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予算決算委総括質疑 2015.10.16

1 本県の財政状況ならびに行財政改革への取り組みについて

前田 吉村(洋)委員より、私の方が心配性でありまして、秋がきたら冬がくるんでしょうが、その先に春がくると思っているので、明るい見通しを質疑できるようなやりとりになればと思っています。  それにしましても、その春を迎えるためには、やはり国の動きをしっかりと見ていくということが大事であります。  5月に総務省における財政諮問会議の中で、有識者の方が今後の財政運営について、これからどうやって改革していこうかという論点が出ております。  そういう中で、これは知事、ぜひ改めて諮問会議の内容をまた見ていただきたいんですが、やはり地方として主張すべきことは主張していただきたいと思っております。これから先、国が自らの財源を確保するためにも、地方に対して非常に厳しい態度で臨んでくることが予想されます。  論点の中で、交付税の財源保障機能が税収偏在を補正する以上に過度に強く効いていないか、行政コストと合わせて比較検証すべき。また、リーマンショック後の歳入歳出面の特別措置を早急に解消すべき。  歳出面からは、国と同様、インセンティブ改革、公共サービスの産業化等を徹底して推進すべきというような論調の議論がなされておりまして、その中では、例えば地方交付税制度においてはトップランナー方式というものを導入してはどうかということで、自治体間の行政コストを比較徹底し、例えば地方交付税の単位表を計画期内に低コスト団体に合わせる仕組みを導入し、これを地方財政計画に反映することにより、自治体全体の取組を加速するというような意見が出されています。  それで、本県は人口密度別に見て、人件費や維持補修費等を比較した場合に、平均以上に非常にコストがかかっております。これを低コストのところに並べたような形での交付税の算定になってくると、さらに本県は厳しい財政状況を強いられるわけでありまして、こういった中央における諮問会議の内容を随時チェックしていただいて、地方として言うべきことはしっかりと言っていただきながら、かつ、しかし国の目指す方向性に沿った財政改革、行財政改革を行っていただきたいということを要望し、そして、その視点の中から、今回何点か質問したいと思っています。
前田 先ほどの質疑の中で、総務部長から財政の4指標については非常に健全な数値が出ているという答弁がありました。しかし、これから国においては、市町村における行政バランスシート的な手法を県においても導入しようと考えております。それは財政融資の貸し手として、融資先の償還確実性を確認する必要性があるためであります。  そうした中で、私も今回初めて知ったんですが、その4つの財務指標の中で、債務償還可能年数、これは家計に例えるならばローンを返済するのに何年かかるか。それから、実質債務月収倍率、これはローンが給与の何倍になるのか。積立金等月収倍率、家計に例えると預貯金が給与の何倍か。行政経常収支率、これはローンの返済に回せるお金がどのくらいあるかという指標を、今後、市町村において見てきたように、県においても見ていきましょうということを方針として打ち出されています。  そうした中で、これは財政に大分ご苦労いただいたんですが、平成26年度の決算において、債務償還可能年数、これはローンがどのくらいあるのかということについては、長崎県は20.5年、それから実質債務月収倍率につきましては29.5カ月、積立金等月収倍率は3.4カ月、行政経常収支比率は12.0というふうに、数字として非常に厳しい数字と私は思っていますが、他県の数字がまだ出ていませんので、一概にこの数字をもって、じゃ、長崎県はどうなんだということは言えないのかもしれませんが、こういう指標も含めて、これから各県の財政運営を見える化していく。そして、そのことに対する評価がなされてくるという現況につきまして、私が今言ったような数字は初めて今回議会の中で提示された数字でありますが、このことについて、ご所見等がありましたらご答弁いただきたいと思います。
総務部長 県の財政運営を進める上での判断基準、あるいは現状の財政状況等を県民の皆様にわかりやすくご理解いただく、こういった指標というのは非常に重要なことだろうと思っております。これまでも国の4つの健全化指標を用いてきているところでございます。  また、全世帯広報誌、あるいは各種の広報でわかりやすい説明対応については進めているところでございますけれども、今、委員ご指摘の財務省の4つの新たな指標につきまして、私どもも非常に関心を持っているところでございます。  ただ、この4つの指標、これは現在、市町を対象に進められているということで、財務省に確認をいたしましたところ、まだ各都道府県対応としては研究の途上にあるとのことでございました。これは、各市町と都道府県の財政構造なり、財政運営なりが若干異なっていることもございまして、まだ検討中ということで、今後、各都道府県にも意見をいろいろお聞きしたいということもあっております。  私どもとしましては、いろんな指標をしっかりと判断基準として持っていくこと、あるいは県民の皆様に、例えば家計を例えにわかりやすくお伝えすることが重要だと思っておりますので、今後とも財務省とも意見交換しながら、可能なものについては検討を進めてまいりたいと思っております。
前田 やはり県の財政状況を県民に対して、もちろん議会に対しても見える化を進めるということは非常に大事なことだと思っております。  そうした中で、今、総務部長からありましたように、こういう新しい指標についても、県としてもその数値をしっかりと注視していただきたいということ、並びに臨時財政対策債について質問をしようと思っておりましたけれども、時間の関係で省略させてもらいますが、こういった理論数値上1,072億円償還するとなっているところを、今現在、897億円の償還で、その差が175億円。この175億円については、他の償還について有効に充てているということですので、その言葉を信じたいと思いますが、こういう見えづらい数値についても、これから鋭意情報の公開を求めたいと思います。  先ほど言ったような諮問会議の中では、一つ特徴的な言葉として、「公的サービスの産業化、外部化」を進めるべきという考えが示されております。  これは本県の行財政改革の中でも取り組んだことでありまして、平成27年度で行政改革の5カ年の計画が一旦終わるという中で、決算も含めて外部委託の実績についてご答弁いただきたいと思います。今後、これを推進するという意味で、外部化においてどれぐらいの検討が進められるかということについても併せてご答弁ください。
総務部長 これまで行財政運営の効率化を進めますために、病院、福祉施設の民間委譲や指定管理者制度活用による施設管理運営業務、本庁舎の清掃、夜間警備業務、道路の監視業務、学校給食業務などの外部委託化を進めてきたところでございます。  今後も、さらに行財政運営の効率化と政策の企画立案に職員の力を集中させるためにも、新たな行財政改革におきまして業務の外部化を進めたいと考えております。  その際、他県では、総務関係事務、文書集発業務、資格免許の交付業務、貸付金にかかる債権管理業務など、外部化に先行して取り組んでいる事例もありますことから、それら他県の先行的な事例も参考にしながら、どういう外部化が本県としてどこまで取り入れられるか、今後、検討を進めていきたいと思っております。
前田 ありがとうございました。  職員削減ということにも今後また取り組んでいく中で、個々の職員の業務量は非常に大きくなってきていると思っていまして、その負担感も当然増している。そして、そのことを推進するに当たっては、やはり今言ったような、これまでの対象となった業種だけではなくて、専門的な分野についても外部委託化をしっかりと進めていくことが大事だと思っておりまして、そのことについて次期行革の懇話会の中で議論を進めていただきたいと思います。ただし、これについては、各省庁が自治体向けに適切な範囲を示すことが大事だと思っていますので、そういう確認もとりながら進めていただくことを要望しておきます。

2 その他

前田 次に、財産の活用についてですが、未利用地については、先ほど同僚議員から質問がありましたので、1点だけ提案したいこともありますので確認をしたいと思います。  公舎の入居状況でありますが、ファシリティマネジメントによって、今後30年の中で3割の公舎を削減することとしておりますが、今現在、5カ年進んだ中での知事部局、教育庁、県警本部の公舎の入居状況についてご答弁をいただきたいと思います。また、その入居状況の中で、空きが出たところの活用状況についても一緒にご答弁をいただきたいと思います。
総務部長 現在、職員が活用いたしております職員向けの公舎としての平成27年4月時点の入居率は、地域別に差がございますが、全体としては知事部局80.4%、教育庁77.5%、県警本部83.5%となっております。  空き公舎の有効活用につきましては、これまでも取り組んできたところでございまして、今申し上げました数字に入っている公舎以前の段階で、各市町等に有効活用を図ってきているところでございます。  具体的にはUIターン移住希望者へのお試し住宅や外国人留学生の共同住宅など、これまで18棟、123戸の活用を図ってきたところでございます。現在、さらに12棟、61戸の活用につきまして、市町へ情報提供を行っているところでございます。  なお、今後の活用につきましては、今、委員ご指摘のとおり、知事部局におきましては、公舎の集約化に関する方針を策定いたしておりまして、将来的には長寿命化が期待できない公舎42棟、196戸を廃止することとしておりますため、職員向け公舎の必要戸数の確保も考慮しながら、どこまで対応が可能なのか、検討は進めていかなければならないと思っております。
前田 集約というか、進捗の管理は大事だと思っているんですが、今回このことを、あまたある公有財産の中で一つ挙げたのは、今おっしゃったように平均して80%近い入居状況ということで、20%の空きがある中で、先ほどの答弁のように、既に123戸の活用が図られているということですが、お聞きするところ、これは各部局の中でどういう活用方法があるかというニーズを調査しながらやっているということです。  ここで一つ提案なんですが、こども政策局に提案したいんですけれども、児童養護施設を18歳で退所した子どもたちは、それから就職したり、学業に進んだりいたします。平成26年度にそういう卒業児童が39人いて、就職した人が26名、進学した人が11名ですが、18歳を過ぎて出て一人立ちする中で、いろんな経済的な負担がかかる中で住居費というのは非常に大きいと思っておりまして、こういう子どもたちを育成するためにも、こういった公営住宅をぜひ、今私が述べた児童養護施設退所児童に対して提供してほしいということを提案したいと思っています。これに対して簡潔な答弁をいただきたいと思います。
こども政策局長 おっしゃるとおり、高校卒業等を契機に施設を退所して進学や就職をした場合、経済的なものも含めて児童にとっては大変大きな問題であると思っております。今後、県内での進学や就職ができる環境を整えるために、そういう児童に何らかのことができればと思っております。  ご提案の内容につきましては、先ほどの答弁にもありましたように、職員公舎戸数の減少の方向性などもございますが、児童養護施設等のご意見をお伺いして、ニーズ等の調査も確認した上で関係部局との検討も行ってまいりたいと考えております。
前田 ぜひよろしくお願いします。  質問を終わります。
長崎県議会議員 前田哲也事務所
前田哲也を支える会
自由民主党長崎県長崎市第三十支部
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