予算決算委員会総括 2016.10.26

 
  前田  自由民主党は100分の持ち時間で3人の質疑者で臨ませていただきます。トップバッターとして臨ませていただきます。
 本題に入ります前に、直近の県政にかかわる新聞報道の中で、少し気になったことがあったので述べさせてもらいます。
 平成27年度事業でもありますので、あえて述べますが、土曜日の新聞において、金曜日の特別委員会の内容が記事として出ておりました。常任委員会、特別委員会、どちらが大事、どちらが優越あるという話ではないんですが、どちらも大事だと思うんですが、このホール整備は市に主体性があるという内容につきましては、常任委員会の中でもこの内容について、報告、議論は、私はまだ十分なされてないと思っておりまして、どういう形でこういう議論になり、記事になったのかわかりませんが、常任委員会の立場として、そして、常任委員長としては戸惑いをするでしょうし、常任委員会軽視にもつながるのではないかということを含めて意見があっていることをお伝えしておきたいと思います。
 また、火曜日の新聞におきまして、このホール機能整備、協議不調時の長崎市方針について「理解に苦しむ」と、知事が定例の記者会見をされたということですが、そういうことも含めまして、私が以前からお話ししておりますように、もうこういう時期ですので、市長と膝を詰めてお話をされてみてはどうかと、こういう形で新聞報道で相手に伝わるということは誤解も生むんじゃないのかなということを思っております。
 また、県庁舎だけでなく、まちづくりについてはさまざまな課題が今ある中で、特に駅前の開発について、これから新幹線を契機としながら大きく変わるわけですが、他都市を見る中で、攻めるまちづくりというのも大事かもしれませんが、しかし、やっぱり大手の資本が入ってくるという話の中では、まちを守る、中心市街地を含めて守るまちづくりというのも大事だと思っていて、現に都市部においては、既に外部からの資本が入ってくることに対して、独自にまちづくりのいろんな都市の制限をかけながら、特色あるまちづくりに臨んでいる自治体があることも踏まえた時に、今、知事が市長と、一度こういうことも含めてお話しするのはいい機会じゃないかと思いますので、要望しておきたいと思います。
 さて、本題に入らせていただきます。
 

1 財政全般について

1 財政全般について
  前田  平成27年度決算に関する知事の所見をお伺いいたします。
 平成27年度一般会計決算は、歳入面では企業収益の持ち直し等による法人税の増や消費税の引き上げの平準化による増などにより、県税額は過去最高額に近づいている一方、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は3年連続して減少しており、歳入総額は前年をやや上回っている状況であります。
 歳出面におきましては、国体等の開催経費の減があったものの、消費税増税に伴う市町村交付税の増100億円や、県庁舎建設整備費の増などにより、歳入総額は前年の6,836億円を0.8%上回っている状況であります。
 県税収入が増加しておりますが、歳入に占める自主財源の比率34%は、昨年度33.9%、ちなみに全国で低い方から6番目でありますが、と同じ状況であり、脆弱な財政状況には変わりなく、財政調整基金の残高305億円も5年ぶりに増加したものの、依然としてピーク時、平成14年の601億円の半分となっております。
 以上のような状況から、まず、知事に対して、平成27年度決算を踏まえた財政運営に対する所見をお尋ねいたします。
  知事  平成27年度決算については、今、委員がお触れになられましたように、企業収益の持ち直し等による税収の増加、さらなる収支改善対策の効果によりまして、減少を続けておりました財源調整のための基金が5年ぶりに増加に転じるなど、財政健全化に向けて一定の進展が図られたものと考えているところであります。
 しかしながら、本県の財政を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いているところであり、本年度の中期財政見通しにおいては、国の退職手当債の発行基準の見直しによりまして、財源調整のための基金残高の将来見通しの下方修正を余儀なくされたところであります。
 また、実質的な公債費の長期シミュレーションにおいては、現在の財政構造がそのまま続いた場合の将来的な公債費の高止まりのリスクが示されているところであります。
 こういったことから、これまでの財政健全化の取組をさらに一歩前進させ、将来世代に負担を先送りすることのないように、中長期的な財政構造改革に着手をしていかなければいけないと考えているところであります。
  前田  全般的な所見ということで答弁をいただきました。
 私も一定決算を見させていただく中で、当然予算に対する決算ですから、予算の執行状況というものを中心に見させてもらいましたが、苦しい中でも、今、知事がおっしゃったようないろんな工夫、スクラップ・アンド・ビルドも含めて、また集中的に投資する時は投資しながら、厳しい中でしっかり頑張っているというふうな認識を私も持たせていただいております。少し細かに質問させていただきたいと思います。
 まず、先ほど、知事の方からも述べられましたが、長期的な視点の中で収支が悪化している要因についてお尋ねしたいと思います。
 先月公表された中期財政見通しでは、平成32年度末では昨年の試算時より約160億円悪化するとのことで、その主な要因は、今、知事がお話しになりましたが、退職手当債の発行基準の見直しにあると聞いております。そのため、実質的な公債費の長期シミュレーションを行い、将来の借金返済の状況を確認したところ、現在の投資水準を維持し、退職手当の影響を借金により補った場合、平成49年度では現在の公債費の水準約400億円から50億円を超える負担となっているというシミュレーションが出されております。今回の長期シミュレーションによって、公債費が膨らむ要因について、改めてどのように考えているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
  総務部長  今回のシミュレーションにおきましては、公債費が高止まりする要因は、主に教育部門におけます職員の大量退職、退職者数の増加が生じることによりまして、退職手当の負担が高止まりすることにあります。
 これまでは退職手当として必要な額の一部を県債の発行で対応し、財政負担を先送りしてまいりましたが、このような対応を続けた場合、実質的な公債費は、ピーク時において現在の水準から50億円を超える増加が生じるものと見込んでおります。
 これを回避しますためには、中長期的に毎年度約50億円の収支改善を図っていく必要があろうと考えているところでございます。
  前田  総務部長から答弁があったような形で収支が悪化したということ、そして、それに対してしっかりと取り組んでいきたいということでありますけれども、やっぱり財政見通しを立てる時に、当然その時、その時の中で、今言ったような国の状況、国の指示の中でいろんな見直しがあって見通しが変わるということはあると思うんですよね。しかし、やはりそういうことも踏まえながら、一定きちんとした財政見通し、将来的なものを見立てていくことは非常に大事だと思っておりまして、退職債の件では当然そうなのかもしれませんが、全般的に見て、今立てている中期財政見通しというものが、果たして2年、3年後を含めたところで、しっかりとこのとおりやれていくかということについては、もう少し検討が必要じゃないのかなと思っています。
 何となれば、一つの事例を挙げますと、昨年度、私も個人質問をしましたが、長崎県公共施設等総合管理計画、公共施設の総合管理計画を国の法律によって自治体もつくるように求められております。今、鋭意その基本方針までできて、これから個別の基本計画に入っていくと思うのですが、既に昨年の12月に管理基本方針が発表されておりますが、その中で言うと、総務省が提供する試算ソフトによると、公共施設の更新に対して本県の場合、建物に関して言えば、使用期間が41年間のケース、40年間で5,331億円、年平均133億円の費用がかかるという試算、もしくは、これが使用期間65年になると、それでも年平均97億円がかかる試算になっております。あわせてインフラの整備のほうについては、今後50年間で約3,150億円、トンネルでは約189億円の費用が見込まれるということで、現在の長期財政見通しは、本年度の決算、維持補修費53億円、この額をベースとしながら、当然それをベースとして見ておりますが、今話したように、施設の維持管理だけでも毎年200億円近くのお金がかかる見込みになっています。
  前田
(続き)
 当然、これをどう減らしていくかということがこれからの課題だと思うのですが、しかし、そういうものが、今現在の設定の中では、長期財政見通しの中には入っていませんので、当然これは2年~3年後、この総合管理基本計画ができ上がった時には、その維持負担費というものが反映されたものになろうかと思います。その時に、また見通しが変わりますよということになるのであれば、そのあたりも含めたところでしっかりした財政見通しというものを立てていただきたいということをこの際要望しておきたいと思います。
 また、公共施設等総合管理計画については、基本方針を見させていただきました。せんだって質問した際も、これは単に10年~20年先のコストの負担をどう平準化するかということではなくて、また、適時に維持管理する、もしくは廃止すると、こういうことだけではなくて、地域経営として施設の管理、インフラの整備をどうやっていくかという根本的な議論をやったところが、この公共施設総合管理計画が生きてくるんだという指摘をする中で見させていただきましたが、そういう意味では、まだまだ基本、原点に返った検討というのが少し浅いのかなと思っています。
  前田
(続き)
 例えば、以前から私も意見として述べていますが、交通局についてです。これを読ませていただくと、現状のとおりの状況で、これから管理に関する基本的な考え方を示し、そして、それに対するコストがこれからはじかれていくと思います。
 しかしながら、全国で唯一長崎県だけが持つ県営バスが、今後どういう方向に進もうとしているのか。生活弱者や交通弱者がいる中で、県営バスの役割を拡充するのか、それとも現状維持するのか。もっと言えば、今現在、3市しか走っていない中で民間に移譲できるのではないか。そういうところに立った議論を求めているわけでありまして、これは所管の委員会の中でもそこはしっかり議論しますと言っていますが、現在のこの計画の中ではそういうものにはなっておりませんし、せんだってからの報道によると、既に長崎駅や諫早駅のバスターミナルのイメージ図も出てきておりますが、そういうものは、本来は交通局、公営企業としてのありようがどうあるかというものを見越した上で建てていくものだと思っていますので、そういう意味においては部局ごとの計画となってくると、私は申しわけないけれども、非常に緩やかな甘いものになりがちだと思いますので、ここはしっかり管理というか、執行部としての考え方を各部に投げ返すような形でこの総合管理計画というものをつくっていただきたいということを、この際要望しておきます。
  前田
(続き)
 続きまして、平成27年度の決算を財政指標、基金残額等、他県との比較によって本県財政運営の課題について、答弁をいただきたいと思います。
 財源対策のため、基金残額305億円は、九州各県において、リーマンショック、平成20年以降の平成21年から平成27年度を比較すると、ほとんどの県が基金は増額をしております。しかし、本県は、今回の決算では増額を10億円しているものの、100億円以上大きく基金を取り崩しており、ピーク時の約半分の額となっているところであります。また、人件費や扶助費などの義務的経費の割合も昨年度より高くなり、経常収支比率も昨年度より悪化していることから、財政の硬直化はさらに進行しているものと考えられます。
 このような財政状況を踏まえ、本県の財政運営の課題は、他県と比較してどのように分析されているのかをご答弁いただきたいと思います。
  総務部長  他県との比較での分析でありますけれども、九州各県の平成22年度から平成26年度の決算を分析してみますと、長崎県の財政は他県と比較して次のような特徴があろうと考えております。
 まず、本県では、製造業が少なく、所得の低い法人が多いことから、県税収入が少ない一方、標準的な財政規模に対しまして歳出の規模感が九州の中で一番大きい状況にございます。これは離島や半島が多く、振興局や学校、警察署の効率的な配置が難しいことから、県民1人当たりの人件費が2番目に高く、また、社会保障関係経費が主なものであります扶助費及び補助費等においても高い方から2番目にあることなどが要因と考えております。
 さらに、単独の建設事業につきましては、他県では大幅な削減が進められている中、本県は一定規模を維持してきましたことから、九州2番目の高い水準になっており、このことも大きな要因と考えております。
 この結果、いわゆる貯金に当たります財源調整のための基金については、長崎県、宮崎県が減少している一方、その他の県については増加しているような状況にございます。
 このような歳入・歳出における財政構造の他県との違いが基金残高の大幅な減少や、将来的な公債費の高どまりのリスクの要因であると認識をいたしているところでございます。
  前田  ついてはどうするのかということをお答えいただきたいわけですが、そこは次にまた質問したいと思います。
 総務部長の説明のとおりで、財政構造の本県の特徴的な事例によって、他県では基金を積み上げてきているが、本県においては、これは雇用を守るということを含めて、一定公共事業も出していくんだということを含めた積極的な基金の取り崩しだという認識をいたしておりますが、しかし、やはり今後、将来を考えた時には基金というものをしっかり積み上げていくということも大事だと思います。
 さりとて、公共事業等の県の単独のものをいかに出せるかというのは、そこはバランスの問題だと思いますが、非常に難しいさじかげんになると思いますが、その点には今後も鋭意取り組んでいただきたい。
 それと、中期財政計画の見通しの中で、やはりもう一つ高いレベルのもので今後頑張ってほしいということを踏まえた時、財政調整3基金を150億円ぐらいこの5年間で取り崩すような形になっていますが、しかし、他県の状況を見る中で、財政調整基金を極力というか、取り崩さないと、ゼロで頑張るんだという姿勢もひとつどこかに持っておく中で臨んでほしいことを要望しておきたいと思います。
 それでは、これからどうするかということを含めて、今後の財政運営の見通しと今年度決算を踏まえての来年度の予算編成方針を財政全般の質疑の取りまとめとして質問させていただきます。
 これまでの財政運営のフロー面、ストック面での課題について確認を行ったが、今後も持続可能な財政運営を行うためにはどういったことに留意するとともに、平成29年度の当初予算編成に当たって、どのような考え方で臨まれるのかをご答弁いただきたいと思います。
  知事  将来にわたって持続可能な財政運営を確保してまいりますためには、今、ご議論をいただいておりますように、中長期的に毎年約50億円の収支改善を実現していくことが必要となっているところであります。
 このため、来年度の予算編成に当たりましては、普通建設単独事業をはじめとして、各種事業の選択と集中をさらに進めていかなければならないと考えております。
 また、財政の構造を変えてまいりますためには、単に事業規模を圧縮するだけでは限界がありますため、大局的な視点に基づき、分野を問わず、事業、施設、職員配置のあり方そのものまで踏み込んで、具体的に検討すべき項目を明確にしていく必要があるものと考えております。
 そのため、財政構造改革のための総点検を実施いたしまして、早期に着手が可能なものについては速やかに実行に移していかなければならないと考えております。
 しかしながら、そうした一方で、来年度は県の総合計画チャレンジ2020の2年目に入りますことから、初年度の施策をしっかり分析しながら、これらの施策を着実に県政の発展に結びつけていくための見直しを行い、施策効果の早期発現を目指してまいりますとともに、新たな施策の構築についても積極的に進めていかなければならないと思います。
 今後、県議会でのご議論等も踏まえながら、地方創生や離島振興に向けた力強い施策の展開と財政構造改革の両立を実現できるように全力で取り組んでまいりたいと考えているところであります。
  前田  知事の答弁の中に、財政構造改革のための総点検期間だというような発言がありましたので、そのことについては後ほど部長の方からもう少し詳しく、総点検であるならば、その手法というか、そこと、もう一つそれに対して、じゃ、どんな目標を掲げるかというのは答弁いただきたいと思いますが、その前に、知事が冒頭、普通建設単独事業費に対しても切り込んでいかなきゃいけないんだというような話がありましたので、ちょっとこの点を掘り下げさせていただきたいと思っています。
 九州各県の比較の中でも普通建設単独事業費は、本県はこれまでも離島等の地理的ハンディも含めたところで、厳しい財政運営の中でも、各県と比べたところ、非常に高い数値で、ない財布の中でしっかり出してきているという認識をしておりますが、今般、知事がそういった普通建設単独事業費にも切り込むんだというようなことを言われ、これもまた新聞記事になっているのですが、公共事業すべてが悪だということは、今さらそういうことを議論する必要はなくて、やはり必要なものは必要ですし、そこは雇用につながるということ、公共事業が経済効果として1.67倍、そして、100億円の公共事業が動くと、1,300人近くの雇用誘発効果があるということを踏まえた時に、一定本県においては、そうは言いつつも普通建設単独事業費というものを維持していかなきゃいけないという認識をいたしております。
 ただ、これは公共事業全体、国からしっかりとお金を取ってきて、公共事業全体がキープされているということであるならば、そこは今まで無理をしてその費用に充てていたのですから、ほかのものに回すということがあってもいいと思っているので、この全体的な決算、そして当初予算の中で、公共事業というものがどういう形で推移し、そしてしっかりと公共事業に対して財源が充てられているんだよということを数字として少しご説明をいただきたいと思います。
  知事  これまでの財政運営に当たっての基本的な考え方について改めて申し上げますと、平成18年度以降、三位一体改革がありまして、地方財政は危機的な状況に直面をいたしました。地方交付税等が大幅に削減される中で、財源確保に苦慮したわけでありますけれども、長崎県は、幸いそういった時点では一定の基金規模が確保されておりましたので、片方で増税に向けた検討が進められる中、できるだけ軟着陸を目指していこうと。地域経済の下支えは下支えとしてしっかり、できるだけ確保していこうという考え方で予算編成に取り組んできたところでありました。
 そういった意味で、普通建設単独事業等についても、できるだけ規模感を持って確保していこう、議会でもそういった趣旨のご議論をいただいて今日に至ったわけでありますけれども、なかなか現状を見ますと、改めて退職手当債の取り扱いが変更されたことによって、年間50億円の下振れが生じてくるということであります。
 それともう一つは、増税に向けた取組について、一定国において税収確保が図られるということになると、社会保障財源等についても一部地方財政に食い込んできたところがありましたけれども、それも緩和される可能性があるのではないかと、こう期待をしていたところでありますが、なかなか難しいという状況になりつつあります。
 したがいまして、やはり今の状況の中で、財政の健全性は維持をしていかないと、中長期的な財政運営が難しくなると。そういうことから、この普通建設単独事業も含めて聖域とすることなく、総合的な観点からやっぱり事務事業の集中、重点化を図っていく必要があると考えているところであります。
  前田  知事の方から答弁をいただきましたので、次に入りたいと思います。おっしゃるとおりだと思いますので、非常に厳しい中、しかし、そうは言っても地区地区の中で、やはりまだまだインフラ整備も含めたところでの期待というか、ニーズ性はありますので、そこはしっかりと党として、会派としてもこれから要望はしていきますので、知事が言われた総合的な判断の中で取捨選択をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 

2 個別対策の事業評価について

2 個別対策の事業評価について
  前田  実はこれは財政にもかかわる話なので、この中から3点ほど質問させていただきます。
 まず、県民所得向上、雇用創出施策の成果と検証についてお尋ねをさせていただきます。
 質問に入る前の前提の情勢として、理事者側の認識を確認したところ、平成25年度の県民経済計算の結果では、農業、観光業は目標を達成しているが、製造業、水産業は達成できていない。未達成の要因は、大手製造業の付加価値額要因が大きく低下したことによる。県の事業の効果額の試算では想定を超える実績があるが、平成26年度の県民所得目標設定のベースとなった指標の状況も、平成25年度の県民経済結果と同様の経過を示しております。それから、決算額は年々増加しており、特殊要因を除いて3年間で約138億円を投資しているというふうな認識を理事者ともどもにしております。このことを踏まえて質問いたします。
 平成25年度から県民所得向上対策に取り組んできましたが、製造業、農業、水産業、観光業、サービス産業の5分野の平成27年度の県民所得増加目標額900億円に対する実績について、現時点で県はどのような検証を行っているのか、お尋ねしたいと思います。
  企画振興部長  今年3月に平成25年度の県民所得が公表されました。農業では増加目標16億円に対しまして29億円、観光業では同じく25億円に対し209億円と目標を達成いたしまして、水産業では目標の63億円を達成できなかったものの、41億円の増加となり、一定の成果につながっていると考えております。
 しかしながら、製造業では、増加目標の245億円に対しまして、マイナス907億円となり、基準年の平成22年度より減少しておりまして、県民所得の算定基礎になっている工業統計をもとに分析をいたしますと、県が直接の施策の対象としていない従業員数300人以上の大企業の付加価値が1,029億円減少したことが大きな要因となっているところでございます。
 平成27年度の県民所得の実績は、来年度判明いたしますけれども、目標設定の基礎数値から見ますと、農業では産出額が堅調に増加をいたしまして、観光業では宿泊者数やクルーズ船の寄港数が大きく増加するなど、県民所得向上に結びつくことが予想される一方で、製造業は工業統計によると、引き続き大企業の付加価値が減少傾向にありまして、900億円の目標達成に大きく影響するものと考えているところでございます。
  前田  企画振興部長の答弁は答弁としながら、従前から私は個人的にもこのことを質問しておりますが、3年たった結果というものが、2年後ぐらいにしかわからないということを含めて、その目標とした指標が達成できたか、できなかったかということよりも、その途中、途中の試算、公的な数値発表の中でその数字をとらまえて、いかにそのことをリアルタイム、より早く施策に反映させる、もしくは施策、事業の見直しをすることが大事だと思っています。
 そのための最終的な目標設定だと思う中で、今製造業の話が出てきましたが、300人以上の大きな企業の付加価値額が低下したことによるものだということだったのですが、それはそれで正でしょう。しかしながら、昨年度、最終年度を迎える中で産業労働部が挑んだこととして、30人以上299人以下の中堅企業300社に対して、とにかく集中して支援をしたいんだというようなことで、多分取り組まれたはずです。さまざまな支援施策が多分生きてきている、もしくは血になってきていると思いますが、しかし、結果として、その中堅どころの付加価値額がそう多くは増加していない、目論見どおりになっていないということ。もしくは、本県において大手の企業の下請け的な企業、下請け的な仕事をどれぐらいやっているかということを踏まえた時に、私は今言っているような大手製造業の付加価値額が大きく低下したことだけがすべての要因じゃないと思っております。
 やはりこうやって見た時に、農業は予想以上です。しかし、その1次産業の中でも水産業は厳しい。そして製造業、そして今まで行政としてなかなか手をつけてこなかったサービス業に対しても、試行錯誤で今いろんな支援をやっていると思いますが、新たな目標を掲げる中でしっかりと、特に製造業が弱いということは出てきておりますので、そこには重点的に、特に各市や町と連携した施策事業、予算の組み立てをしながらやっていかないと、なかなか次の目標も達成できない、厳しいのではないかということを思っております。
  前田
(続き)
 「2020」の中で県民所得向上ということでさまざまな指標が出ておりますが、この総生産、県民所得ということだけではなくて、もうちょっと違った指標も含めて所得の向上について取り組んでいただきたいと思っていて、例えば、1人当たりの県民所得ではなくて、県民総所得の視点、これは当然県下の動きが出てきますから。そして私は、これまでも所得が上がっても生活者、企業とかの実感がないんじゃないかというような話をしていましたが、そういう意味においては、1人当たりの家計可処分所得がどのように動いているかということについても、少し検証していただきたいと思います。10年前と比べて、本県の可処分所得は大幅に増えております。しかしながら、そのことは人口減少を要因とする可処分所得の増加であって、労働生産性が上がったことによる可処分所得ではないというようなデータも出ておりますので、そういう違った視点からさまざまな検証をしながら今後取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
  前田
(続き)
 続きまして、行政改革についてお尋ねいたします。
 アウトソーシングの期待効果と実態の効果について、お尋ねをしたいと思います。
 今年度から新たな目標を設定し、新行政改革プランがスタートしております。全計画5カ年での成果は、過日公表されたとおり、目標額135億円に対して、実績は293億円という効果額となっております。ただし、財政の質疑でも述べましたが、その間、基金残高は大幅に減少し、さらなる行革への取組が求められております。
 293億円の実績のうち、歳出の削減に取り組む中で最も成果を出したのは、人件費の抑制で114億円です。しかし、個人的な認識としては、人件費削減のための職員数の削減は、もう限界にきていると思われ、今後は1人当たりの人件費の減に手をつけることも含め、痛みを伴う取組が必要だと思われます。
 積極的な取組を求めるものでありますが、さきに述べた職員の削減が難しいのであれば、今後はさらに業務の外部化、アウトソーシングについて取り組みが求められるものだと認識をいたしております。その取組の実績と今後考えている取組について、答弁をいただきたいと思います。
  総務部長  これまで行財政運営の効率化を図りますため、指定管理者制度活用による施設管理運営業務をはじめとしまして、本庁舎の清掃、警備業務、道路の監視業務、学校給食業務などの外部委託化を進めてきたところであります。
 平成27年度までの旧行革におきます外部委託の主な成果としましては、指定管理者制度の活用による7億円の収支改善や住民サービスの向上等による施設利用者の増加などの効果が出ております。
 今年度からの新行革では、さらなる業務の外部化に取り組むこととしており、総務事務や窓口事務など、外部化に先行して取り組んでいる他県の事例も参考として検討を進めているところでございます。
 また、本年7月から取組を進めております働き方改革の中でも、外部化やICT化などの業務改善を検討することとしており、可能なものから随時実施をしてまいりたいと考えております。
  前田  業務の外部化を進めていかなきゃいけないと思いますが、これまで庁内の中で検討してきただけでなくて、外部の方も入れた第三者委員会などで検討を進めるようなことも新たな視点としてより有効だと思われますので、ご提案をしておきたいと思います。
 今回、行革の成果を見させていただいた中で、やはり税収ですね、増えてはいるんですが、なかなか厳しいということで、私が知った中では、地方税に相当するような税収が、全国平均を100とした場合、東京は166です。166ぐらいでずっと推移しています。そして、その県の格差の中で一番最下位は65程度で沖縄県だったんですが、その次が長崎県でした。しかし、今年度の決算でそれが逆転して、沖縄県は法人税が伸びていることもあり、長崎県が最下位になっているようなデータも出ておりますので、税収を増させるための取組というのは、行革の中でもこれからさらに鋭意的に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、痛みを伴う取組ということを述べさせていただきましたが、そういう中で、さっき退職債の話が出ていましたけれども、これから職員数もなかなか減らせないだろうという中で、本給自体に、人事院勧告ではない削減について検討する時期がきているのではないかと思っておりまして、せんだって、これは県職員給与引き上げということで、3年連続、地公労に回答ということで、行政職、平均年齢42.5歳の年間給与は593万円、593万5,000円から4万5,000円増える見込みということで、給与と期末勤勉手当の引き上げで約12億円、扶養手当の見直しで約2億3,000万円の財源が新たに必要となる見込みということですが、42.5歳、年間給与593万円というのが、県民の感覚からしてどうなのかといった時に、私はやはりこのことについては避けて通れないんじゃないかという認識を持っておりますので、その点も頭の中に入れていただきたいということ。
  前田
(続き)
 それから、外部委託の中で、市町への事務移譲というのは、これからもっともっと積極的に進めてほしいと思いますが、なかなか進行していないような現状にあると思っています。そうした中で何がネックかというと、やはり権限だけではなくて、財源と人、職員ですね。その権限、財源、人、その3点セットの事務移譲を考えていかなければいけないと思いますし、法や条例等による移譲だけではなくて、もっと違った中で、例えば県道の改修や維持整備なんかでも、他県において、もうそれを市町に3点セットで移譲しましょうと、そういう動きも出ておりますので、そういう踏み込んだことについても検討していただきたいなと思っております。
 最後になりますが、医療費の適正化について質疑をさせていただきます。
 知事の方からもお話がありましたが、医療費が、今大幅に伸びている中で、決算ベースを含めたところで、本県における医療費の増の状況について答弁をいただきたいと思います。それと、そこを適正化するための取組ですね。
  福祉保健部長  医療費の適正化の関係についてのお尋ねでございますけれども、大きく医療費を占めるものが、市町国保の医療費というのがありまして、平成27年度で1,575億2,900万円、前年度と比較して15億4,900万円、1%の増となっております。また、もう一つ、後期高齢者の医療費というのがございまして、それは2,306億2,800万円でございます。前年度と比較いたしますと、62億6,300万円、2.8%の増と、いずれも増加傾向にございます。
 医療費の適正化のためには予防が重要であるということで、第2期長崎県医療費適正化計画に基づきまして、市町等における健康づくりと、県における健康増進に関する普及啓発推進の観点から、市町に対して特定健診受診率の向上のため、国・県合わせて特定健診経費の3分の2を助成したほか、事業所訪問等による受診勧奨、あるいは出前健康教育、また、テレビ媒体による周知啓発等を実施したところでございます。
  前田  今日の質問通告の中で、同僚議員の方からもこの件について質問が上がっておりますので、もうこの程度にとどめさせていただきますが、予防と啓発が県にとって大きな役割だという認識、そして、市町とのすみ分けをそこでやっているということであるならば、もう少し中身を見る中で、やはり予防や啓発をするための人の配置というか、専門職の配置というものを図るべきだと考えております。それは歯科保健も含めた、そして、医療政策全般についてもそうでありますが、そういうことも含め、そして予防、重度化を防ぐという意味の中では、一義的には市町にその役割があるとしても、モデル的な事業というものは、県が積極的にこの要望について踏み込んでいい時期がきているのではないかということを認識しておりますので、このことについては、会派等の要望等の中で、また説明させていただきたいと思います。
 以上で、私のほうからの質問を終わらせていただきます。
  福祉保健部長  恐れ入ります。先ほどの県民所得増加目標900億円に対する現時点での検証についての私の答弁の中で数字の誤りがございましたので、訂正をさせていただきます。
 製造業における増加目標の金額を245億円と申し上げましたけれども、248億円の誤りでございました。申しわけございませんでした。
  前田  ありがとうございました。
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