時に、こういった地域での生活維持が困難になってきている現状をどう改善するかということの中で、今取り組んでいるような小さな拠点づくりですが、今、企画振興部長から答弁があったようなモデル事業はモデル事業でやっていただいていいのですが、しかし、地方創生のメニューというのが、今のところ、KPIの指標が平成31年までということになっていますので、私は、平成31年以降にこの地方創生の交付金が継続して制度として保たれるかというのは甚だ疑問でありまして、むしろ逆に、KPI指標が平成31年であるならば、その年までに何とかそういう仕組みを完成させなければいけないという意味においては、少しスピード感が遅いと思っていますし、またそういった制度が消えた時に、本当に将来的に自立できるような事業になっているのかというのは甚だ疑問であります。
 そういうことを考えた時に、例えば高知県では、各地域で集落活動センターを立ち上げるなど、積極的に県が地域を支援する仕組みをつくっております。このような取組が我が県も必要であると思いますし、そのためには、今現在は地域づくり推進課と農山村対策室が中心にやっていますが、しかし、こういった中山間地の課題については、農林部、水産部、産業労働部ほか、企画部を含めて、土木部、横断的に取り組むことが必要だと思っていますので、そういった部署を横断する総合支援本部のようなものの設置が必要と思われますが、その点についてのご見解を問いたいと思います。
  企画振興部長  今ご指摘の地域におけるさまざまな地域課題に対しましては、現在は、課題に応じまして関係部局が連携した対策に取り組んでいるところでございます。また、地域ごとには各振興局がございますので、その振興局の中に農林水産部門、地域づくり部門、保健部門等がございますので、そういったものが横断的に連携をしまして、市町とも話し合いを深めながら、連携して地域のまちづくり、そのほか産業の振興などについても取り組んでいきたいと思っております。
 そういったこれまでの取組に加えまして、さらに庁内各部が連携をいたしまして、市町と地域創生に向けた取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  前田  そのような答弁ですが、本当にスピード感を持って、モデル事業で出たような課題を克服しながら、さっきのような取組については施策として県下一円に広げていただきたいし、その財源をどう確保するかということについては、庁内でしっかりと財源捻出に努めていただきたいということを最後に要望しておきます。
 

2県民所得向上最終年度における… (1)こぎだせ長崎枠の施策成果の検証

2県民所得向上最終年度における… (1)こぎだせ長崎枠の施策成果の検証
  前田  もう何度も言っているように、これは中村県政1期目からの重要課題だと認識しております。そうする中で、平成27年度を1期目の目途とする県民所得向上対策は、事業費ベース900億円は、まだ確定ではありませんが、県がかかわる事業としては達成できたんだというようなことが今まで議会で報告されておりました。そして、今度の新3カ年については、1,028億円の生産額増を目指すということですが、しかし、これは個人質問の中でも指摘があっていましたが、そういった基準と別にして、いろんな多方面からの数値を見ると、本当に県民所得が向上したかというのは甚だ疑問でありまして、4年前の「比べてみれば」の資料と比べてみましても、県民所得向上の順位というものは44位から43位と、上がっておりません。
 そして、額が上がっているという説明をよくされるのですが、それは全国どこでも上がっておりまして、そうした中で、しっかりと取り組んだところは大幅に順位を上げている県があることもご承知をいただきたいと思っております。
  前田
(続き)
 それから、さっき課題としてありましたように、県内就職率等も上がっていませんし、一番問題だと思っているのは、月間現金給与総額が4年前と比べて、前回は31万円あったものが、今回、28万6,000円というふうに、32位から43位に大幅に下がっていることであります。
 そして、先ほども答弁があっておりましたが、実質経済成長率も、前回の順位では、1.0%で全国2位であったものが、今回の調査では、0.2%、全国の中で41位という結果であります。
 また、さらに、これはちょっとデータが古いですが、平成25年度のデータとして、所定内給与、各製造業や宿泊、長崎が力を入れているという観光、そういったものにおいても、全ての給与において全国との差というものが40万円から65万円ぐらい幅があります。そのことはいまだに改善されていないということを見た時に、私は、知事ほか、先ほども企画振興部長がおっしゃっていましたが、しっかりと成績は上げていると、そしてまた、いろんな指標について、これからも県民に対して示していきたいと言っていますが、非常に都合のいいところの数字をとって、県民に対して、一定成果が出ていると言っているのではないかというふうに思わざるを得ないわけでありまして、県民から見て、県民所得向上と言われた時に、やはり自分たちの給料がどう上がるかというのが一番だと思っていて、そこの数字が全く出ていない、むしろ下がっているということは、中村県政における県民所得向上対策がどうだったのかということについては、改めてその認識を問いたいと思います。
 そうした中で、こぎ出せ長崎枠で、まず先駆的にやってきたわけですから、こぎ出せ長崎枠を通じての知事が1期目に言われた「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く」、このことが人口減少・県民所得向上対策であるとするならば、こぎ出せ長崎枠としての事業をここまでやってきた成果について、簡潔で結構ですのでご披露いただきたいと思います。
  総務部長  本県では、各部局が自由な発想で事業を構築して、既定の予算要求枠にとらわれることなく、積極的に所要額を要求できる仕組みとしまして、平成24年度から、こぎ出せ長崎枠などの予算要求の特別枠を設けているところでございます。
 平成24年度以降、平成28年度予算までの5年間では、81事業で103億円の予算を計上しております。総合計画に掲げます人、産業、地域のそれぞれの分野につきまして、個別の事業の成果ということで代表的な事例をご説明させていただきたいと思っております。
 人が輝く分野では、例えば、長崎県教育ICT化推進事業におきまして、平成25年度から、県立学校のICT推進拠点校に電子黒板等を導入し、実践教育を実施した結果、ICT推進拠点校におきましては、他の高校に比べ、生徒の授業理解度の向上が図られております。なお、その結果を受け、平成29年度からは、次世代型教育環境整備事業により、3カ年で県内の全県立高校の全普通教室に電子黒板を整備することといたしております。
  総務部長
(続き)
 また、産業が輝く分野では、元気なものづくり企業成長応援事業におきまして、県内中小企業への波及効果が高い中堅企業を認定し、補助金を交付しており、支援した中堅企業におきましては、平成27年度において、25億円の県外からの受注に成功するなど、着実な成果があらわれているところであります。なお、この事業につきましては、平成28年度から、専門家による支援の拡充など、より効果的な支援ができるよう見直しを進めているところでございます。
 次に、地域が輝く分野では、長崎をかえる人財誘致プロジェクト推進事業におきまして、市町における地域課題の解決を図るため、国の地域おこし協力隊を活用して、都市部から経験、スキル、熱意を持った人材を採用する市町に対して、その財政負担の一部について補助を行い、平成27年度の全国調査では、全国6位、九州1位となる92名の地域おこし協力隊員が活動を行っております。なお、本事業については、一定の成果が見られましたことから、平成28年度から、市町への新規財政支援は行わないこととし、県は、隊員のスキルアップ、あるいは定住に向けた支援の充実を図っていくこととしております。
 予算要求のこの特別枠に関する事業につきましては、総合計画を牽引する事業として一定の成果を上げているものと考えており、さらに高い成果が上げられるよう改善を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  前田 こぎ出せ長崎枠が始まった年に私は同様の質問をしておりまして、その時、当時の総務部長が、「シーリングに関係なく所要額を自由な発想のもとに要求できる特別枠ですから、高い成果が求められる」ということを答弁されておりました。
 そして、知事も、「財政的な制約から一旦逃れて、発想を自由にして、次の時代につながるような戦略を練ってほしいということで設定した。最小の経費で最大の効果があらわれるような査定をした」というふうな答弁もあっています。
 当時のそういった思いからした時に、今少しご披露いただきましたけれども、そのような成果の答弁というものが、先ほど私が言いましたように、いろんな統計データの数字が上がってこない中で、本当にそこまでの思いを込めたこぎ出せ長崎枠というものが、成果が出せたのかということについては、私は十分でないというふうに認識をしております。
 それと、途中で組み替えたものや、もう事業目的を達成したものがあるとはいえ、平成24年度、平成25年度の44事業の中で、いまだかつてその事業を引っ張っているものが25事業あります。それというのは、知事が当初に求めた短期の中で、しっかりと最大限の成果を出すためにシーリング枠を外したんだということから考えると、何となく、満遍なく今も続けているような事業があって、そこに集中と選択のめり張りが効いていないんじゃないかということを感じております。
 先駆的にやったことですから、財源の捻出に非常に苦労したと思いますが、今現在、そういった交付金の制度ができていますから、そういったことももう一度検証しながら、しっかりと今後も交付金を取ってほしいと思っていますが、今年度の創生交付金というものは、今、予算ベースの中では、どれだけの予算計上をしているのか、総額についてお答えいただきたいと思います。
  企画振興部長  平成29年度の地方創生推進交付金につきましては、有人国境離島対策分も含めまして、9プロジェクト、事業費ベースで24億8,000万円、交付金ベースでは12億3,000万円を予算に計上してございます。
  前田  これは今から申請を出して、採択されるわけですから、今言った24億円、しっかり満額に近い額がとれるような努力、また先ほども申し上げましたように、市町に対するフォローアップもよろしくお願いしたいと思います。
 

2(2)第一次産業振興の今後の課題

2(2)第一次産業振興の今後の課題
  前田  次に、成果が上がっているという農業分野でありますが、生産額は重々承知していますので、所得としてどれぐらい上がったのかということについて、端的に答弁をいただきたいと思います。
  農林部長  本県の農業産出額は、委員ご指摘のとおり増加しておりまして、それに併せまして県内の純生産額でございますけれども、これとほぼ近い値を示します生産農業所得の動向でございますが、平成22年の408億円から、平成27年には493億円と85億円増加しております。また、農家1戸当たりの農業所得ですが、経営規模や品目によって差がございますけれども、県全体の販売農家数で平均すれば、1戸当たりの生産農業所得は、平成22年、163万9,000円から、平成27年には231万4,000円に向上しているところでございます。
  水産部長  水産分野につきましては、生産農業所得のような個別の統計はないため、公表されております県民経済計算の県内純生産額でお答えさせていただきます。
 平成22年度の268億円から、平成25年度でございますが、309億円と41億円増加しております。また、1経営体当たりで見ますと、沖合の大きな経営体から沿岸の漁家までございますが、平成22年度の320万円から、平成25年度は402万円となっております。
 なお、県民所得向上対策で目標とした平成27年度の水産業生産額は公表されておりませんが、目標の基礎となった養殖業生産額及び輸出額については目標値を上回り、海面漁業生産量についても目標値に近い水準となっております。
  前田  所得として、農業が231万円、そして漁業に対しては、コンセンサスによる抽出から130万円という所得、この所得をどう見るかということですが、好調と言われている1次産業ですが、農業分野、水産業においては課題がさまざまであると思っていますので、そのことについてはきめ細かい対応を、平成29年度予算の中でしっかりと取り組んでほしいと思います。
 その中で、知事説明でも海外輸出について頑張っていくんだというようなお話もありました。日本の成長戦略でもありますので、その方向性は間違っていないと思いますが、しかし、過去の実績を見たところ、農産物の生産量に対する輸出物量の割合というのは、和牛で0.04%、果実で0.1%、野菜で0.009%、花きで0.07%というような、全体からしたら、まだそのくらいのボリュームなんです。
 そういうものを考えた時に、海外輸出を声高におっしゃってくださるのも結構なんですが、しかし、全体の物量からするとそんな現状の中で、それでも成長分野だからというのであれば、例えば、海外戦略の現地市場のどこを狙うのかとか、どういったターゲットにするのか、そして安定した供給が1年間通じて可能なのか、長崎だけで難しかったらオール九州で臨まなければいけないのではないか。まして現地のネットワークというものはしっかり構築できているのか。多分、これは全国が東アジアに向けていくわけですから、その中で勝ち抜くために、しっかりとした市場を確保することについて全力を挙げてほしいということを要望しておきます。
 

2(3)「人口のダム機能構築」への取り組み

2(3)「人口のダム機能構築」への取り組み
  前田  知事の最初の答弁にありました人口のダム機能が長崎県は弱いということは、これは重々私どもも理解している現実だと思っています。平成17年から平成22年までと少し古い資料ですが、県庁所在地の人口のダム機能として、鹿児島市が58.6%、宮崎市が53.1%、熊本市が20.3%、そして佐賀市が13.4%ですが、長崎市は3.5%、そして参考として佐世保市は9.9%しかない。要は、県内各地からの就職というもの、人口流出というものを大都市である長崎市、佐世保市において人口のダム機能が他都市に比べて大幅に機能していないということであります。
 そのために、本県としては、これまで企業誘致を頑張ってきたという側面が1つあると思いますが、この企業誘致については、4,036人という数字については報告があっておりますが、本当に知事が言われるような質の高い雇用が創出されているのかということについて確認をしたく、これまでの企業誘致の実績、その評価について、ご答弁をいただきたいと思います。
  産業労働部長  企業誘致の実績と評価についてのお尋ねでございますが、平成22年度から今年度までの企業誘致件数は42社、雇用計画数で4,036人でございます。昨年10月時点の実雇用者のうち、正規での雇用率が74.5%と、県全体の正規雇用率64.2%を10ポイント上回っている状況にございまして、県民に安定した雇用の場を提供しているものと一定評価をしているところでございます。
  前田  事前に担当部署から資料をもらっていますので、今の数字は了解しております。一定は効果を出していると思います。
 しかし、今おっしゃったように、製造業が23社、1,011人に対して、オフィス系が3,025人ということで、私自身は、オフィス系の企業誘致は当然大事だと思いますけれども、やはり本来は県が目指すように製造業、給与が高い、それから成長性がある製造業を多く誘致してこなきゃいけないと思っていますが、人数の実績としてはそういう実績であります。
 そして、雇用の形態としても、製造業は正規が82.3%ですが、非正規が17.7%、それに対して、今、部長が答弁したオフィス系の19社の正規雇用は69.4%で、非正規が30.6%だけれども、そのうちの保険の8社は正規雇用率が96%、残ったオフィス系企業の非正規雇用というのは50%を超えているというのが現実であります。
 そもそも、この質問をするに当たって、担当部署については、企業誘致した後の誘致企業の雇用の実態については承知をしていなかった。そこで、調査をしてもらったわけですが、企業誘致することは大事ですけれども、やはり一番大事なのは、知事が言われたような質の高い雇用という意味では、どういう方が雇用されてどういう条件になっているかというのは、次の戦略を練るに当たっては、大きな課題というか、確認する点だと思っているので、その点については、今後、もう少しアフターフォローというか、追っかけをやってほしいと思っています。
 

2(4)現況の企業誘致の評価と効果の高い地場製造業支援の取り組み

2(4)現況の企業誘致の評価と効果の高い地場製造業支援の取り組み
  前田  そういった時に、さっきのダム機能の話にまた戻しますが、製造業に限って言えば、長崎市はこの7年間の取組の中で、誘致企業は1社で、雇用は22人しかやれてない。それに対してオフィスは15社の2,447人、佐世保については、製造業が4社で440人、オフィス系は2社で366人というふうに、明らかに長崎市、佐世保市において製造業の誘致について遅れをとっているというか、取り組めてないというのが実態であります。
 そのことについて、これまでも随分予算をかけてきたと思うんですが、一義的には、長崎市や佐世保市の考えることでありまして、そういう意味では、これは要望にとどめますけれども、やはり人口ダム機能という課題がある中で、長崎と佐世保の雇用が弱いんだということであるならば、もっと長崎市、佐世保市と事前に打ち合わせをしながら施策をつくり上げ、役割を分担し、そして、限られた予算も分けながらやっていかないと、今言ったような数字は上がってこないと思っていて、企業誘致した4,036人で満足することなく、その内容について、しっかり質の向上について取り組むのは産業労働部の役割だと思っていますので、しっかりと責任を果たしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 その上で、ダム機能に関連しての話ですが、知事の方から、近藤委員の質問の中で、三菱重工の話が出ました。
  前田
(続き)
 これは、本当に長崎市内、県民にとっても非常に大きな不安材料というか、心配をしている中で、知事の答弁を確認させてもらったら、まだまだ現時点において情報の収集に努め、そして、これから適切な対応をしていきたいということでありますが、一ついろんな新聞報道やネット、それから、いろんな聞き取りをする中で、知事が言われるような「人員体制等に幾分の影響はあるものの、大規模な人員削減にならない見込みであるという話を伺っている」というふうに聞かれていますが、本当は現場はそれ以上に深刻な状況にあるのではないかなと思っておりますし、それは関連企業もしかりであります。「下請け業者は、本州にも足を伸ばし、県外から仕事をとってこなきゃいけなくなっている状況がある」、「分社化によって子会社に移行した商船部門の社員たちも、来年までは三菱からの出向社員として認められるが、それ以外は三菱の本雇用ではなくなる」、「立神ドックで働いているのは大島造船所の社員で、三菱は場所を貸しているだけ」等の報道もある中で、私たちはこの真偽についてはわかりませんが、しかし、知事が認識している以上に、三菱重工の状況は深刻でありますし、知事が宮永社長にお願いしているということは、私は逆の目で見ると、やはりお願いに行くところは東京じゃないかと思っていて、東京の方に訴える時に、どうして長崎に拠点を維持しなきゃいけないのか、そのことをしっかりアピールできないと、幾ら地元の中でお願いをしていってもなかなか難しいと思っていて、そのことに対しては、造船産業の中で培ってきた長崎の技術力等々を含めて、しっかりと三菱重工として長崎に拠点を置き続けなきゃいけないんだ、生産活動を下関ではなくて、商船クルーズも含めて長崎でしっかりやってもらいたいということを、私は東京の方に訴えていかなきゃいけないと思っています。
  前田
(続き)
 そういう意味では、まだ情報収集力が足らないと思っていますし、私は、過去においてSSKがそういう非常に厳しい体制にある時に、協力会社の佐世保重工業に対する仕事の依存度の割合等も質問した時には、もっと事細かな情報収集をし、そして新規採用を3カ年止めるという話の中では、県としても積極的にその状況いかんによっては何らかの支援策を検討したいというような答弁も当時出ておりました。
 そういうことを鑑みた時に、やはり長崎市、県全体に波及すると思うんですが、この三菱造船の問題というのは、世界的な原発の影響等も含めて、三菱重工本体が追う債務のことも含めた時に、大変な状況であるという認識をしていますので、今後、進んでいく幸町工場跡地のことも含めて、動向にさらに注視していただきたいと思いますが、このことについて、もしご見解があればご答弁をいただきたいと思います。なければ、そのまま続行します。
  知事  さきの本会議におけるご議論の時にもお話をさせていただきましたけれども、三菱重工の一連の大きな改革に向けた動きの中で、ここ長崎にどういった影響があるのかというのは重大な関心事項でありまして、一連の方向性をお示しになられた時に、一刻も早く社長に直接お会いしたいということでアポイントのお願いもして、なかなかとれなかったのでありますが、さきにお話をさせていただきましたように、11月、ようやく直接お話をさせていただく機会をいただいて、これまで長崎は地元として、客船の連続建造体制の構築に向けてしっかりとした地元としての協力体制も整えている、これだけ期待も寄せているといった思いを含めてしっかり話をさせていただいたところであります。
 ただ、その段階では、まだ個々具体的な内容については内部の方で検討をされている段階でありましたので、情報がとれない状況でありました。その後は関係の皆様方からも、さまざまな機会を捉えて情報収集に力を注いでいるところでありますが、総じて、さきに答弁させていただいたとおりのお話でありまして、こちらの責任あるお立場の方からもそういったお話を聞いていたわけであります。
 ただ、具体的な形がどうなっていくのかというのは、これはしかるべき時期には明らかになってくるわけでありますので、できるだけ早くそういった情報を手に入れて、どこにどういった影響が懸念されるのか、今後とも重大な関心を持ち、また必要な対策については、迅速、的確に講じていかなければいけないと考えているところでございます。
  前田  今、答弁があったように、ぜひ情報収集を幅広く求め、そして、東京の方の動きもキャッチしながら、適切な対応、もしくはもっと強い危機感を持つ中で、長崎市やほかの市とも連携しながら取り組んでほしいことを要望しておきます。
 

3長崎港の2バース化と柳ふ頭の活用 (1)今年度の予算計上状況と今後の見込み

3長崎港の2バース化と柳ふ頭の活用 (1)今年度の予算計上状況と今後の見込み
  前田  時間が限られてきておりますので、まず、今年度の予算の計上状況並びに、そこについては50メートルの予算がついているという理解をしていますが、私たちが国に求めている320メートルの延伸について、なかなか事業化しないということについて、新年度も当然予算を上げているでしょうが、どうやって目的を達成しようとしているのか、その意気込みについて答弁をいただきたいと思います。
  土木部長  松が枝岸壁の平成29年度の予算の状況です。
 直轄事業につきましては、松が枝岸壁の延伸と航路拡幅の工事推進を、県事業につきましては、松が枝岸壁から出島岸壁に暫定的に移動していた船舶の係留場所を琴平地区に移転させるということで、今年度から来年度にかけて、琴平地区の施設整備を行っていくことにしております。
 また、併せて、松が枝岸壁の背後のターミナルを含めた臨港地区の再開発構想の検討を予算計上しております。
 2バース化についてですが、クルーズ需要は引き続き拡大を続け、長崎港は、今年、過去最多の約300隻のクルーズ船の予約が入っており、来年もさらに増加が見込まれております。
 また、国では、訪日クルーズ客500万人を目標に掲げているところでございます。長崎港は、景観にすぐれたまちなかに直接クルーズ船が接岸できるなど、町全体で上質なおもてなしが可能な港であり、半世紀にわたり、ワールドクルーズをはじめ、多くのクルーズ船を受け入れてきた歴史を有し、現在も根強い寄港の希望がございます。
 このため、日本を代表するクルーズの拠点である松が枝岸壁の2バース化と、背後の港湾機能の拡大は、長崎県にとって、ぜひとも必要であり、これを着実に推し進めることが、長崎ブランドを高め、交流人口の拡大による県内経済の活性化につながるものと考えております。
  前田  意気込みについては答弁がなかったような気がしますが、平成26年に計画を立てた時に、平成26年はクルーズ船の入港が75隻、そして、その時の計画時において、10年から15年後に130隻を目指すということでの計画が立てられております。
 しかるに、現在は、平成29年予定で295隻ということで、既に10年、15年後の実績というものを、ありがたいことに大幅に伸ばしてきているわけで、はたから見ると、それでも2バース化しなくても回ってはいるねというのが感覚ですよね。それでも回っているというか、2バース化しなくてもやれているよねということが一つあります。
 それと、10年、15年先に完成する時にどんな環境の変化が起こっているかということも想像しなきゃいけない。
 そして、全体で250億円かかる事業費の中で、2分の1以上は県の財政から出さなければいけないということを考えた時に、計画の見直しみたいな声もないではないし、私のところにも、どうなのときています。
 しかし、今、土木部長が言われたようなことを是とするのであれば、やはり手を変え品を変え、PRというか、アピールをしながら、国の方に納得してもらって、早期に事業化をしていただくことを要望しておきます。
  前田
(続き)
 一つには、その計画地に地元の造船会社が張りついていますよね。張りついていると言ったら失礼ですけれども、彼らも平成27年の長崎県造船関連産業競争力強化検討業務で、県内中小造船及び関連企業の現状と課題の調査の中で出ているように、老朽化している設備投資をしたいと言っているんですよね。それを止めてというか、待たせているということを考えた時に、私はどこかで見きわめが必要なのかもしれないし、いやいや、この計画を変えないということであるならば、何かやり方を変えないと、この方たちにも非常に大きな影響を及ぼすのではないかということを感じておりますし、その方々からも、日頃から本当に強い要望を受けていますので、ぜひこの政府施策要望に向けて、しっかりと戦略を立てて取り組んでほしいということを、これは会派としても要望しておきます。
 それから、併せて柳埠頭の活用ですけれども、もともとは上海航路の延長線上の中でこれは上がってきている話なので、当時も私は中村知事に、世界における日本の貨物物流の状況、それから、その中での九州の状況、そして、長崎の状況を見る時に、本当に本気で取り組むのかというような質疑をさせてもらいましたが、その頃は上海航路がまだ残っていたので、「シームレス」という言葉も出てきながらしっかり取り組むと言いましたけれども、現状において物量が全く伸びていない。そして、入ってくるのは入ってきているけれども、出すものがないから空コンテナで返しているのが現状であります。
 そういうことを考えた時に、この柳埠頭を核とした、ガントリークレーンも入ってきた中で、これからどうやって本当に物量を増やすのかということについては、一定戦略の見直しであったり、集荷体制を頑張っていると思うけれども、何かインセンティブがないと、この現状は変え切れないと思っているんですが、そのことについて、新年度を含めてどう取り組もうとしているのか、ご答弁いただきたいと思います。
  産業労働部長  柳埠頭の物流対策の関係でございますけれども、長崎港は、委員ご承知のとおり、釜山航路のみであると、また、定期便が少ない、ヤードが狭い等の課題がございまして、近隣の他港との競争の中で集荷に苦戦をしている状況でございます。
 来年度は、先ほど委員からもご紹介がありましたが、新たにガントリークレーンが供用開始されるということでございますので、その辺のPRを行いながら、専門知識を有する物流事業者とともに、荷主企業を訪問し、長崎港の利用につながる実務的な提案を行うポートセールスをさらに強化することによりまして、新たな貨物の取り込みにつなげ、長崎港の物流の活性化による地域振興を図ってまいりたいと考えております。
  前田  担当部署が知恵を出し合いながら、本当に長崎県政の発展、推進を目指して、いろんな知恵を出してやっているけれども、なかなか成果が出てきてない、それが県民に十分伝わらないという話の中で、私自身は予算の編成の仕方に問題があると思っていて、やはりこの30%、40%のシーリングのやり方というのは、新しくまいた種を、翌年になって、その芽が育たない中でまた新しく種をまくような形になっているんじゃないかということがあって、じっくり施策事業を育て上げることが必要だと思いますが、最後に濱本副知事、こういった手法の予算の組み立て方で本当に私たちが目指すような県政の成果が達成できるんでしょうか。
 最後に、副知事のご見解を問いたいと思います。
  副知事  この間、議会でもご論議いただきましたけれども、本県の非常に厳しい財政状況の中で、一体どのように対応していくのか、限られた予算の中で、今求められる必要な事業にどう注力をするのかという中で努力をしております。今後とも、スクラップ・アンド・ビルド、また、推進組織の見直し等も含めて総点検しながら対応していきたいと思っております。
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